瀬戸内のアイゴは美味しい③:食べごたえMAXの自作スクガラスその他

スポンサーリンク

※第7回の記事が公開されました!↓↓(2016.12.1)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
星海社Webサイト「ジセダイ」
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!

yashoku_topfeature07
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆




第1弾→小さな高級魚・アイゴに刺されてみたり、刺身で食べたりしてみた
第2弾→瀬戸内ばりこは内臓もめっちゃ美味しい
kimg4684
結局、瀬戸内のアイゴが美味しい理由って何なんだろう。


・仮説1:食べている藻の種類が違う
以前の記事でも書いた通り、外洋、とくに太平洋岸で釣れたアイゴと、日本海側の特に内湾(博多湾や唐津湾)で釣れたアイゴは食味に差がある。
これは海水温の差、そしてそれによる植生の違いによるものではないか、というのが僕の推測だ。

・仮説2:そもそも食べているものが違う
磯魚のメジナもアイゴと同じく海藻を食べる魚であり、昔は磯臭くて食べられないという評価が一般的であったという。
しかし、釣り餌にオキアミが使われるようになって食性が大きく変わり、それに伴って食味も良くなったと言われている。

普段からアイゴ狙いの釣り人がいる西日本では、アイゴも海藻よりオキアミを選択的に食べるようになっており、食味も変わってきた……という説はちょっと乱暴すぎるだろうか。

・仮説3:単純に大きさの差によるものである
沖縄の「スク」は稚魚であるためプランクトン食であり、そのまま刺身で食べられるのだという。
つまり、どんな産地のアイゴでも稚魚~幼魚のうちは臭みがなく美味しいのでは? という考えは自然なものだと言える。

瀬戸内海は水温が低いせいか、大きいアイゴはあまり獲れず、20㎝位までのものが多く流通しているというが、このサイズのものはどのような食性になっているのだろう。
あの内臓の美味さを考えるに、あまり海藻を食べてはいないような気がするが、それでも瀬戸内海におけるアイゴによる藻の食害は深刻化しているそうなので、全く食べないということは無いはずだ。


正直なところ、はっきりとした理由は分からない。
ただ、上記のようないくつかの条件がバランスよく絡み合い、かような美味が生まれているのではないかと考えると、いろいろとすっきり気持ちいい。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
 

瀬戸内アイゴでスクガラスを作ってみた

さて、アイゴ料理で最も全国的な知名度があるものと言えばやはりスクガラスなのではないだろうか。
スクガラス Google検索結果
沖縄の名産のひとつで、大量に接岸してきたアイゴの稚魚を丸ごと(毒鰭もついたまま)塩漬けにしたものだ。

季節になると地元のニュースに「スク水揚げ」という文字列が踊り、平林さんのようなスク水クラスタの心をざわつかせる。


このスクガラス、僕も大好きなのだが、沖縄物産店などで購入するとそこそこの値段がする。
今回せっかく翔さんが小さいものも送ってくれたので、ちょっと自作してみようと思ったのだが、

kimg4729
小さいと言っても8㎝位あり、通常のスクの2倍以上ある。
頭や内臓はさすがに塩漬けでは食べられないだろうと思い、

kimg4732
ドレス状態にして漬けてみることにした。
皮は引いたものと引いてないものの2パターンを用意した。

kimg4739
これを30%の塩に漬けこんで冷蔵庫で数日放置。

kimg4852
うん、こんなものかしら。

味見してみよう。

kimg4855
……(`・~・´;)
うーん、悪くはないけど、やっぱり毒鰭が口に刺さりますなぁ……
さすがにこのサイズをそのまま塩漬けにしようってのは無理があったかな。。

あと、味は良いと思うんだけど、やはり大きいので生臭みも強い。
それから皮も丈夫で噛み切れない。

kimg4859
なので、皮を引いて鰭を切り取り、本場に倣って

kimg4863
豆腐に乗せてみた。

kimg4870
……うん、豆腐もちょっと小さいやつだけど、にしてもスク、デカいなww
本来はこんな風になるはずなんだけどね。

あらためて、いただきマース

……(`・~・´*)
うむ、よい。
豆腐と合わさると途端に余計な生臭みが消えて、塩気もちょうどよくなって美味しい!
この不思議な、発酵臭のような風味はやはりアイゴそのものの風味なのだなぁ……他の魚の稚魚じゃこうはならないもんなぁ。

このまま酢締めにしても美味しいかもしれない。
泡盛にめっちゃ合うぞ!

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

それ以外もいろいろ

煮付けた魚を焼く、広島地方の郷土料理「はぶて焼き」もやってみた。

kimg4761
うむ、美味しくならないわけがない!
kimg4763
ぜんまいもますます絶品に……!!

そしてすごいのが、煮付けたアイゴを冷ましていると、脂がまるでラードのように凝固するのだ。
kimg4758
やたらコクのある脂だなーと思ったのだが、不飽和脂肪酸じゃなかったのか……キミ、ホントに魚?


kimg4731
大きいものはみりん醤油に漬けて

kimg4875
開き干しに。

kimg4878
ちょっと干しすぎちゃった……
でも焼いて噛み締めながら食べると、脂の旨味がジワリと浮きだしてきて大変な絶品である。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



はー美味しかった!
翔さん、またお願いします!!

スポンサーリンク
 
スポンサーリンク
魚介その1(魚系) 豊栄水産
スポンサーリンク
茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

  1. やす より:

    こんにちは、いつも楽しく読ませていただいています
    せつなさんの所でもお伺いしたのですが、茸本さんは食べたことのない珍しい食材でどうしても食べてみたいものってありますか?
    ちなみにせつなさんはマムシの卵だそうです

    • wacky より:

      そうですねぇ、正直、無数にありますけど……とりあえず1つ挙げるのなら、オニイソメですかねぇ。。実は近所で1ヶ所棲息確認済みで、あとは捕まえるだけなんですけど。。

  2. らんらん より:

    スク(ール)水(着)age…

    ところで茸本さんミステリークレイフィッシュ食べてみませんか?

  3. アイゴは美味いですね。
    刺身、漬け、塩焼き、煮付け。
    どう食べても非常に美味しいのですが、内臓だけは・・・・。
    伊豆のアイゴの腹は臭すぎて、食べてみようと言う気には全くなれません。
    それこそ家じゅう臭くなってしまう。
    瀬戸内では食べると聞いた事あったんですが、好みと言うか、昔から食べてるから食べなれてるとか、などなど食べる人の違いかと思ってたんですが、魚自体が違うんですね。
    瀬戸内に行ったらチャレンジしてみたいですね。

タイトルとURLをコピーしました