先日のミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)の肉と内臓を冷凍したままだったので、調理することにした。
下処理はすべて終わっているのであとは調理するだけなのだが、さて何を作ろうかという段ですこし考えてしまった。
というのは、今回のカメはすぐに調理することができなかったので、捌いた後に湯引きと薄皮剥きを施した後で冷凍しておいたのだが、それにより皮を剥くことができなくなってしまっているのだ。
スッポンやカミツキガメと比べるとミドリガメの皮はどうやら剥きにくい部類に入るようで、新鮮な状態でも剥くのにかなりの力が必要になる。
冷凍したものを無理に皮を剥いて、肉がボロボロになってしまうのは避けたい。
じゃあ皮ごと料理すればいいのではないかと思うが、そう思って前回圧力鍋で柔らかくなるまで煮込んでスープにしたところ、予想よりも味が弱くがっかりしてしまったのだ。
皮は食べたいが味が逃げるのは嫌だ。
そう思い、悩んだ末2つの調理法を試してみることにした。
ミシシッピアカミミガメを皮ごと調理する
中華蒸し
茹でたり煮たりでは水分中に味が抜けてしまうが、かといって焼いたとしても皮が柔らかくなる前に全体が焦げてなくなってしまうだろう。
であれば蒸すしかない。
ミドリガメの足を見ていて、何となく点心風の蒸し物にすれば美味しくなるんじゃないかという気がしたので、そうしてみることにした。
ミドリガメの前肢と内臓類を皿に乗せ、
醤油、酒、おろしにんにく、酢、トウチを混ぜてたれを作り回しかける。
完成!!
見た目はあんまりよろしくないが、皮も肉も柔らかく仕上がっているようだ。
炊き込みご飯
ミドリガメ鍋において、スープを吸った豆腐がとてもいい仕事をしていたことを思い出せば、逃げる旨味をキャッチする存在がいればどんな調理法でも美味しく食べられるのではないかという仮説が成り立つ。
その条件下で最もシンプルで簡単な調理法と言えば……そう、炊き込みご飯だ。
ミドリガメの後肢は爪先を切り取り、関節に包丁を入れて小さなパーツに分ける。
炊飯器に研いだ米としょうゆ、酒、みりんを適宜入れ、刻んだミドリガメを入れて
炊き込みご飯モードで炊き上げる。
カメの皮を一番楽しめる料理が分かった
まずは中華蒸しから……
…(´・~・`)
うーん、悪かあないんだけど、やっぱり何か中途半端というか「別にカメじゃなくてもいいよね?」感がぬぐえない。
風味・旨味ともにそこまで個性的ではないので、たれの風味に負けてしまっている。
皮もやっぱりちょっとざらついて舌触りが悪い。
不味いことは全くなく、味は良いんだけど、スッポンやカミツキガメのせいで「カメという食材」に対する期待値が高くなっているので、それに応えることはできていない。
菊地雄星(2015) 9勝10敗 2.84 みたいなイメージ。
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
続いて炊き込みご飯。
こちらは味付けも単純で旨味成分を追加しておらず、どちらかというと期待していなかったのだが……
……(・∀・)!
おお! 美味いじゃん!!
米が余計な水分を吸い取ってくれるからか、カメ肉が硬すぎず柔らかすぎず、いい塩梅にむちプリ感が残っている。
唐揚げの時の食感に最も近いのはこの料理だ。
皮は柔らかく、それでいてでろでろにはならず、ゼラチンが層になって歯ごたえが心地いい。
カメ自体の旨味はから揚げと比べると少しばかり弱くなっているが、その分米に味が移っていて非常に美味しい。
予想通り、いや予想以上にうまく行った。
菊地雄星(2016.5) 5勝1敗 1.47 くらいのイメージ。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
やっぱり一番美味しいのは唐揚げかなと思うけど、皮を剥くのが面倒だったり揚げ物が苦手だったりしたら炊き込みご飯にするのがオススメ。
特にゼラチン食感が好きなら絶対ハマると思う。
炊き込みにしてご飯に旨味を移した後、身だけ取りだして塩をしてカリッと焼けばより楽しめると思う。
カメ飯、これは……流行る!!
コメント
始めまして。いつも楽しく拝見させていただいています。
炊き込みご飯にするのは斬新でいいですね!
ちょうど浴槽でアカミミを泥抜き中なので参考にしてみます。
斬新すぎるので最初は普通に唐揚げとかにするのがオススメですが(^^;)しかしみんな結構カジュアルにミドリガメ食べてるんだなあ……
某マンガで鶏卵を冷凍してから殻をむき、衣を付けてフライにして「お上がりよ!」ってしてたんですが、カメ卵では無理そうですかね?
そもそも冷凍で凍るのか謎ですがw
今回のやきうに例えた味の乾燥を見て、どんなワインの味もやきうで説明するソムリエを想像してみたら笑えて仕方ありませんでした。
僕もそれ読みました! えりな様にカメ卵食わせたら気絶して二度と目覚めないかもしれないなぁ
「今年のボジョレーは.293 32 87くらい」
伝わる……っ!伝わるぞぉ!!