Hさん、長兼丸さん、タイトルお借りしちゃいました。。この場を借りてお詫びいたします
東京湾の魚は美味しい。
これは嫌味でも何でもなくて、富栄養化した海の魚は、工業的な匂ひがしない限りはたいてい他の海域のものよりおいしいものなのだ。
ある種「大都会の副産物」と言えるものなのだが、その恩恵は深海底まで及んでいる。
たびたびNHKスペシャルで放映されていることなのでご存知の方も多いと思われるが、東京湾底には深く切れ込んだ海底谷があり、それに沿って栄養が流れ込む形で、世界でもまれにみるほどの豊かな深海が形成されている。
おそらく、生息している魚介類の数も、他海域と比べたらかなり多いのではなかろうか。
さて、僕はそんな東京湾海底谷の魚たちを食べるために、これまで何度かボートをチャーターして深海釣りに挑戦してきた。
もともとは、友人で最近激しくバズってるライターのHさんの誘いにより始めた遊びだったのだが、今ではすっかりはまってしまい、より多くの魚種をコンプリートすべく日々研究を続けている。
深海魚は基本的にキャッチアンドイートなので、釣れた魚に外道という概念は存在しない。
すべて持ち帰り美味しくいただいた。
赤いヤツ
アコウダイ
なんだかんだで主役級。本田圭佑的ポジション。
タナは570m前後、胴付き8本バリの上から2番目につけた味の素漬けのモウカザメの切り身にヒット。
初日はしゃぶしゃぶ、2日目は白だしで炊いたアラ煮、3日目は焼き霜造りでいただきました。
残った身は西京漬け、鰓は血抜きのち干して保存。
評価
味:カンスト
価格:カンスト
ユメカサゴ(ノドグロ)
赤けりゃ何でもおいしいのよ。これは魚に限らずキノコもそうなんだけど。
タナは400m前後、餌はサバ短、胴付き5本バリの下から2本に食ってきた。
刺身とアラ汁、煮魚でごっつぁん。
評価
味:★★★★★
価格:★★★★★
●黒いヤツ
シマガツオ(エチオピア)
最大で50㎝位、タナは300mより上、いかなる餌にも食ってきたし、バーチカルジギングにも一発で食ってきた。6月の東京湾中深海はきっとこいつであふれてるのでしょう。
味は…なんか酸っぱい。血抜きが大前提。
刺身…酸っぱい
フライ…酸っぱい
カレー…酸っぱうまい
脂もそんなにのっていなかったし、見た目がうまそうな割にちょっとがっかり。
まだ研究の余地ありです。
評価
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
ギス(沖ギス)
タナは500mくらい、サバ短に食ってきた。口が小さいので小さめの針が針掛かりいいけど、まあコイツ狙いで釣る人なんてそうそういないでしょう。
でも味はかなりいい!
例えるなら脂ののった大型のアカカマス、雪のように溶けそうな舌触りなのに脂がのり甘い。皮目がうまいので絶対焼き霜造りがオススメ。
評価
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
ソコダラ科の一種(イバラヒゲ?)
タナは580m、胴付き仕掛けの1番下、これもモウカザメに食ってきた。
最初はトウジンだゲホウだと騒いだが、吻の長さが短いのとトウジンにしてはデカいので、ソコダラ科の一種とした。東京湾にもイバラヒゲっているのだろうか?
味はこれもなかなかGood。マダラよりもう少しやわらかいかな。昆布締めと鍋でおいしくいただけました。
評価
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
チゴダラ(ドンコ)
同船者が釣ったもの。
タナはやはり500m前後、味の素漬けサバ短でヒット。
鍋でおいしいのは知ってたけど、今回は鮮度もいいので刺身にしました。
旨い!特に肝がハンパなくうまい。カワハギ風味のフォアグラって感じ。
評価
味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆
その他
イラコアナゴ
あらゆるタナ、あらゆる餌に食ってくるうえ、針に掛かっても掛からなくても仕掛けを白い粘液でヌルヌルにするやっかいな魚だが、割とデカくなるうえ他の深海魚の特エサとなるので無下にしなくても…とは思う。
どちらかというと白っぽい餌によく反応する気がする。
普通のウナギやアナゴと違い、粘液はすぐに固まりスライムみたいになるので取り去りやすい。仕掛けについた粘液はきれいに取らないと次のカラミの原因になる。
小骨がちょっとカタいけど、脂もしっかり乗って普通のアナゴと比べて遜色ないように思う。
刺身にしてみたけど旨いよ、でも良い子は真似しない(粘液に毒あるかも)
評価
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
オキアナゴ
570mの海底からアコウダイと一緒に揚がってきた。
アナゴ類はハゼ釣りからアコウダイ釣りまでさまざまな深さで釣れてくるので面白い。
ふつうにかば焼きでおいしかったです。
※はじめゴテンアナゴとしていましたが、オキアナゴのようなので文章を修正しました。
評価
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
ヘラツノザメ
Hさんが釣ったやつ。
1m越えをまるまる一匹頂きました。
ちょっと水っぽいサメという感じ、詳しくはデイリーポータルの記事を見よう!
評価
味:★★★☆☆
価格:★☆☆☆☆
スジイカ
夜になり、ラスト一投を巻き上げたら上がってきた。
よってタナは不明、餌はサバ短。アコウ針でイカ釣るって結構貴重なのでは(笑)
刺身で大変おいしくいただきました。
見た目もそうだけど、味もスルメとヤリの中間といったところ。
船の上でその場食いしたら絶品だったろうなぁ…
評価
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
お世話になっている船宿は、いまや東京湾の深海シーンを語るのには欠かせない存在ともいえるてきと丸KNOT ENOUGHさん。過去3回乗って一度もボウズはなし。
キャプテンのAki船長はそのイカツイ風貌からは想像できないほどに優しくて親切なので初心者にもお勧めだし、なによりも彼からあふれるフロンティアスピリッツが夢を掻き立てる。
きっとこれからも意外な魚、未知の奴らが釣れてくるに違いない東京湾深海釣り、興味がある人はぜひ一緒に行きましょう!だいたい1人分くらいは空席あると思うので。。
いつかゴブリンシャークの刺身喰ったるんじゃぁ!!!
コメント
[…] なにそれ完全にとばっちりじゃん! と言うことでとばっちりついでに、先日釣ったシマガツオをエチオピア風に調理してみましたよっと […]