キャスターにとっての裏ワザ魚は“メゴチ”!?①:前提とか背景とか

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釣り人にはざっくりと分けて2つの人種があります。

一つは僕のような「うまい魚を食べたい」釣り人、もう一つは「でかい魚を釣りたい」釣り人。
ときにこれの他に「いろんな魚と出会いたい」釣り人もいますが、マイノリティです。


「でかい魚を釣りたい」釣り人はどんなジャンルの釣りにもいますが、特に多いなあと思うのが「投げ釣り」クラスタ。(逆に「うまい魚を食べたい」釣り人が多いのは「船釣り」)

投げ釣りというのは、硬い竿と重いおもりを使って、仕掛けを人力の限界まで遠くに飛ばすという「力と技の融合体」な釣り。なので、投げ釣りをする人(キャスターと呼ぶ)に「でかいのを釣りたい、記録に挑戦したい」という欲求が強い人が多いのは理解できなくもありません。
かくいう私もキャスターでね。

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目次

投げ釣りのターゲットで最も人気があるのは、なんといってもシロギスでしょう。


天ぷらネタとして有名な魚ですが、大きくなると30cmを超え、引きも強くなります。そのサイズを釣るためにキャスターたちは日々海に向かいます。
遠くに投げるほど大物と出会える確率は高まり、「尺ギス」はキャスターの勲章として称えられます。

名誉というだけでなく、投げ釣り界の総元締め「全日本サーフキャスティング連盟」に申請することで、公式記録として大物賞認定されることもできます。A~Dの4つのランクがあり、Dランク魚ともなると一生に一度お目にかかれるかというレベルです。簡単に言うとゴルフとかボーリングのスコアみたいなもんです。
ちなみに、 シロギスの場合Dランクは「35㎝以上」となっています。市場でも見たことねーぞ……


さて一方で、投げ釣りは外道(対象外の魚)に対して非常に弱い釣りでもあります。あまりに遠くに仕掛けを投げ込むため、餌に対してアクションを与えづらく、狙っていない魚を避けるのが難しいのです。

シロギス釣りの場合、外道で多く掛かってくるものにいわゆる「メゴチ」があります。

メゴチとは総称で、細かく分けるとネズミゴチ、ヌメリゴチ類が含まれます。以前ブログネタにしたベニテグリもこの仲間です。

加熱調理すると突然海老に化ける魚「ベニテグリ」
先日、ペンさんから「面白い魚が手に入ったんですけどお分けしましょうか?」というありがたすぎる連絡があった。 築地の馴染みの仲買さんに珍魚を扱うお店があり、そこで購入されたそうだ。 豊洲移転後もぜひ続けてほしいお店である。 で、いく...

これらは大きくても20㎝かそこらの小型魚で、ヌメリも強く、また針を飲み込んで仕掛けをダメにしてしまいやすいなどの理由から、キャスターたちには嫌われています。
ただ、実際は食べておいしく、市場では超高級天ぷらだねとして扱われているということもあり、個人的には大きなメゴチが釣れると、シロギスよりも嬉しかったりします。

さてしかし、前記の「サーフキャスティング連盟」では、これらのメゴチ類も「ノドクサリ(関西での呼び名)」として大物認定を行っています。
外道と言うにはたくさん釣れすぎるし、なんだかんだで味を知る人は持ち帰る準本命魚、また大きいのを釣るには意外とテクニックや運が必要ということもあり、無碍に切り捨てるにはもったいないということなのかもしれません。


認定されるのであれば、当然狙う釣り人も出てきます。大きなメゴチが釣れるポイントであれば、それ狙いの人たちが集まっていることもあります。
彼らは一見するとシロギス狙いの普通のキャスターのように見えますが、よく見ると仕掛けを投げ込んでほっぽらかしているので「もしやメゴチ狙い?」とわかります。

しかし、どれほど大きいメゴチが釣れるといっても、基本的にメゴチは20㎝内外の魚。船釣りでは時に25cm近いものも釣れますが、それを超えることはめったにありません。
一方で大物申請に必要な最低サイズ、 Aランクは「27㎝~29.9㎝」となっています。いわゆるメゴチとよばれるネズミゴチ、トビヌメリでは厳しいサイズであり、それ以外の種類も身のサイズはほとんど変わりません。
しかし、とある1種だけ、ほとんど反則のような方法で、この基準値を容易にクリアしてしまう物がいるのです……

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