毎年潮干狩りをするという人でも、アナジャコ採りをやったことが無いという人はまだまだ多い。
アナジャコ (ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑)
「筆」という特殊兵器を利用することや、コツがわからないとなかなか採れないこと、そもそもどこにいるのかわからないということなど、他の遊びと比べたらややハードルが高く思えてしまうのかもしれない。(最近はまとまった量のアサリを採る方が難しいような気もするが)
実際は、生息地に行けば干潟一面がアナジャコの巣穴というところもあり、筆の10本もあればだれでも味見分程度は簡単に採ることができる。
もちろんたくさん採ろうと思えばそれなりの知識やスキルが必要なわけで、初心者からベテランまで誰もがアツくなることができる好敵手なのだ。
アナジャコをたくさん採るためのメソッド
先日訪れた干潟は、1m四方に10~20個ほどの巣穴があるというまずますのアナジャコ生息密度で、スコップで一掻きすれば筆の刺し頃の穴がいくつも見つかった。
太筆10本で、2時間に採れたアナジャコは自己最高の29匹。
ハマグリを探しながらの釣果であることを考えるとなかなかのものだと思う。
1分間に何十匹も採るプロの漁師ならいざ知らず、アナジャコと一戦交えてみたいという初心者にとってとても役立ちそうな知見をいくつか得られたので、昨日のハマグリ同様、出し惜しみせずに放出していきたい。
巣穴は2cm以上のものを狙う
5月の早い時期だと、巣穴の大きさにもばらつきがある。
巣穴の大きさが個体の大きさに正比例するわけではないが、やはり直径で2cm以上のものは大きい個体が潜んでいる可能性が高い。
また太筆がスムーズに出入りしないといけないので、その意味でも大きい穴を見つけるのが大切になる。
500円玉サイズのものがあれば素晴らしい。
また、筆の太さも重要なファクターとなる。
基本的には100均の習字用太筆で十分に事足りるのだが、逆に太すぎると使っている間に泥を噛み、膨れて使えなくなってしまう。
太いものしかない場合は周囲の毛をぐるりと切って細くすると使いやすくなる。
引き抜くのではなく掘り出す
アナジャコ釣りの基本動作は
①5㎝ほど掘って巣穴を露出させ、筆を刺す
②筆にアタリが出たら、筆先で刺激しながらアナジャコを入り口までおびき出す
③アナジャコの爪を押さえつける(業界用語で「握手」という)
④引っ張り出す
となっているのだが、特に③と④が難しく、慣れるまでは爪だけを自切して逃げられてしまう。
コツとしては、筆にアタリが出たら利き手で筆を持ち、まだ1/3ほどが穴の中にあるうちに逆の手の人差し指と親指(できれば中指も)を第1関節まで穴の中に刺し入れ、ぐっと押し広げるようにして拡張する。
やがて指先にアナジャコが触れるが、警戒心を与えないよう指は動かさない。(このとき挟まれると少し痛いが我慢する)
こちらから指を当ててしまうと、警戒して穴の奥に戻ってしまう。
筆でつんつん刺激しながら、ずり上がってくるアナジャコのハサミの動きを指先で感じ取り、ハサミがすべて指の間の空間に収まったら、3本の指のどれかでハサミをぐっと穴の壁に押し付ける。
このとき、両方のハサミや頭部までしっかりと押さえ込めれば逃げられる可能性は減る。
押さえ込めたらすぐに筆を離し、そのまま穴のわきから手で掘り進んでいき、周囲の泥ごとアナジャコを掘りだす。
いくつかのサイトでは両方のハサミをつかんで引っ張り出すように書いているが、この方法だと自切される可能性が非常に高い。
片方だけならまだしも、両のハサミを失ったアナジャコがその後生存できる可能性は低いと思われる。
逃がすにしろ持ち帰るにしろ、より確率の高い方法を用いるべきだと思う。
潮位と水際までの距離を常に把握する
ここまでの知識でアナジャコと遊ぶことはできるが、数を採ろうとするなら次のことが最も大切になる。
それは「活性を見極める」ということ。
アナジャコの巣穴には活性の高いものとそうでないものが存在する。
それを決めるのはずばり潮位である。
