先日、アメ横をふらふら歩いていると、面白そうなものを見つけまして。
ほぉ、リュウガン……
リュウガン(竜眼)とは台湾など東南アジアで生産されているフルーツで、ライチ(レイシ)に近いムクロジ科の植物です。
生産地では街路樹なんかにも利用される(そしてギンナンみたいに道路に落ちて異臭を放つ)そうで、安価版ライチみたいな扱いですが、古くから冷凍品が・最近では生鮮品が輸入されるようになったライチと異なり、日本では新鮮なリュウガンを食べられることはあまりないみたいです。
食べられるとしても国内産(八重山のほうで少量生産されているとのこと)でしょう。
今回見つけたものも「新物」とありますが、乾燥品でした。
収穫期はWikipediaによると真夏らしいので、収穫したてを干した、ってわけでもないでしょう。
「輸入したてほやほや」って理解でいいのでしょうか……まあアメ横の売り物について深く考えるのはやめましょう。闇が深いから。
よくもだましたァァァァァ
だましてくれたなァァァァァァァ pic.twitter.com/eK7DD5gIlf— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年3月23日
購入したドライリュウガンを食べてみましょう。
……(`・〰・´)
うん、ライチ風味の干しぶどうって感じ。
ライチっぽい透き通った香りはあります。ただ干したせいか、はたまたそういうものなのか、後味に独特のひなびたような香りがあります。
トロピカルフルーツが過熟したときの、あのまったりとした饐えたような匂い。
あと俗に「食べすぎると鼻血が出る」と言われているそうですが、10個くらい一気に食べたら謎の胸やけに襲われました。
ドライリュウガン、あんまりバクバク食べるもんじゃないな……
料理に使っていきたいところですが、何かいいレシピはあるのでしょうか。
【急募】竜眼の使い方に自信ニキ・ネキ pic.twitter.com/6EsGxkcuMZ
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年3月22日
Twitterで賢者の皆様に聞いてみると、製菓材料やジュース、フレーバーティーの素材としては結構ポピュラーなようですが、料理の素材としてはそこまでは用いられていない様子。
てっきりタマリンドのように広く利用されているものかと思っていましたが、そうでもないのですね。
まあ確かに、タマリンドと違ってドライリュウガンには酸味がほとんどない。
これは調味料としての幅が非常に狭くなることを意味します。
でも一方でこの強い甘み、そしてとても個性の強いトロピカルフルーティーな香りは、うまくハマれば素晴らしい働きを見せるはず。
以前、イワシの梅煮を梅干しの代わりにタマリンドを使って作ってみたことがありますが、その力強い酸味がイワシの脂っぽさをいい感じに落ち着けていてとても美味しく仕上がりました。
リュウガンを使っても、ちょびっと手を加えれば面白いものができるのではないか。
そう思い、やってみることにしました。
イワシのリュウガン煮を作ってみた
フライパンに醤油、みりん、やや少なめの砂糖と
皮を剥いたドライリュウガン、さらに酸味を加えるために、お酒の代わりに白ワインを入れて、いったん煮立てます。
先日富山で購入してきた名残のマイワシ、
そして、ミギスを捌いて
煮汁に入れて弱火でじっくり煮ます。
煮詰まってきたら魚を取り出し、煮汁のみをトロッとするまで煮詰めて、回しかけます。
完成!
いただきマース
……(≧〰≦)
ウマー!!
イワシ、フルーティーな風味とホントよく合いますね!
というか青魚なら何でも合うのかも。生臭みを飛ばし、さわやかさとコクを与えてくれます。
白ワインを使ったのも大正解。酸味がバランスよく加わりました。
ワインらしさはいい感じに鳴りを潜め、ちゃんと梅煮系統の味に仕上がっています。
個人的には普通の梅煮よりも好き。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
これからの時期、イワシは一時的に産卵で味を落としますが、梅雨明けごろになると強烈な脂を伴って復活します。
そういうのが安く手に入ったら、ぜひこの「イワシのリュウガン煮」やってみてください。
リュウガン、決して高い調味料じゃないし、アメ横じゃなくても中華食材店ならどこでも買えると思います。なんならお分けするぞ(あと450g位ある……)
コメント
そういう使い方もあるんですね。
ちょうど余ってるので今度やってみようと思います。
漢方薬みたいな独特の匂いは調理後も残るのでしょうか。
それとも飛んでくれるんでしょうか。
あの匂いはちょっと苦手です。