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茸本朗 初の単著「野食のススメ -東京自給自足生活-」が発売されました!!
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昨年の野食会で完璧に調理された虫の素揚げ(ひと手間が大事なんですって)をいただいてから、虫食に対して己の心の門戸を開いていこうと固く決心した茸本ですが、これまで気になりつつも挑戦できずにいた食材があります。
それはサクラケムシこと、モンクロシャチホコ。
実は、小学生のころ読んだアウトドア書のバイブル「冒険図鑑」に、サクラケムシの調理法が載っているのを読んで驚愕したのが、ぼくにとっての昆虫食との出会いです。
↑ぼくが生まれた年に初版が刊行されているのに内容が全く古ぼけておらず、ちょっとしたキャンプからガチの遭難時まで役に立つ知識が満載の図鑑です。
子どもでも読めて大人でも役に立つ素晴らしい本なので、知らなかった人はぜひご一読を!
その時はアウトドアに興味はあっても、採って食べること自体親に許されていなかったということがあり、しかも大嫌いな毛虫(アレルギー体質なので毛虫全般が苦手だった)を食べるなんて……とにわかには信じられませんでした。
しかしその後、成長につれて
・毛虫のうち毒針毛を持つものはごく一部であるということ
・昆虫は意外とおいしいものがあるということ
そして、
・サクラケムシは虫の中でも上等な味わいを持つということ
を知り、一度挑戦してみたいと思うようになっていました。
その一方でその思いとは裏腹に、サクラケムシを見る機会は年々減っていきました。
モンクロシャチホコに効果の強い農薬が使われるようになり、生息数自体が大きく減っているものと考えられます。
成長すると集団で木から降りてくるのも良くなかった。毒がなくとも「不快害虫」というジャンルに入れ込まれてしまうのですね。
それでも今年は何とかして食べてみたい、そう思い先日、虫取り網を片手に近所の桜並木を練り歩きましたが、やはりそう簡単には見つかりません。
そもそも虫食いのある並木自体、今は全然ないんですよね……。
やむなく、先日某所で大量に採取してきたというペンさんにお願いし、数十匹ほど分けていただきました。
これでいろいろと挑戦してみました。ペンさんいつも本当にありがとうございます!
サクラケムシをいろんな方法で食べてみた
さて、サクラケムシはどんなに美味しくても、見た目はケムシです。
まずは毛を何とかしないといけない。
ぼくの周囲には虫を食べる人が非常に多く、そして皆さんに共通しているのが「虫そのものの姿を生かす」食べ方に固執している(ように見える)点です。
正直なんでやねんと思っています。
そりゃ虫小っちゃいけどさ、「見た目が虫」ってハンデ背負ってんだから、何があっても見た目だけは何とかせにゃならんでしょ?
欧米人もてなすのにいきなりイカの活造り出したりしないでしょ?「オージャパニーズソークレイジー」ってなるでしょ!!?
「虫食を広めたい!」って声高に言ってる方ほど虫そのまま食ってるの、正直困惑しています。
みんな蟲喰ロトワさんのセルフツッコミ用サブアカbotをフォローすべしですよ。そして声に出して読むべき。
で、サクラケムシは上記の冒険図鑑に「串刺しにして焼くと毛が気にならなくなる」的なことが書いてありましたので、やってみました。
まずはさっと茹でて
串刺しにして
ファイヤー!!
……うーん、確かに毛は燃えたけど、これはダメだ。
セミの翅を焼いた時のあの匂い、もっというと人の髪の毛を焼いた時のあの不快な臭いがします。
毛だけをやっつけようとするのはダメですね。
じゃあ、毛が目立たないようにしてみようかな。
まず、粉をまぶします。
毛のおかげで粉がよく絡みますね。
でそれを揚げる。
衣をつけることで毛が見えないようにするという寸法です。
さらにそこにチリソースを絡めて
虫と風味が似ているナッツと合わせて中華風に!
……Oh shit!
毛虫のヤロウ、揚げるとうにょーんと伸びて、冷めるとへにゃーんと縮んで、アコーディオンかテメーは!
おかげでせっかくつけた衣がべろんべろんにはがれてしまいました。
でもまあ、衣を強めにしたから見た目にはまだ何とか……イケる?
