有明海のアイドル系エイリアン「ワラスボ」が釣れたので咬まれてみた

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「野食のススメ」第9回の記事が公開されました。
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星海社Webサイト「ジセダイ」
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!


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先日、ほぼ1年ぶりに福岡に行ってきた。

メインコンテンツは連れのいとこ氏の結婚式であるが、僕はフリーダムに釣りなどしつつ楽しく過ごした。

……といいたいのだが、実際は不運続きでかなり疲弊したツアーだった……

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まず、旅行の日程が、某三代目色黒軍団の福岡ドームライブ、ならびに国公立大学の2次試験の日程とダダ被りした結果、宿&航空券がちっとも確保できないというところから試練は始まる。
前者については新聞やニュースでも取り上げられ「日程どうにかならなかったのか!?」という批判の声も高まっていると聞くが、こっちは個人のことなので怒りのぶつけようもない。

なんとか福岡につき、幼少時に通った室見川のポイントで竿を伸ばすも、

何で無人の中洲に重機入れていじくる必要があったん? 担当者どちらさま?


上流の工事のせいでポイントが完全に土砂に埋もれてしまっており丸ボウズ。


早めに切り上げ、翌日の新幹線の切符を早めに手配するなどして気分を切り換えるも……


翌日は玉名に滞在中の姉に世話になる予定だったのだが、まず博多駅のロッカーが色黒のファンに占拠され済みで空き0。
その結果、結婚式に出席中の連れの着替え等もすべて持ったまま、玉名に向かうことに。

さらに、新幹線の切符はオトクな「九州新幹線日帰り2枚切符」を利用するつもりだったのだが、通常の回数券と異なり「購入日しか使えない」ということを、改札通過のタイミングで悟る。

結果、1時間に1本しかないつばめに乗れず、お姑さんに車を用意してもらっていた姉の顔に泥を塗るハメに。
さらに当然、払い戻しもできないので往復料金分丸損というかたちに。

その遅れは後ろにも波及し、さらに西鉄の久留米以南の本数の少なさをなめていた結果、有明海に到着したのは予定の2時間半後。
帰りの時間も考えると、実質1時間半しか釣りができないという状況に陥った。


それだけならまだしも

わーいひがたがいっぱい(痙攣)


ド干潮。


さかまつきさんの忠告が脳内でリフレインする。

エイリアンキター!!

いいんだ、憧れの有明海で釣りができるだけでもワイは幸せなんだ……(白目)
そう自分に言い聞かせ、本命であるハゼクチの仕掛けを用意し、タックルを準備して釣り初心者の友人に託す。

完全に干潟に包囲され、残った水路をノリ漁師の船が爆走する中、水門手前にほんのわずかに残った水たまりだけがかろうじて魚の存在を信じられる場所になっていた。
そこに仕掛けを投入してもらい、しばし待つも……
想像通りなんの気配もない。

まあ、そうだよな……濁っててよくわからないけど、水深50㎝くらいしかなさそうだもんな……
僕は本気投げで沖のかけ上がりでも攻めるか……


と思っているとにわかに友人たちのほうが騒がしい。
え、なに!? まさか……!?


キター!!!1!!!!111!!

エイリアンだー!

エイリアン Google画像検索

生きてるやつ初めて見た!
厳密にいうと柳川の夜明茶屋で活造りは見たことあるけど、ぴんぴんしてるのは初めて見た!!


すごーい!!


かわいー!


たっのしー!!!


もちろんこのエイリアンはエイリアンではなく、有明海だけに棲むハゼの仲間ワラスボたんである。
吸盤状になった胸鰭だけはハゼらしさがあるが、そのほかはどの部分からも全くそうと感じることはできない。


バカボンのような円らな点目


一体化した背鰭、尾鰭、尻鰭と鱗がなくスケルトン気味な体表。


そして強烈にしゃくれ、恐ろしげなガチャ歯を見せつける顔!

長年あこがれ続けていた、生体のワラスボがいま、わが手中に……!!


と、とりあえずあれだ、咬まれてみなくては(錯乱)

ガブッ


プラーン


しゃげぇぇぇ


痛ッ!……くはないな、よそ見してる時にやられたらちょっとびっくりするかもしれないけど。
束ねた爪楊枝で強めにぐいぐい押されるくらいの刺激感だ。

ワラスボたんが100匹束になっても、ウツボ1匹には敵わないな。
エイリアン100体でも蒲田くんには敵わなさそうだから、感覚的には一緒だ。


釣りあげた友人に全力の感謝とハグをぶつけ、ウツボを送る約束をしてからクーラーに仕舞い込んだ。
ちなみに彼曰く「アタリもわからなかったし、引きもあんまりなくてただちょっと重くなっただけだった」とのこと。
ワラスボたんの目の前にちょうど餌が落ちてくれたのだろう。


さかまつき氏いわく「アマゾンでピライーバ&ピラルク釣った友達も、ワラスボは釣れてなくて連敗中」だそうで、予想通りワラスボたんは釣りではなかなかのレアキャラなのだそうだ。
これまでの不運が吹き飛ぶほどのスーパーラッキーが最後に来てくれた。
正直、ハゼクチよりもうれしい。(ハゼクチ釣ってないけど)

終わりよければすべてよし。
あとは最終日の観光を楽しむだけ、そう思っていたのだが……


最終日、コインロッカーにしまうことができなかった釣竿ケースを携えたまま観光をしていたところ、重機に挟んでしまう事故が発生。
ワラスボを釣った竿がへし折られるという結果に。

これまでの不運をもってしても、ワラスボを釣り上げるという幸運は大きすぎたのか。
それともエイリアンの呪いか。

波乱含みの旅は、ポジティブな思い出とネガティブな記憶を残し、とりあえず終結した。

~つづく~

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魚介その1(魚系)
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コメント

  1. M☆ より:

    なんと言うか…
    お疲れさまです^^;
    昔の良かった時の記憶の場所が変わってしまうと辛いですよねーT_T

    • wacky より:

      非常に残念ですね。20年たつので何の変化もないとは思っていませんでしたが、こういう形だとは思いませんでした。

  2. ふくすけ より:

    干されるのが得意なフレンズのワラスボさん

    屋台のおっちゃんがいい出汁が出るって言ってました( ´∀`)

    • wacky より:

      いまや出汁を取るには高価すぎるワラスボたんの干物……でも、次回はぜひやってみたいですね! できれば自作で!!

  3. 秋月 より:

    WRSBじゃないですか!!!!
    地元では内臓を出して、五寸釘見たいな針?に通した麻紐を首に貫通させて、五月くらいに大量に干してました!! 干したやつを油であげて、砂糖醤油につけたり、生きてるやつをぶつ切りにして味噌汁とか…美味しいですよね!!

    • wacky より:

      干物は叩いて焼いたのしか食べたことないですが、非常に美味しかったです。大きいサイズの干物は本当に異星生物にしか見えずサイコーでした。

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