「ありえない」ということを証明したくて、禁断のミミズハンバーグを作ってみた

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※第7回の記事が公開されました!↓↓(2016.12.1)
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星海社Webサイト「ジセダイ」
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僕らからもう少し上の世代なら「アレ」だけで通じてしまうアレ、読者の皆様のなかにもこの時点でお分かりのかたは少なくないと思う。


僕がまだいたいけな小学生で、室見川でハゼを100匹釣って母親を激怒させていたころ、中高生を中心に謎の都市伝説が流布していた。
それは「某ハンバーガーチェーンのパティにはミミズが使われている」というもの。

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僕が塾帰りに通っていた屋台の焼き鳥屋のオヤジが、その店のことを「ミミズのマークのバーガー屋」と呼んでいた記憶があり、個人的には後者の説を推したいところだ。
(ちなみにその焼き鳥屋はたまごっちを1万円で売っていたことがあり、そういう時代の出来事だったとご理解いただければ幸いである)

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ミミズでハンバーグ作るのは無理?

いずれにしても、こんな突拍子もないうわさが広まってしまったのは「牛肉をあんなに安い値段で提供できるわけがない」という邪推によるものだろう。
じゃあミミズを使ったら、あの味のハンバーガー(パティ)が、もっと安く作れるというのか? 

やれんのか?



簡単に計算しても、全く無理だと思う。
思うのだけど、やったことがないので推測しかできない。
「ミミズバーガー」についてGoogle先生にお伺いしてみると、かつて実際に試したというデバンカーの川口友万氏のエピソードが見つかったが、伝聞な上に写真も無いのでどのレベルのものなのかよくわからない。


僕はデバンカーではなく、ただの食い意地と好奇心の具現物でしかないのだが、先日のミミズの試食により、この都市伝説に挑戦する許可を頂けたのではないかと勝手ながら認識している。
実際に不可能なのかどうか、作って食べてあらためて検証してみたい。


なお、なぜ「可能を証明」しないのか? という点については、大人の事情ということでひとつご理解願いたい。
2つ先の電柱の陰から黄色い服の人がこっちを見……あッこっちに来る

ミミズでハンバーグを作って食べてみた

ミミズを捕まえるには、落ち葉の多い公園に行って落ち葉を返してみるのが一番早い。
そのなかでも、側溝に落ち葉が大量に溜まっているようなところでは、より大きなミミズがいることが多い。

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ハタケミミズは街中で捕獲できるミミズの中では大型の種だが、山地性のオオフサミミズと比べると遥かに小さく、処理に手間がかかる。
それでもさすがに、泥を噛んでいるのが間違いない彼らを下処理無く調理するのは不可能な話だ。


というわけで前回同様、キッチンバサミで切り開いて内臓を洗おうとしたが、ヌメリがひどいうえ良く動くのでとても不可能だ。
ウナギ同様、冷凍庫で動きを止めようと思ったが、手の熱ですぐに回復して暴れ出してしまう。

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また、使ったのが香りの強いタイプの焼酎だったので、いいカンジにミミズ臭をマスキングできた。
メーカー名を出すと営業妨害間違いないので伏せるが、皆様もお試しの際はぜひお好みの香りの焼酎でトライしてみてほしい。


おとなしくなったミミズを、爪でこそぐようにしながら流水でよく洗い、ハサミを入れて切り開いて内容物をできるだけ流す。
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つなぎに小麦粉を少々。

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……

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野菜を添えて
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まず、やっぱり臭い。
鼻では感じられなかったものの、口に入れるとごまかしようのないミミズ臭がある。
牛脂でマスキングできている部分もあるけど、完全に追いついていない。

それから、旨味が圧倒的に不足している。
ミミズやゴカイの仲間(環形動物)は筋肉にアミノ酸が多く、食材全体の中では決して不味い方ではないのだが、やはり牛肉にかなうものでは到底ない。

今回はなぜか強い苦みも感じたが、これはオオフサミミズにはなかったものなので、ミミズ全体の欠点とは言えないかもしれない。

このサイズでありながら、1枚食べきるのに多大な労力を要し、食べ終わった後はひどい虚脱感に襲われた。
仮に自分ではない誰かが作ってくれたとして、さらに材料が何か知らなかったとしてもなお、この味は耐え難いものがある。

