いい魚屋さんのストックは、いくつあっても喜ばしいもの。
ネットの発達によって自宅にいながらにして変わった魚を購入できるようにはなったが、やはりプロの仲買さんが選んできたものには僕らシロートじゃたどり着けない着眼点や説得力がある。
本来その土地の人間ではない者にとっては、地場の魚に対する知識も経験も足りない。
その辺りをフォローしてくれる魚屋さんを、行く先々で探してリストアップしていくのは、僕の大きなルーチンのひとつになっている。
さて、このサイトでいうところの「いい魚屋」とは、「その土地ならではの魚を仕入れて売ってくれる店」のことだ。
海が近ければ、あるいは港町であれば、いい魚屋さんなんていくらでもあるだろうという人がいるが、残念ながらそういうことはない。
特に僕の実家がある東伊豆方面は、その水揚げの豊富さに大して、魚屋の店先に並ぶのはアジ、サバ、イワシ、カツオに申し訳程度のキンメダイぐらい。⇒
地魚を売りにしているお店でも、「キンメダイがあれば満足でしょ?」くらいの態度が感じ取れる。
両親がいるときなら網代漁港の魚市場で魚を買えるけど、そうでなければ基本的に、東伊豆でマイナー地魚は手に入らないと考えている。
そのため東伊豆に釣りに行って、もしボウズを食らってしまってお土産が手に入らなかった場合は、小田原の「魚國」さんに寄ることにしている。
鮮魚も地魚も「オシツケ」も
小田原駅前のホコ天「錦通り商店街」の中でも一番賑やかな角にあるのが、1911年創業の鮮魚店「魚國」。
ここでは西湘~網代方面で揚がった魚が集積される「小田原魚市場」の魚を中心に仕入れて販売しているのだが、ともかく並んでいる魚の種類が多い。
聞けば「安くて美味しい魚なら種類を問わず」入荷しているとのことで、マイナー地魚も丸のまま入荷して並べてくれていてありがたい。
小田原で地魚を手に入れるというと「小田原魚市場の朝市」が有名だが、ここの市場の難易度の高さは片瀬漁港も霞むレベルで、初見の人間が常連に打ち勝ってマイナー魚を手に入れるのはかなり難しい。
そちらにトライしてみて、何もいいものが買えなかったとしても、魚國に行けば溜飲を下げることができる。
さらに、ここに来れば必ず手に入る高級魚がある。
それは
オシツケこと、アブラボウズだ。
深海の巨大魚であるアブラボウズは、深海漁の外道として全国各地で水揚げがあるが、そもそもの絶対数が少なく「幻の魚」と呼ばれている。
小田原周辺では昔から食べる文化があり、需要が高いので集積してくるようであるが、それでも他の魚屋ではなかなか見られない。
遠方からはるばる鮮魚を買いに来る客も多いとのことだが(僕もその一人)オシツケを買うために足を運ぶ人はかなり多いんじゃないだろうか。
今回も無事オシツケを購入、ついでに
面白いものが売られていたので買ってみた。
これらのレポートはまた次回に。
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