肉系のネタってすごく人気があって、PVも増えて、そしてだいたいの場合、多少炎上します。
それは※欄に変なのが湧くくらいのレベルから、メールやDM、引用リプで非難や殺意を投げつけられるまでいろいろ。
炎上耐性というのはブロガーの基礎スキルといっても過言ではないわけですが、ぼくはあんまりその能力が高くないほうで、基本的には炎上は嫌いです。
炎上を糧にできるような人はすごいですよね。ぼくはそうなりたくないですが……
で、今回いただいたのは、過去の肉系ネタの中でも最も可燃性の高そうなもの。
シカの胎児(ハラコ)入り子宮(コブクロ)です。
燃やす気がない読者さんでも、この文字列を見ただけで顔が青くなる方がいらっしゃるかもしれない。そういう方は恐縮ですが今日・明日は弊ブログをお読みいただかないようお願い申し上げます。
先日の野食会でエゾジカの陰茎を提供してくださった若きハンター・Oさんからの贈り物です。
別に彼がふざけてこういうものばっかり送りつけてるわけじゃなくて、こういった「通常は利用されず廃棄されてしまっている部位」を何とか利用したい、利用できる人間に届けたいという素晴らしい理念のもとにそうされてるわけです。
で、いつもワイが立候補する、と。
だもんで無駄にしないためにも、美味しい食べ方を見つけていかないといけないわけなんですけど、それはそれとして炎上は怖い。
怖い怖いまんじゅうこわい、まんじゅう女子は好き。
周囲の人間に意見を仰ぎますが、食材が想像の範疇を超えているためかあまり良いアイディアは出てきません。
にゃごにゃ先生は唐揚げやソテーなどで試されていますが評価としてはそこまででもないよう。。
どうしよう……
そんな時思い浮かんだのが、某人気アングラ系野食サイト様。
房総半島にすむ外来シカ「キョン」の胎児をまるごと参鶏湯(サムゲタン)風スープにして食べる、という記事があったはず。
確認するとやっぱりありまして(ご迷惑になるのでリンクはしません、興味のある人はご自身で探してね)大いに参考にさせてもらうこととしました。
参鹿湯スープを作ってみた
まずはコブクロからハラコを取り出します。
……読者の感想もさることながらGoogle先生が怖いですね。インデックス外されませんように……
長くブログをやっていても、Google先生がご機嫌を損ねるタイミングというのはいまいち分かりません。
たとえばアナグマ肉の記事はOKですが
解体シーンが加わると怒られる。
でもカメの解体は問題ないんだな……
世知辛い世の中です。まあそもそも酒の記事書いただけでも怒られるわけですから、そういう世界だとハラくくるしかないんですけども。
愚痴はこの程度にして……
ハラコですが、表皮は全く形成されておらずぷにぷにですが、
すでに内臓は一揃い存在しているようです。
糞のようなものもあります。きれいに洗いましょう。
骨は軟骨が多いですが、カルシウム入りの固い部分もちゃんとあるようです。
鶏と比べると小さい腹腔ですが、ここにもち米とニンニク、松の実を詰めて、タコ糸で縛ります。
……
……この絵面は我ながら厳しい。正直に言うとハラコの時点で大分厳しかったんですけど。
お庭に埋葬して線香をあげるほうがだいぶん楽です。美味しく食べることもまた供養だ、と改めて自己暗示をかけましょう。
そこまでして食うか? という問題については各位、良心の自由を行使し考えてみてください。
おれは食う、苦情は受け付けない。
さて、スープの準備をせねば。
参鶏湯は簡単にいうと「薬湯で鶏を煮込んだもの」なので、薬湯のもとを用意せねばなりません。
幸いにしてコリアン食材店に行けば「参鶏湯用材料セット」が売られているので、それを買えばおk。
へー、ハリギリとか入ってるんだなー。
これを水からくつくつ30分ほど煮て、
薬湯を作ります。
ここに先ほどのハラコとナツメ、朝鮮人参を入れて
2時間半くらい煮ます。
最後に塩でかるーく味付け。
……うん。
よろしいんではなくて!?
参鹿湯完成!
パッと見普通の参鶏湯ですが、よく見ると(見なくても)顔があるのでわかります。
いただきマース
まずはスープから……
……(`・~・´)
うん、出汁は出ていますね。
ゼラチン質もちゃんと出ていて舌がぺとぺとします。
鶏と比べると風味は弱いけど、まろやかで優しい味がありこれはこれでよいです。
もち米うめぇ。
続いて肉を食べてみます。
色が白く、はらはらとほどける筋繊維、これもやっぱり鶏そのもの。
味は……鳥と白身魚の中間のような感じです。
柔らかく、ちょっとだけ水っぽい。一番近いのはなんだろう、カエルかな?