味:☆☆☆☆☆
価格:☆☆☆☆☆



ユムシとか、ケヤリムシだったらもうちょっと戦えたかもな……
でも、今すぐにやる気は起きないので、しばらく時間を空けてからトライしてみることにしよう。


なお、なぜ「できたハンバーグをバンズに挟ま」ないのか? という点については、大人の事情ということでひとつご理解願いたい。
1つ先の電柱の陰から黄色い服の人がこっちを見……あッやめて、誰か、助けt

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茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

  1. ユムシは炒めると美味しいですよね。ユムシをミンチにして焼く、想像つかないですね~

    • ユムシの味自体はいいので、つなぎが問題になりそうです。練るだけで粘りが出るひき肉は優秀ですよ……

  2. ユムシは北海道の一部ではご馳走ですよ〜
    茹でて刺身や炒めたり煮付けにして食べるようです。

  3. 普通「○○のハンバーガーのパテにはミミズ肉を使用してるらしいぜ」→「材料確保と加工の時点で牛肉よりはるかにコストが高くなるから有り得ねえよ」で終わるはずの話を、実際に、しかも見た目では普通に美味しく食べれそうなハンバーグっぽいブツに作り上げて仕上げる…。改めて恐れ入りました。結果は味・価格とも☆ゼロってオチも含めて。
    ところでやはり気になるところは「油脂でのマスキング程度ではミミズの臭みを全然フォローできなかった」なら、更に香草を混ぜたりとか色々手を加えたバンズを使えばあるいは…。やっぱり黄色の服を着た白塗りアフロヘアの大男という、人類に普遍的に存在する恐怖感情をダイレクトに揺さぶる容姿をした彼は怖いですしね。

    • 今回のハンバーグにおける問題点はいくつかありますけど、そのひとつ苦味については、ハタケミミズではなくオオフサミミズを使うことで解決できそうな気がします。匂いはおっしゃる通りバンズを工夫することでごまかせそうな気もしますけど、そうするとマッkうわなんだやめ

  4. なんというか、生粋の闘志っぷりに感嘆いたしますです、ハイ。
    モニター越しでも調理中の写真は中々来るモノが……

    ハゼ100匹で、サビキで釣ったアジ100匹を捌いた少年時代を思い出しました。

    • 食べられることが分かってれば、そう怖いものじゃないですよ。最終的に見た目はそこそこのものになりましたし。
      美味いと思ったものが不味かったときが一番ダメージが大きいです。

  5. 凄いです。さすがです。
    伝説を目の当たりにした気分です(笑)
    幼生からクリーンな食生活で育てたら臭くないミミズができたりするんでしょうかね…

    • 臭いは粘液に由来するものと内容物に由来するものがあり、後者はなんとでもなりそうですが前者は厳しそうです(´・ω・`)

  6. ついに…ついにやりやがった!!!

    感服でございます。

  7. こんにちは。
    いきなりミーズ100%ですか!。もう称賛するしかないです。
    因みに、過去に神経を得るためにミミズを毎日ごっちゃり解剖していたことがありまして。肉は沢山余りましたが二次利用は考えたことはないです。乾電池で電気ショックを与えると殺さずに粘液や腸内物を出せます。米粒をあげつつ数日間やれば臭いが和らぐかも。

  8. ネットサーフィンのすえ流れ着いたものです。
    とても興味深く、最後まで拝見してしまいました。
    記事の内容からは逸れますが…
    私は子供の頃から、虫やワーム類の遺体が酷く苦手で(生きているのは平気。手掴みします笑)、写真でも直視できるものでは無かったのですが、途中までミミズをミキサーにかけている事を忘れておりました。。。(気付いても、不快な感じはしませんでした)。
    ミミズを食材としてきちんと処理する工程があるからなのか、理由はよく分かりませんが。改めて、自分が生物の遺体のみを忌避している理由について考えさせられた気がしました。

    美味しくないと分かってからも、最後まで完食しようと頑張る所が好きです!

  9. スパイスを大量にぶち込んで捏ねてみたらダメですかね…?w
    ナツメグとジンジャーでどうにかこうにか…

  10. 麺類を食べながら見るものじゃなかったな

  11. 一般に、モグラやヒバカリといったミミズを常食or好む生物でも、シマミミズは好まずフトミミズ科を積極的に食べるそうです。
    ということは人間にとってもシマミミズの味は、フトミミズ科であるオオフサミミズやハタケミミズより酷いことになるのでしょうか?

    • なるほど、種類によって味の差が……しかし試す気力は今のところないなぁ……ミミズの味はモグラに聞くのがいいでしょうかね、やっぱり(;´∀`)

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