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今回のわらしべ釣りで釣れた魚の中で、プロローグ記事で紹介し忘れていたものがありました。
今日釣れたテンス、ちょっと畏敬の念がでるほど美しいんだけど、こんな綺麗な個体もいるんだね pic.twitter.com/bfCWoUM48B
— 茸本朗(野食ハンマープライス) (@tetsuto_w) 2018年7月18日
テンスです。
ベラの仲間の中型種で、やや水深のある砂泥底に棲息しています。
基本的には小動物を食べている魚だと思うのですが(口も小さいし)まさか生きたイワシに食いついてくるとは思いませんでした。
大きさは25㎝程度、本種だと最大サイズだと思います。
しかし、ともかくこの魚は見た目がきれいです。
先日、水族館で生体を見ることができたのですが、水槽の中で動くたびに体色が変わるように見えました。
興奮すると変わるのか、それとも構造色で光の反射によって見え方が変わるのか。不思議なところです。
この魚が釣れるのは、アマダイと全く同じような場所(シーズンは違うけど)
見た目も何となくアマダイに似ており、食性もおそらくほぼ一緒なのですが、それでもアマダイ科とベラ科の間には分厚い壁が横たわっており、高級魚とされるアマダイと、とくに顧みられることのない未利用魚のテンスでは扱いに天と地ほどの差があります。
実際、味わいのそれほどの差があるのかというと……
先日、ベラ科魚の食べ比べの記事を書いたときにテンスも言及していますが、ベラの中では結構美味しい部類に入るんじゃないかという感想を持ちました。
ベラの仲間に共通する特徴ですが、やや身が水っぽく、そのまま調理すると味がぼやけるきらいがあります。
なので、この水分をどうにかしてあげれば、美味しく食べることができるはず。
同じく身に水っぽさのあるアマダイは、やや特殊な方法で塩締めを行い、水分を抜きます。
テンスでも同じ方法で締めたら、その本領を発揮できるのではないかと思い、やってみることにしました。
テンスを若狭風に「一塩」して食べてみた
テンスはよく洗い、鱗がついたまま
背開きにして、内臓や血をよく洗い流します。
水気をよくとり、開いた面にやや多め(重量の3%くらい)の塩を振ります。
これを再び閉じて、ペーパータオルでくるみ、さらにラップを巻いて冷蔵庫で1~2日置きます。
できあがり。
アマダイの名産地、福井県若狭地方で、獲れたアマダイを京都まで運ぶにあたり行われていた手法で、この状態で運ばれてきたものを「一塩ぐじ」「若狭ぐじ」というように呼びました。
これは通常では塩焼きにしますが、新鮮であれば当然刺身(というか塩締め)にもできます。
やってみました(上の)
さて、見た目はアマダイの塩締めですが、味は果たしてどうか……
……(`・〰・´)……
うーん、惜しい!
ムッチリねっとりとした食感、噛み締めると滲みだす旨味、いずれもアマダイのそれに匹敵します。
でも、そのあとからグワッと口の中に広がるはずの甘みが、やっぱりテンスでは物足りない。
いや、十分美味しい塩締めなんだけどね、やっぱりアマダイと比較してはいけないよね。。
塩焼きもしてみました。
やっぱりアマダイのようにはいかないけど、でもほくほくした身と皮のむちむちしたゼラチンが合わさるととても美味しいです。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
及ばないとは言っても味は十二分にいいし、そのうえで値段はアマダイの1/5くらいだから、違いの分からない人に食べさせるなら別にテンスでもいいよね、と思いました。
あんまりまとまって獲れないので、市場に出ることはあまりないけども……
コメント
□のせいでiPhoneで見たときのレイアウトが崩れています。
塩焼きは鱗がついたままですか?