「野食のススメ」第7回の取材で釣れた
マサバと
サッパ。
よく見ると体表にそれぞれヘンな穴が開いている。
※第7回の記事が公開されました!↓↓(2016.12.1)
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星海社Webサイト「ジセダイ」で
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!
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これは寄生虫(パラサイト)の一種であるウオノエの仲間「ウオノコバン」の咬み痕だ。
彼らは魚の体表に固着状態で取りつき、体液を吸う。
ウオノエはよく「閲覧注意!」という文言を背負って写真がアップされているが、彼らは魚の口の中に棲息していて外部からは見えづらいし、白くて丸っこいので愛嬌がある。
対して外部寄生するウオノコバンは、あからさまにワラジムシそっくりの見た目をしているうえ、時に複数の個体が体表にびっしり貼りついていることもあり、見た目の不快度ははるかに高い。
ワラジムシと同じ等脚目に属しているから仕方がないのだが……
一方で、最近水族館やゲテモノ試食会でも主役級の活躍をしている“深海のダンゴムシ”ことオオグソクムシも同じ目に属しており、こちらのミニチュアと考えれば多少は可愛くも見えてくるかもしれない。
ウオノコバンってもしかして美味しいんでないの?
さて、今回はどうやら2種類のウオノコバンが獲れたようだ。
ひとつは、サッパに寄生していたもの。
主にニシン科の魚に寄生するイワシノコバンではないかと思われる。
今回釣れたものでは1匹しか確認されなかったが、東京湾におけるサッパの被寄生率はかなり高い。
もうひとつは、マサバに寄生していたもの。
マサバも少なからずイワシノコバンに寄生されているが、これは明らかに大きく、別種と思われる。
サバノコバンとかいるのかな?
生きている間は「死んでも離れない!」という根性を見せるが、クーラーボックスなどで良く冷やすとぽろっと取れてくれる。
ふつうは当然ながらこのまま捨てられてしまうのだが……
かつては捨てられていたオオグソクムシも、その美味ゆえに今では食材としての使用が真剣に検討されているほど。
同じ等脚目ウオノエ亜目に属するウオノコバンが不味いはずがない!
と、いう強引な理論を駆使し、味を見てみることにした。
せっかく2種類揃ったしね。。
ウオノコバンを生 & 揚げで食べてみた
まずは生で……
……(`・~・´;)ボリッボリッ
け、けっこうな歯ごたえですこと……!
イワシノコバンと“サバノコバン”では味わいの差がほとんど感じられないが、イワシノコバンの方が体積が小さいため必然的に殻の存在感が強く、舌に触る。
味としてはまあ、生の小エビみたいな感じだ。
殻がもう少しやわらかければ、ワンチャンサクラエビになれたかもしれないのに……
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
残った“サバノコバン”はオーソドックスに(?)揚げてみた。
見た目は正直なところ、あまり美味しそうではないが……
まあ、食べてから判断するか……
……(≧~≦;)
おいなんだこれめっちゃ香ばしい!!
エビのから揚げに似てるんだけど、もっと香ばしくて軽く、味が強い。
なんだろう、生き物を食べてるのに、かっぱえびせんを食べているイメージばかり湧いてくる……!!
殻の成分が油と相性がいいのだろうか。
これ、数が集まったら完全に一品できる!
居酒屋とかで出せるって!! いやマジで!!
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
ときに大量発生して漁業者を困らせることもあるウオノコバンだが、確かに吸われた魚の方は多少味が落ちるかもしれないが、美味しい魚の体液を吸って成長したウオノコバンが美味しいのは、よく考えたら当然と言えるかもしれない。。
寄生された魚が釣れたら、余計なことは考えずクーラーにぶち込んで、底に沈んだウオノコバンをさっくり揚げちゃうことをオススメしたい!!
コメント
大黒ふ頭の海釣り公園でたまに釣りしてます。
今年はサッパを多く釣り上げましたが、寄生虫には気付かなかったですねー。
今度見つけたら、揚げてみようかと思います。かみさんに怒られそうですが。
背の一番青いところに寄生していることが多くて、ぱっと見分からないこともありますね。あまり大きくないですし。
こっそりやったほうがいいかもしれないですよ。。見られたら「なんでフナムシなんか揚げてるのッ!!」って言われて大変なことになるかもしれませんからね。。
よく生で食べましたね・・・。
先日連れが大きなカイワリを釣ったのですが、口を開けたら見たこと無いような大きな奴がこっちを見てました。5cmぐらいありました。
ウオノエって言うんですね。
もちろんその場でペンチで引き出し捨てましたが・・・・。揚げたら食えるんすかね?
私は気持ち悪くてチャレンジできないけど・・・、試してみたい・・・・。
ウオノエは宿主の口のサイズに合わないだろこれ……ってくらい大きいのがしばしば見られますね。こちらも食べて問題はないですよ。。もちろん自己責任でお願いしたいですが……w
自分が釣ったアジにも付いてましたね…この”サバノコバン”みたいな奴。
あの頃(中学生でした)は気持ち悪く感じましたがよく見たら結構可愛いですね(*・ω・)
揚げたら青くなるんですね…w
次に出会えたら食べてみたいですね…大量に取れたら(取れるのか?w)味噌汁なんかも試してみたいです。
そう、揚げたら青くなるんです……w食欲は減退します。香りはいいんですけどね!
味噌汁も、良い出汁はとれそうな気がします。でも食べやすくはないかもです。。
こんにちは、いつも楽しく拝見しとります。
ウオノコバンの親戚にエビノコバンてのもいるんですが、霞ヶ浦あたりのホソとか都内の親水公園なんかにたくさんいるので、よかったらお試しください!
ありがとうございます!
エビノコバン……なんにでも寄生する奴らだなぁ……w
みつけたら試してみます!
確か「ざざむし」に載ってましたが、フナムシもワラジムシの仲間なんですよね…
何で味がそんなに違うのか…食性?
やはり食性ではないでしょうか。。フナムシも糞出しをしっかりして、消化器を取り去ることでそこそこ食べられる味になるとも聞きますし。
あれ、旨いんですね。
今度から食べます。
釣りしてるだけで勝手に手に入ってしまいますからね。
ぜひ!
ありゃま。いつも氷全開のクーラーを経て、コロリ☆と転がって出てくるのを見ては
「かわいいなこいつぅ~☆」と愛でてゴミ箱へダンクしていたのですが…。
次は食べてみよう^q^
陸上の虫は挑戦したいものの未だ抵抗感があり、片やこやつらは海産物というだけで余裕で食べる気になるっていう不思議!と言うかいい加減というか…
しかし、こいつらを見てるといつも何かぼんやりどこかで見たような…という既視感を覚えるのですが未だ記憶が覚醒せず。もどかしい!