瀬戸内のアイゴは美味しい①:小さな高級魚・アイゴに刺されてみたり、刺身で食べたりしてみた

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福岡にいたころ、よくアイゴを釣って食べていた……という話は過去に何度かネタにしている通りだ。  
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そのころ、自分で釣ったり朝市で購入したりして食べていたアイゴは「美味しい魚」という印象があったのに、こちら(神奈川)で釣ったアイゴはそこまでではなく、残念に思うことが続いていた。

関東の釣り人にとっては「最近急に増えた磯臭い魚」という程度の印象しかなく、顧みられることはまずない。
そんな状況を変えたくて、釣れたり貰ったりしたアイゴを積極的に試してきたのだが、その評価を覆せそうな味のものには巡り会っていない。


そんな折、岡山中央卸売市場の翔さんから「ぜひうちのアイゴを食べてほしい!」というオファーが届いた。
調べてみると、瀬戸内では今の時期、体長20㎝程度までのサイズのアイゴがたくさん水揚げされ、安からぬ値段で流通しているのだという。

過去の記事でも、瀬戸内の方を中心に「アイゴはとても美味しい(特に内臓が)」「それをすてるなんてとんでもない」というコメントをいただいており、間違いなく高い評価を受けているのだろうという印象があった。


翔さんはいつだって僕が欲しい魚を欲しいタイミングで送ってくれる。
人生においてもつべきものは、腕利き目利きの仲買さんの知り合いだと迷わず断言できる。

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アイゴ祭り、勃発

そしてあくる日、我が家にやってきた。
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多い!!wwwww
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小さいものは10㎝ないくらい、
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大きくても20㎝ちょっとのアイゴがたっぷりと敷き詰められていた。
このサイズは九州でも売られているのを見たことがない。
本来暖海性であるアイゴは、冬に水温の下がる瀬戸内海に棲息するのは厳しいはずで、そのため小さいものが多くなっているのかもしれない。

一方でアイゴの爆増&磯焼けの拡大の波は瀬戸内海にも押し寄せているようなので、瀬戸内の皆様におかれましては今以上に積極的に食べていただきたいと思う所存でもあります。(関東もんもどんどん食べてほしい)


さて、箱を開けてみてまず思ったのは

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「臭く……ない!!?」

アイゴを釣ったり突いたりして、クーラーに入れて持ち帰ってくると、寒い時期であっても、クーラーを開けた際にあの独特の、打ち上げられた海藻の匂いがふわっと立ち上ってくる。
しかし今回、これだけ数多くのアイゴが敷き詰められていたにもかかわらず、全くそのような臭いは無かった。

これは期待が膨らむ。

小さなアイゴは刺さない?

アイゴは背鰭や尻鰭などに毒刺を持つことが知られている。
しかし、沖縄名物「スクガラス」の原料となっている稚魚は、鰭の毒刺もそのままに食べられることが多い。
さらには生のまま丸ごと踊り食い的に食されることもあり「頭から飲み込まないと棘が口に刺さる」という恐ろしい記述もあるので、おそらく毒がほとんど含まれていないのだろう。


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では、今回来たものくらいのサイズではどうだろう。
指先に軽く刺してみよう。
毒を持っている個体なら、この程度でも涙が出るほど痛いはず。


まずは、10㎝ほどのサイズから
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……痛くない。
いや、厳密にいうと痛いんだけど(血出たし)あくまで棘が刺さる痛みであって、毒の痛みではないようだ。


続いて15㎝位のサイズ。

……あ、ちょっとピリピリ来るな……
これくらいからは毒がしっかりあるようだ。


※1 危険なのでマネしないでください。
※2 長時間の冷蔵により毒が和らぐ、あるいは消えるとの説があるようです。小さいものでも、生体を扱うときは刺されないようにするのが無難です。

刺身で食べてみた

さて、人体実験も終わったので、さっそく食べてみよう。
まずは、昔一番好きだった刺身から。

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アイゴはかなり側偏していて薄い魚だが、骨がしっかりしているため3枚に下ろすのは苦労しない。

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また、鱗が皮と一体化していて丈夫なので、鰭に沿って切れ目を入れて

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メリメリと引っ張って剥がすと簡単に皮を引くことができる。
それから、頭の後を切って引っ張ると内臓ごと取れる。

なんて処理の楽な魚でしょう!
……毒刺さえなければね。。

僕は(刺されることに)慣れてるのでそのまま調理したが、怖い人はまずキッチンバサミで棘を切り取ってしまうのがオススメだ。


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とか何とか言っているうちに、刺身が完成。
身質がしっかりしているので薄造りにされることが多いが、僕は適当にたたき切って噛み締めて食べるのが好きだ。

いただきマース

……(`・~・´)
うん、これこれ、この味!
僅かに磯臭さ……というほどでもない、海苔のような匂いがあるが、魚好きなら全く気にならないというか、むしろ好ましい個性のように感じとるだろう。

小さいながらも脂がよくのっており、これがちょっと魚離れしたこってり感があって美味しい。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



やっぱり、匂いが薄ければかなり上位を狙える魚なんだね、アイゴって。

ただ、一般的に磯臭い魚は、加熱調理することでそれがより強くなる傾向がある。
そして、磯臭さの元凶ともいえる内臓(ゼンマイ)もまだ食べていない。


これらがどう出るか……楽しみでもあり、不安でもあり。。

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魚介その1(魚系)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. アイゴは美味いっすね。
    私はよく網代で釣りをしてる時に捨てる方が多かったのでよく頂いてたのですが、今は網代は閉鎖中。困ったものです。
    刺身、塩焼きはかなり美味い魚だと思います。
    特に40cmぐらいの脂ののった個体の刺身の漬けは最高に美味いと思います。
    伊豆のアイゴよりも瀬戸内の方が美味いならぜひ食べてみたいですね。

    • wacky より:

      アイゴ、伊豆半島であればどこでも、本気で狙えば大量に釣れると思います(本気で狙っている人見たことないけど)
      身の食感がよく脂がのっているので、漬けにはピッタリでしょうね!

  2. 通ったすがり より:
    • wacky より:

      どうもそのようですね。アイゴだけに責任を負わせるのはどうかという気もしますけど。。
      いずれにしても今より一層しっかり利用していかなくてはなりませんね。

  3. ウピスコ より:

    臭くないアイゴって…!なんでしょう、毒針の無い大スズメバチみたいな!?
    素敵フードすぎる…!
    刺身大好きなのですが、やや香りが気になってしまう事が多く、自分も漬けによくします。最高ですよね…!
    香りが気になっても調理法で全然カバーできるレベルなので、引きも強いし釣りやすいしウマイしという事はないのですが、臭みがないならないで食べてみたい…!
    この寒い時期は、ウツボは釣った経験があるのですがアイゴはどうなんだろうなあ

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