味はどうでしょう。
……(≧〰≦)
おいしーですね!
サクラケムシ、そもそも味が非常に濃く、とくに後半身はジューシーさと旨味の塊みたいな感じです。
そしてそこに桜餅様のクマリン香が加わり、臭みなどは一切なくて非常に美味です。
濃いめの味付けでも全然風味が死なないの、優秀だなぁという印象です。
ナッツとは非常によく合います。
同様の風味を志向しつつ、歯応えが真逆(虫はムチップリッ、ナッツはカリッサクッ)なので口の中が楽しいです。
虫とナッツはマリアージュすることが前提の組み合わせとして、調理のベースに考えてもよいのではないでしょうか。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
丸のままで何かしようとするからいけないんでしょうか。
じゃあ細かくしたれや!
と思って作ったのが
炊き込みご飯です。
……うん、毛ですね。
毛。
どう見ても毛虫入りご飯です本当に(ry
でもこれ、味はいいですよ。
桜餅の香りがして、そしてサクラケムシの旨味と色素がご飯にいい感じに広がってます。
ゴマ塩かけて食べるとすげぇ美味い。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
やっぱり難しいわ……毛虫は毛があるものだと割り切って食うしかないわ……
……と、思ったけど、ちゃんと解決法がありました。
毛が気にならず、虫らしさも気にならず、そして一番美味しい利用法。
それは……
蛹になるまで待つ!!!
サクラケムシの場合、採取時に桜の葉をあわせてとっておき、同じケースに入れておくと、勝手に蛹化するそうです。
これをゆでて塩をつけて食べると、もう半端なく美味いのです。
皮が硬く舌に障る幼虫と違い、殻も薄くて身がむっちり詰まっています。
この美味しさは虫のレベルをはるかに超越しています。
これ燻製にしてウイスキーのお供にしたらマジで止まらん。
大きさ的にも見た目的にも、虫に詳しくない人ほど虫と気づかなさそうな、おとなしめのシルエットをしていて良いですね。
あらゆる面で昆虫食デビューに最適でしょう。
よかったよかった。
味:★★★★★
価格:★★★☆☆
明日はまた別の蟲を何とかしてみたいと思います。
コメント
初めまして、いつも楽しく拝見させていただいてる愛知県の某大学の学生です。
私の大学の敷地内でもサクラケムシらしき幼虫が大量発生してドングリ系の樹木が一時期禿げてしまいました(笑)
まさか美味しい虫とは知らなかったのですが、やはり食べた植物で味は変わるようなものなのでしょうかね?
炊飯器が出てきた時点で爆笑!しました。
桜毛虫、子供の頃時々桜の木に登って
遊びで採りまくっていた時期があったけれど
あの頃のように毛虫が大発生する事は
無くなりましたね。
今の歳で桜に登ったら、怪しすぎるし。
この本も買います。
私が昆虫食を知ったのはファーブル昆虫記です。最近古本で手に入れたのですが、蝉の幼虫のフライはエビみたいな味で悪くないけど羊皮紙のように硬い!と書いてありました。
ファーブルはアリストテレスの書を参考に料理をしたそうです。
愛読書だったのですが、流石に○十年前の記憶は微妙でしたw
ちなみに、チャールズ皇太子が、インタビューで世界の晩餐会で駄目だった食べ物が2つあったと答えてました。1つが、アラブの羊の目玉。も1つが、日本の烏賊の刺し身だったそうで。w
なんかざざむしさんがちょっとお怒りな記事を上げてますけど大丈夫ですか?
どこをどう見たら一体そんな風に見えるのか…
自分も虫食についての人への勧め方を虫ごとにとかもうちょっと細かく考えたら?って書いてあるように読めました
毛についてもそんなに気にしなくていいじゃんって書いてあるように読めましたね
サクラケムシの糞で作ったお茶がほのかに桜の香りがして美味しいというのを見たことがあります。(しらべるとすぐに見つかると思います)
サクラケムシうまいんですが、幼虫は色々な種類の木を食べます。
桜の中にもクマリンが含まれない品種があります。
なので、クマリンを含む桜からとったサクラケムシ以外は、クマリンの香りを楽しめないので魅力半減です。