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先日、新時代の訪れを真っ赤な魚で祝おうともくろみ、makimary号で深海釣りに行ってきたところ、バレーボールが釣れました。
そんなびっくり顔しなくても……釣れたこっちもびっくりしたわ……
これはヨリトフグというフグで、フグ目ではやや珍しい深海性の魚です。
100~300m前後で、オニカサゴやアカムツなどを狙っているときに掛かってくるそうで、ぼくは初めて見ましたが船長は何度か釣ったことがあるとのこと。
水を吸ってパンパンに膨れ上がるので、仕掛けを巻き上げるときの抵抗は非常に大きく「すわ大物か!?」とぬか喜びさせるため嫌われています。
今回は30㎝弱のサイズだったのでバレーボールサイズ(高校球)だったのですが、最大で40㎝ほどになるというのでそうなるとバスケットボールですね。一度見てみたい。
バレーボールと会話してみた pic.twitter.com/wqPuz2YpTr
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「僕は君を太らせたい!」第2集発売中 (@tetsuto_w) 2019年5月1日
ちょっと前に話題になった水吐きフグみたいになってくれないかなーと期待しましたが、ゆすっても揉んでも水は吐き出してくれず。
クーラーボックスにしまっている間にしおしおにしぼんでいました。ざんねん。。
無毒だけど「有毒部位」?
さて、このヨリトフグ、昨年の頭にニュースをにぎわせたのですが憶えている方はいらっしゃいますでしょうか。
愛知県は蒲郡のスーパーマーケットで、この魚が販売され、保健所の立ち入りが入ったという事件があったのです。
フグに関しては、よくクサフグのような小型のフグが他の魚のパックに紛れ込み、一緒に販売されてしまう事故があります。
クサフグであれば稚魚であっても成人男性の致死量に匹敵する毒を持つこともあり、一歩間違えば大事故につながります。
しかしこの時の事件は、別に「毒」が混ざり込んでしまったわけではありませんでした。
ヨリトフグは全体が無毒なので、購入者が被害に遭ったということはなかったはずです。
では何が問題だったかというと、法で定める「有毒部位」が売られてしまったこと。
実はフグの仲間は種類に関係なく、肝臓は「有毒部位」とされ、流通が禁止されています。
ヨリトフグのように肝臓含め無毒のものでも、肝臓は売ってはいけないんですね。毒の有無は関係ないということです。
確かに多くのフグで肝臓は猛毒であり、トラフグやショウサイフグのような食用になるフグでも肝臓は厳重に処理され廃棄されます。地域によって毒性を帯びるという可能性もないわけではない。
しかし、ヨリトフグについては、蒲郡周辺では昔から肝臓ごと食べられてきたものであって、安全性が経験的に立証されているため、ただ「フグの肝臓」だからといって販売が禁止されてしまうというのは腑に落ちないところではあります。
現に当該のニュースに関するコメントでは、そのスーパーマーケットを擁護し法の不備を訴える蒲郡市民の皆さんのコメントが目立ちました。
ルールはルールだから守らないといけないとは思うけど、そのルールを変えるための運動は行われてもいいかもしれない。規定が難しいだろうけど……
ヨリトフグ以外でも、やはり肝が無毒で美味しいことで知られるハコフグを販売したかどで鮮魚店が検挙される事件はしばしば発生します。
五島列島では肝のみそ焼きが名物なんですが、これって今も販売されてるのかな。
※2020.5.10追記
当欄に記載の内容について、コメントにて専門家の方よりご指摘をいただいていますので、よろしければそちらもご覧ください。個人的にはリスクを踏まえ、今後はハコフグは身・肝ともに食用にせず、ヨリトフグについては南西海域産のものは食用にしないようにしようと考えています。
ちなみにそのスーパーの社長、テレビの取材でコメントを求められ「今後フグの肝は売らないと肝に銘じる」と言っていました。ちゃんと反省してる?ww
坂東三津五郎さん、フグの肝クッソ美味いです
というわけで持ち帰ってきたヨリトフグ、さっそく調理して食べてみたいと思います。
まず最初にトライしたいのは
肝!
フグの肝ってめちゃくちゃ大きくて、同じフグ目の魚であるカワハギのそれよりも弾力があって、はっきり言ってめちゃくちゃ美味しそうなんです。
もちろんふつうは即座に廃棄処分されてしまうので人の目に触れることはないんですけど、見た人は間違いなく全員が「食べてみてぇ……」と思うはず。
そしてそれを実行に移してしまった有名人がいます。
ご存知、歌舞伎役者の八代目坂東三津五郎です。
彼は歌舞伎の公演期間中、行きつけの店でフグの肝臓を4人前平らげた結果亡くなってしまいました。
この時はまだ法律ではなく条令(京都府)違犯という形で板前が罰せられていますが、危ないと分かっていて提供した板前が悪いのか、渋る板前に無理を言って4人前も出させた三津五郎が悪いのか、ということで当時は結構議論になったそうです。
そういう意味では今回のヨリトフグと共通するところもあるかもしれない。フグ目魚の肝はかくも人々を惑わせる……
今回は自分で漁獲したヨリトフグですので、肝臓を食べるのももちろん自由です。
念のため相模湾産のヨリトフグで中毒事故が起こった前例がないか調べてみましたが、ありませんでした。食べても大丈夫でしょう。
ということで、肝を薄くスライスして
刺身でいったるわー!!
