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公私にわたり大変お世話になっている大阪のOさんから「ギョウジャニンニクを北海道から取り寄せることにしたんだけど、お裾分けいかがですか」とのご連絡が。
ギョウジャニンニク大好きなんですよね! しかも買うと高いし
お裾分け有難いです、ぜひぜひお願いしますー
……裾、とは……?
なんですかこれ、お裾分けの量じゃないじゃないですか……w 本当にいつもすみません、ありがとうございます。
これだけもらったので、料理もさることながら保存も考えねばならず、とはいえただ冷凍しても面白くないし……なんかないかなと調べていたら「アイヌは乾燥して保存し、周年利用した」という記述を見つけました。
そうか、ギョウジャニンニクといえばアイヌの知恵、だよな……じゃあ、あれ作ってみようかな。
ユクオハウは葉物が多いほどうまい
みんな大好き金塊争奪バトル野食漫画「ゴールデンカムイ」。
作中に山ほど出てくるアイヌやマタギのワイルド野食めし(「頭の頭痛が痛い」的な言葉だな)がこの漫画の最大の魅力ですが、しかしほかの漫画と比べると、メニューの再現料理を作っている人があんまり多くありません。
なぜか。素材が手に入らんからですよね……もちろん。
でも、「変わった食材」こそがこっち(野食家)サイドの得意分野です。完璧に同じものを使うのは難しくとも、ある程度条件をそろえて再現することは可能。
ということで、やってみることにしました。作るのは、金カムでもっとも再現しやすいと思われる「ユクオハウ」。
ユクは鹿(エゾジカ)、オハウは汁。ユクオハウはつまり鹿汁なのですが、本州の我々が考える「鹿と根菜たっぷりの味噌汁」みたいなものとは全く異なります。
まず、やってきたのは近所の某里山。
日陰で冷涼、水はけはいいけどじめじめしているみたいなところに、この時期群落を作って花を咲かせている
ニリンソウを採りに来ました。
ニリンソウはアイヌ語で「プクサキナ」と呼ばれ、肉料理に欠かせない素材とされています。
本州以南でも山菜としては知られていますが、猛毒のトリカブトに似ていることもあってあまり人気は高くありません。シャリシャリして美味しいけどね。
関東周辺では保護地も多いので採取の際は気を付けてください。あと、引き抜くと根茎がついてきてしまうこともあるのでハサミを使った採取が理想的です。
採ったものは一晩干し、レンチンで水分を飛ばします。こうすると保存性が高まるだけでなく、香りがとてもよくなります。
シカ肉はエゾジカが勿論理想なのですが、いま手元にゆぞくさんからいただいた本州ジカのロース肉があるのでこれを使うことにします。
ゆぞくさんとこのシカは臭みが全然なく、肉質、さらに脂の質までもがめちゃくちゃいいので、エゾジカのいい奴にも全然負けません。つーかむしろ勝ってる。
冷凍庫に待機の山肉たくさん💦
半額以下のセールしちゃったりして💡
ランダムな詰め合わせを適当にしちゃったりして💡
リクエストには応えちゃったりして💡
DMでよろしく👍— ゆぞく (@vbokcwhLNk9ROi5) April 18, 2020
今楽しいことをやってるみたいなのでぜひ問い合わせてみてください。もしくはぼくの問い合わせフォームに連絡くださったらゆぞくさんに話を通します。
これをスライスして、
昆布出汁の中に投入し、ひとつまみの塩とともに煮込んでいきます。
ここで塩を入れすぎると出汁が出てこなくなるので、あくまで一つまみで大丈夫です。味は最後に決めます。
アクをとりながら弱火で1時間ほど煮ると肉が柔らかくなりました。脂も浮いて美味しそう。
ここに干しニリンソウと
刻みギョウジャニンニク(こちらはアイヌ語でプクサというので紛らわしい)を投入。今回は量に余裕があるのでバカスカ入れます。
さっと火を通し、塩で味付けをしたら。
完成!
とてもいい香りがします。いただいてみましょう
……(≧〰≦)ヒンナー
シカ肉特有の香りは単品でも美味しそうなのですが、そこに干しニリンソウのお茶っ葉のような香りが乗っかり、全体としてとてもエキゾチックな仕上がりになっています。プクサキナの香り、肉の臭みは消すけど個性は立てるという大変便利な存在でして、アイヌの人たちにこの草が大変珍重されたという理由が分かります。
ギョウジャニンニクの香りもしっかりありますが、この汁の中ではむしろ控えめに感じます。一方でシカの脂がしみ込んだところは抜群に美味しく、脂と合わせると最高だという事実を改めて認識しました。ニラとニンニクのいいとこどりなんだよか、これがもっと南方系の植物なら最高だってのに……(関東周辺では採取無理)
ギョウジャニンニクとニリンソウ、どちらも大量に入れることで汁の中での存在感が素晴らしく、ジビエ肉の力強さとがっぷり四つに組んでくれるので、料理としての洗練度合いが上がりました。みりんも酒も醤油も使ってないのにこの完成度はすごい。
きっとかつてのアイヌの人々も、これらの草を大量に入れてたんじゃないでしょうか。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
ここの読者はみんなオソマ大好きなので「オソマは!? オソマは入れたの!!?」とかたずをのんで見守っていると思いますが、この料理はたぶんオソマ入れると台無しになります。シカ、ギョウジャニンニク、ニリンソウ、昆布、塩、以上。これが最低限にして最上。
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