ウツボはぶつ切りにして塩振っておくだけで最高の「生ハム」になる

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まえに、ウツボの「熟成」にトライしたことがありまして。

面白い熟成寿司の話を聞いたのでウツボで試してみた
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塩蔵して熟成させたウツボを、水で塩抜きしてから刺身にする、という方法でたべてみたのですが、非常に美味しく、また熟成感を味わうことができたのです。

よかったよかっためでたしめでたし……という結論で終われないのが当サイトの悪い癖。


やっぱりですね、どうしても「塩抜きの時に旨味アミノ酸が流れ出してしまうんでねーの?」というのが気になってしまうんですよ。もちろん熟成で大量のアミノ酸が生成されているから、多少流れ出しても美味いは美味いんでしょうけども。
だったら最初から塩を使わなきゃいい、と思う人もいるかもしれませんが、そうするとやっぱり腐っちゃう。熟成と腐敗は紙一重、本格的な熟成寿司のお店でもお客さんが食後にお腹壊しちゃうこともあるらしく(保健所的にはどうなんだろうこれ)さしものぼくも初めての時は安全策をとらざるをえなかったのです。


しかし先日ふと思いついたことがあります。
だったら「塩抜きしないで食べられるように塩漬けしたら」いいんじゃないの?

そんなことしたらしょっぱくなり過ぎちゃうのでは、という心配があるかもしれませんが、そうならないという確信があったのです。
試しにやってみましょう。

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ウツボは皮ごと塩漬けにすると最高


ウツボは後半身を利用します。骨が強固で食べにくい部位ですが、身の味そのものは前半身より良いです(よく動かす部位なので)。
これをぶつ切りにしてぬめりをよくこすり落とし、そのまま表皮に大量の塩を擦り込み、置いておきます。皮の上からというのがコツ。

ウツボの皮というのはひたすらに強靭で、なめして革細工に使うことができるほど。

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なので水分や塩を必要以上には通さず、また腐敗させてしまう菌を内部に通すこともないのではないかと考えました。皮膚表面に塩をして腐敗菌がつかないようにしておけば、筋肉内の酵素で自己分解・熟成が行われるのではないか。失敗したら大事故ですが……
あと断面にも腐らない程度の塩を塗っておきます。


そのまま、冷蔵庫のパーシャル室で熟成させます。前回は3週間ですが、今回は2か月やりました。
塩をしなかったら当然腐ってしまう期間ですが、ウツボの強靭すぎる皮を信頼してそのまま熟成させます。


二か月後。


……うむ、かなり状態が変化してますな。水分がかなり減って弾力がなくなってきていますが、しかし腐敗臭は全くありません。魚臭さや磯臭さもないので熟成自体は成功したと思われます。

断面はちょっとしんどそうなので切り落とします


あとは「塩抜きせずに」食べられるかどうか。


表面を拭いてから半身におろしてみます。



おお、しっとり……! 柔らかくねっとりとして、包丁につきそうなほどです。新鮮な状態のまるでフグみたいなプリプリ感からは想像のできない仕上がり。
ここまで水分が抜けていると、やはりかなりしょっぱいかもな……そう思いつつ、骨を避けて薄く切り出し


試食してみます。
いただきまーす

……!!Σ(≧〰≦)!!えっこれ美味い! なんだこれめちゃくちゃ美味い!!
これ、刺身っていうか生ハムだ。塩が適度に入り、しっとりねっとりとして、今まで作ったどんな生ハム的なものと比べてもはるかに本物の生ハムに近いです。

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仮に皮を剥いて直接塩を擦り込んだとしたら、ここまで身に均等に塩が入らないでしょうし、塩抜き工程が必要になってしまうと思います。

皮すごい


皮を経由するだけでこんなに上質になるなんてびっくりです。

しかも熟成状態もとてもよく、生ハムそのものの香りがします。味は濃いウツボ、香りは生ハム、最高じゃんこれ。


ここまで味が良ければ、あれ、できるな。

薄く切り出したウツボ生ハムを

串切りにしたビワに乗せます。生ハムといえばメロンですが、旬の果物に合わせてみました。


うめぇ( ̄ー ̄)ウイスキーとめっちゃ合うやつだ! 
魚臭さ皆無だからできるやつですね。

味:★★★★★
価格:★★★☆☆



ウツボは皮ごと塩して放置で美味くなる、これが広まればウツボをもっと気軽に食べられるようになるかもしれませんね。
ただ難しいのは、前半身はどうしても内臓をとりださないといけないので、そこに塩をする必要があり、結果として均等に塩が入らなくなるかもしれません。腐敗のリスクも大きいし……
大きなウツボの後半身でやるのがいいと思います。あと釣り場での血抜きはやっぱり必須なので、自分で釣ったものじゃないとできないですね。みんなで釣りに行こう、半年後に……(ウツボの旬は冬)。。


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ブログとはまた違った切り口の文章をお楽しみいただけると思います。ぜひお手にとっていただけると嬉しいです!

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コメント

  1. 木津健介 より:

    後は、、、

    いつも高知から通販で買っているウツボにこういう商品が増えないかなぁって、、、

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