……(;〰;*)うンまァーーー!
これすごい、メチャウマですわ!!
味わいはカワハギの肝に近く、臭みは皆無で舌の上でとろけるような脂のコクが楽しめます。
ハコフグの肝に感じる「若干の海藻臭さ」も全くないです。深海性で肉食のフグだからでしょうか。
一方でカワハギよりもはるかに弾力があり、噛み応えも感じられて、肝単体で食べる喜びを感じさせてくれます。
あーこれは三津五郎の気持ちわかりますわ。あなたもトラフグじゃなくてヨリトフグの肝臓にしとけばよかったのにねぇ。。
味:★★★★★
価格:★★★★☆
それともあれかな、やっぱりトラフグの方が肝の味もはるかに良かったりするのかなぁ。
まあ、冥土に行くほどの味かどうかわからないので、試すつもりはないけどね。。
コメント
トラフグの肝の毒も、海藻だかデトリタスだかから集めた毒であって、その辺何とかした養殖だと無毒だ、ニュースで観たっす。刺身で食べてみて下さいよ~w
死んでも知りませんけどw うひひw
いつも楽しく見させてもらってます。
少し仕事で関わってる部分で食中毒のリスクもあるので、いくつか指摘させてください。
まずハコフグの肝はパリトキシン様毒(アオブダイ毒とも言う)含有のリスクがあります。味がなくて潜伏時間が長いので、当たるとテトロドトキシンよりはるかに致死率は高いです。店で売ってる味噌焼きはカワハギ等の肝を入れてるはず。。
またフグ毒=テトロドトキシンのイメージがありますが、地球温暖化に伴う海洋微生物(フグ毒化の原因)の分布の変化で、麻痺性貝毒によって毒化したフグの存在が世界的に懸念されてます。ヨリトフグも沖縄県の調査では原因成分不明ですが、肝臓に毒がある個体は確認されてますね。
釣り魚についてはもちろん自己責任ですが、リスクは知るべきでしょう。個人的にハコフグの肝を食べるリスクは、どれだけ味が美味しくても見合わないと思います。
コメントありがとうございます。なるほどですね……ハコフグについては今後は積極的には食べないようにします。(肝・身ともに)本文中にも注記を入れておきますね。。
地元の話しですが…
トラフグ養殖業者が取引先に肝売ってくれ~と無理言われて販売した結果社長が逮捕されたことがありました。
養殖モノなら肝は食べられるけど法で規制されてるからしょうがないですね。
トラフグの肝、食べてみたいですね~。
ウチの父(漁師)がある時フグの肝を食べたくなった事があった
でもフグは危ないなぁ‥
でも食べてみたいなぁ‥って事で‥
当時飼っていたニワトリ数羽に色んな部位をちょっとずつ食べさせたらしい
そしてそのニワトリ全部死んでしまったらしい(裏山に埋めた)
そしてその話を拝聴しながらのフグ鍋‥
はっきり言って味覚えてない
(ちなみにフグ調理無免許)
‥私は家族の様子を見ながら30分ずらして鍋食べました。119大事。
フグの肝見たら思い出しました
無理しないでね
それは……味しなかったでしょうね……w
種類によっても地域によっても毒性に差があるので、経験とか漁師のカンが生かせないのも難しいところです、
20年ほど前の話ですが。
大学で養殖のトラフグを扱う研究をしていた時に全検体毒性検査をしたあとの残骸(1検体数グラムしか使わない)を刺身と煮付けにして食べたことがあります。
養殖だと方法に依り無毒のものを育てる事ができますが、当時のお上の判断は天然ものを養殖に混ぜる輩が出るかもしれないということで一般的に食べられるようにはなりませんでしたが…。
美味しかったのは覚えています。煮たらすごい量の脂が出てきていました。
大学やフグ養殖で大学と共同研究しているようなところにコネができれば、検食できる機会があるかもしれないですよ。
今はどうだか知りませんけど、産業化したい会社はまだあるんじゃないでしょうか。
やはり美味しいのですねぇ(`・ω・´)完全養殖の個体で認証を受けたものなら肝も販売できる、みたいにできたらいいんですけどねぇ。。