武蔵小杉に住んで7年、ぼちぼち小杉タウンのショッピングに飽きてきたこともあり、最近では新丸子方面まで足を伸ばすことも多くなりました。
新丸子は東急線の各駅停車しか停まらない駅ですが、繁華街としての歴史は小杉より古く、コンパクトな商店街に様々なニーズを満たす店がそろっていてなかなかよさげな街です。
武蔵小杉から歩いて行けるのもいいですね。
そんな新丸子のおすすめショップが、イダイモールにある「八百想」。
見た目は町の八百屋ですが、ちょっと変わった野菜や新鮮な魚・肉に多種多様のモツなんかも売られていて、外観からはわからないポテンシャルが感じられます。
特にモツが面白いですね。どれもめちゃ新鮮だし、いつ行っても種類豊富だし。
先日も、ちょっと変わったものを見かけました。
盲腸って美味いんだ!
牛の、盲腸です。
ギアラ(第四胃)と重ねて売られていて、見た目も一緒だったので一瞬混同しました。
盲腸……と聞くとなんだか、あんまりモツ感がありません。盲腸炎のイメージが強すぎるからでしょうか。
ヒトのそれと異なり、牛など草食動物の盲腸は「微生物を共生させ食物繊維を分解する」という役割を持つ、腸の中の立派な1部位です。とはいえ他の消化器系モツと比べるとはるかに小さく、いわゆる希少部位の一つでしょう。少なくともぼくは初めて見ました(ひょっとすると関西ではもう少しメジャーなものかもしれない)。
価格はほかのモツと同じ138円/100g。とても興味をそそられたので購入してみることにしました。
盲腸のレシピについて調べてみますが、案の定ほとんど出てきません。
もちろんそのまま焼いて食べてもきっと美味しいのでしょうが、それではつまらない。
どうしようかな……といろいろ考えていると、連れから「乾煸肥腸」を作ってほしいというリクエストがありました。
四川! いいですね。こないだ麻婆豆腐作ったばっかりですが、まあ唐辛子と花椒は週に3回は摂らないと体調崩しちゃうからね。やっていきましょう。
ちなみに「肥腸」って大腸のことらしいので、盲腸で作ると「乾煸盲腸」ってことになるんだろうね、きっと。部位的には盲腸は大腸の1パーツなので、そんなに違う料理にはならないと思うけど……どう出るかな?
盲腸は外側にたっぷりの脂がついているのですが、これが臭みのもとにもなるらしいので、まずきれいに切除します。
それから、たっぷりの小麦粉と塩をまぶして揉み、洗い流して臭みとぬめりを取り去ります。
下ごしらえ完了。包丁で一口サイズに切っておきます。
キャノーラ油を200度くらいまで熱して、盲腸を一気に素揚げしていきます。
当然アホみたいに油がはねるので、気を付けましょう。メッチャやけどした(;´Д`)
素揚げしたもの。塩パラっとかけて味見してみましょう。
……ふむふむ、これは……意外と……
大腸(テッチャン)とも小腸(シロ)とも違いますね。どっちかというとギアラに近いかな。
筋肉と脂肪がサンドイッチ状態になっていて、噛みしめるととてもジューシーです。
ちょっとミノみたいなしわさもあるので、小さめに切るほうが食べやすいと思います。
ショウガ、ニンニク、ネギ、干しトウガラシ、生トウガラシを刻みます。
ホントはピーマンも入れるらしいけどなかったので、ハラペーニョ系のあまり辛くない赤トウガラシを多めに入れて代用とします。
フライパンに多めの油を入れて、ショウガ、ニンニク、干しトウガラシをじっくり炒めます。
四川料理のスパイスはしっかり加熱することで香りが出るので、焦げないように注意しつつじりじり火を通します。
モツを入れて、ざっと炒めて混ぜ合わせます。
ここに醤油と砂糖、料理酒を入れてガっと炒め、最後に生トウガラシとネギを入れてさっと加熱したら、完成。
花椒は食べる前に振りましょう。
香りがめちゃ美味そう……モツにもいい感じにタレが絡んでますね。
いただきまーす。
……(≧∀≦)美味い―!!
高温でしっかり揚げたモツは香ばしく、いい感じに残った脂がトウガラシの辛みとめちゃくちゃマッチします。
スパイスの香りがモツのくにゅくにゅ食感によく合わさって、箸が止まりません。白ご飯が秒で消えるやつだ。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
本物(大腸)で作ったことがないので何とも言えませんが、この盲腸という部位にめっちゃ合ったレシピだなーと思いました。
レシピとしての汎用性もめちゃ高そう(というか四川の基本のことしかやってない)なので、今後もいろいろなもので試したいなと思います。
コメント