何にしても悪くないですね。
病人食としても知られる参鶏湯ですが、この参鹿湯は脂肪分が少ないこともあり、より消化によさそう。
朝鮮人参が入って滋養強壮にも良い……
さて、せっかくなので脳みそをいただきましょうか……
頭蓋はスプーンで割れます。
……。。
タラの白子っぽい豆腐、かな……
まあ、これはこれで。。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
御馳走様でした。来世は「半グレ鹿」とか訳わからん呼ばれ方をされないような国に生まれるといいな。。
コメント
命に感謝ですね
見た目はちょっとアレですが、なかなか興味深い食材ですね。
見たところ油分が少なそうなので今回のように煮込むか、一旦衣揚げにして脂を補い中華風に味付けしても美味しそうだな、と思いました。
しかし胎児の段階では鹿も肉が白いんですねぇ……牛と同じで草を食べると赤くなっていくんでしょうか。
今回のように採れてしまったものを最大限に活用するのは素晴らしいことだと思います。
茸本さんのフロンティアスピリッツに乾杯!!
中々手に入る食材じゃないけれど美味しそうですねぇ
骨も柔らかくほぼ余すところなく食べられたでしょうし実に美味しそうですね~
加熱前の状態は正直受け付けないけど、加熱後はただの肉にしか見えない・・・
うーん自分勝手な自分・・・
ハラコといえば…と、サムキョンタンを思い出してたら案の定でしたか。
あのサイトのテイストに、より丁寧な知見が載せられているのでいつも楽しみにしています。
野食会もタイミングさえ合えば参加したいのですが…
これからも楽しそう&美味しそうな記事、お待ちしています。
これは千葉房総のグレムリンですね…
解体に対する耐性があっても絵面がなかなか強烈ですが、食材として何とか利用しようとするそのガッツに感服です。
正直これは流石に色々言われるとは思いますが、私は応援しています。これからも頑張ってください。
かなりショッキングな絵面では有りますが…魚卵や鶏卵、もしくは子牛や子羊を食べるのとなんら変わらないんですよね。
ただ埋めるのも食すのも、他の命の養分とする意味では同じだし。
茸本さんの料理はいつも美味しそうで、食材への敬意が感じられます。
……中々刺激的なビジュアルですね。
でもコレ見て何も感じるものがなかったらそれはそれで何か不自然な気もします。
母シカがハントされてお亡くなりになっている以上、罪はないけどおなかの子供の命も消えてしまうわけで、それを食べて有効活用というのは全く正しいことだと思います。
確かに胎児が鍋に入っているビジュアルはクルものがありますが、手を合わせて「いただきます」といっておいしく血肉とすることで、十二分な供養になっていると思います。
・・・子宮や胎盤がどのように調理されるかも楽しみですね~
まんじゅう女子って何ですか?
サムゲタンセット原材料の、最後のトが気になりますた。
ビジュアルがフィリピンのバロットに見えるwww
へその緒もついてますね
へその緒って美味しいんですかね?
産まれた後だと平気なのに産まれる前だと急に「うっ」とクる不思議。
思わず何度も「なんまいだーなんまいだー」と声に出しながら読みました(でも調理後は食べ物に見える不思議)。
お疲れ様でした。
いつも我が命を作る食とは何か考えさせられながら拝読しております。
「この絵面は我ながら厳しい。正直に言うとハラコの時点で大分厳しかったんですけど。
お庭に埋葬して線香をあげるほうがだいぶん楽です。
美味しく食べることもまた供養だ」
私も同感です。
我が命がどんな犠牲の上に成り立っているか考えない方は最後の一文が出ないのでしょう
周りからよく見られたい、傷付けられたくない、そう思う方はタイトルの時点で敬遠、否定するのでしょうか
そのような考えを持たれている方には、今一度、自分が生かされている環境、自分が生きるために礎になった命の重み、その意味を考えて欲しいとふと思いました。
調理する機会があれば必ず食べます。絶対です。ブログに上げて炎上してしまうのはもうやむをえないですね。倫理を大切にする方々の気持ちも理解はできますが命を尊びすぎる感も否めない。わかりあえない以上ぶつかり合うのが目立つところなのは残念ですが、わたしは決してここが命を無駄にしている所でないと思いますし、賛同者がいると言うことを示すためにコメントさせて頂きます所存です
とても興味深い記事でした。
自分は調理に携わった仕事をしていますが、子豚、子牛等の肉や内臓を食べた経験があります。
胎児はやはりそれ以上に癖が弱いのでしょうか?
機会があれば自分も是非食べてみたいです。
他の方も言われていますが、ガッツと愛が感じられました。ストレスフルだったことと思います。表に出してくれたおかげで、記事を拝見出来ました。ありがとうございました。
文章読んでてあの時の触感を思い出しました。水分含んだ肌、手のひらにのせた時のクタッと感、包丁を入れた時の頼りなさ。
私が唯一、味ではなく感情が拒否して今後は料理したくないと思った食材です。
ぐーぐる先生はかいたいとかあると伏せたりするんじゃ無いですか?捌くはオッケーで。
水っぽいってのは、、、つまりは生きた証として味が濃くなる、と云う事かも。