ギスと同様、一般的には外道でも個人的には本命だと思っているのがスミヤキ。
正式和名はクロシビカマスという。
同じ仲間のクロタチカマスを含め「サバ亜目クロタチカマス科」に属するこの魚、確かにサバ亜目内のいろいろな魚の要素をごちゃまぜキメラにしたような印象を受ける。
シルエットはカマス。
ぎらつく歯はタチウオ。
怪しく銀紫に光る体表はサバ。
立てた背鰭はカジキ。
でも、僕がこれまで食べた魚の中で、このスミヤキに分類的に最も近いものは…
アブラソコムツ・バラムツ。。
確かに目はよく似てるし、肌の色も似ている。
身質も脂ギッシュでかなり近いカンジだ。
もちろんワックスエステルは含有していないけどね!
スミヤキを調理する
まずは刺身。
頭を下ろして内臓を抜き、3枚に下ろし、サクに取る。
キバだけでなく、鰓のところにある鰓歯がかなり鋭いので下ろす時は要注意。
刺身にするときは、ウツボ同様に皮下埋没骨を避けて切るようにしないといけない。
↑背側
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//////////←こんな感じで皮のすぐ内側にびっちりと並んでいるので、
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↓腹側
方法①:骨に当たらないように身をそぎ切る
中骨側から緩い角度で包丁の刃を入れて、皮下埋没骨に当たる直前に刃をまな板と水平にしてそぎ取る。
こうすると比較的幅のある刺身が取れるが、皮下の一番美味しい部分の肉はとれない。
方法②:骨に平行に細切り(糸造り)にする
皮下埋没骨は互いに平行に並んでいるので、頭を落としてできた断面から皮下埋没骨の入り方を読みとり、それに沿って細切りにしていく。
強制的に細切れになってしまうが、皮目の脂まで楽しめる。
方法③:骨切りする
カタいのでオススメしません。。
今回は時間がないので①で。
丁寧にそぎ取って…
…(・~・`)?
あれ?脂乗ってない…?
身はしっとりとして柔らかいのだが、不思議なことに脂が全然のっていない。
スミヤキは結構食べてきたけど、はじめての経験だ。
まあアブラソコムツと違って浮き袋を持っているので、体脂肪が無くても浮力は保てるのだろうけど。
味でいうと指3本サイズのタチウオみたいな感じで、美味いんだけど多少物足りない。
生はあきらめて、潮汁にしてみよう。
他の深海魚のアラと一緒に煮て、塩だけで味付け。
…(・~・´)
うん、いい味出してる。
スミヤキの魅力と言えばまるでトロのような脂の乗りだけど、実は出汁がめちゃくちゃ美味しい。
旨味が濃くて舌の上に残るほどで、粒の小さな上質の脂がふわりとうかび、まるでアマダイのお吸い物のようだ。
そこに柔らかな身がほろりとほどけて絡み合うと、まさに絶品!
…骨はカタいけどな。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
近縁種にカゴカマスという、見た目は似ているけどもっと骨が少ない種類がいて、こちらも同じような場所で釣れるらしい。
こちらもぜひ食べてみたいものです。
コメント
最近はもっと楽な方法4でやってますよ。
カゴカマスももっと浅場まで釣れますね。
深海魚って同種なら深いほうが脂乗ってそうなイメージありますが例外もあるんですね。
スプーンで掻き出す的な??
いや、今回のスミヤキはこれまで食べたものの中で最も脂の乗りが悪かったので、痩せた個体だったのでしょう。
外見からある程度、脂の有無が判別できると助かるのですけど。。