基本的には下げ潮の時よりも上げ潮の方が活性があがるのだが、水際線よりも5~10mほど離れた辺りの穴が最も活性が高くなる。
活性の高い穴を見つけないと筆が何本あっても足りず、またいざアナジャコが入り口付近まで上がってきても、警戒心が強く「握手」にまで至ることができない。
逆に活性の高い辺りでは次々とアタリが出て、筆を完全に押し出してしまうものも現れる。
押し出した後もしばらくは入り口付近にとどまっているので、再び筆を入れてやるとすぐに押し返してくる。こうなると採るのは簡単だ。
あとは潮の高さに合わせてじりじりと岸寄りに移動していけば、満ち切る最後までしっかりアナジャコ採りを楽しむことができるのだ。
巣穴掘ること火のごとく、アタリ待つこと山の如し
アナジャコ採りでは、巣穴までおびき寄せ、逃げられないようにしっかりと握手するための忍耐力と、採れないとなればすぐに場所を変え、何度でも干潟を掘り返すための機動性が同時に必要になる。
今回初めてアナジャコ採りを体験したせつなさん曰く「アナジャコ、アツい」。
アウトドアの猛者でも一発で夢中になる魅力たっぷりのアナジャコ採り、まだの方はぜひ一度トライしてみてはどうだろう。
採ったアナジャコをとうやって食べたかはまた次回に。
コメント
wackyさん、こんにちは(^^)/
穴ジャコ採り、、、うーむ、楽しそうです。
記事を読んでる間にもムズムズしてきます!
今週末は又お昼間に潮が引くので筆を持参で干潟へ行ってきます♪♪♪
初めてのチャレンジだから、ぼうずで帰るハメになると思いますが、
いつかきっと「握手」したいな~。
どうもー!
さっそくトライしていただけて嬉しいです!いっぱいとは言わずとも、1匹でも採れるとものすごく楽しいので、アナジャコくんの顔が見られることを祈っています。
マテガイの穴と違って、アナジャコの場合は少し掘れば大きな穴がぽっかりと開くのですぐにわかると思いますよ!
wackyさん、こんばんは☆
トライしました!穴ジャコちゃん♪♪♪
最初は筆が反応する時間が短すぎたみたいで、浜を変え、、、、、(浜のはしごなんて余り聞きませんよね(^^;)二つ目の浜で「ダメ元」で掘り掘り。
「やっぱり簡単には採れないよね~」と半ば諦めつつ。
この辺りにはオキシジミちゃんが居るので、それでも良いか~などとほっていたら、、、、表面になかった大きな穴!大きいと言っても10円玉位かなぁ?試しに筆を入れて、横の砂場を掘り掘り。。。。視野の端に、、、「にょにょにょーーーん!」と筆が上がってきたぁあああああ!きゃー!(*^^*)/でもね、、、、、結局一匹も捕まえられなかったのでした。(汗)ですが、爪らしき物と、体みたいな物も確かに見えました!すっかり目覚めてしまいました!嬉しくて楽しかったです♪♪♪今日は報告とお礼まで。
やりましたね!(≧∀≦)
生息確認ができればもう採れたも同然ですよ!
10円玉サイズであればかなりいい穴ですので、あとは絨毯爆撃で、見つけ次第筆を差し込んでいくと良いと思います。
握手に至るまでがなかなか難しいですけど、指を存分に挟ませてやることを意識すれば(痛いですけど)すぐにフォークダンスも踊れると思います。
捕獲報告もお待ちしてます!!
福岡にはいい浜がいっぱいあってうらやましいです。
カブトガニも棲んでるんですからね…
wackyさん、こんばんは!
ご無沙汰してます。
何しろ土日にしか自然と遊ぶ時間が無いのでやっと昨日、、、、、
穴ジャコちゃんとご対面!できました!!!!
余りの嬉しさにおててに乗っけて撫で撫でしました\(^^)/
恥ずかしながら「一匹のみ」でしたが(苦笑)。
とても可愛くて食べるのをためらいましたが「握手」では無く、「後ずさる道を塞いで」の捕獲でしたので、初めての緊張感のせいか穴ジャコちゃんが弱っていたので「食べるのが役目」と思い熱した油で一気にご臨終して頂きました、、、、人間とは罪深いもので、その前は「可哀想(;_;)」と思っていたのに、素揚げが柔らかく色も綺麗で泥臭さは微塵も無かったので「!これは美味しい!!!」と思ってしまいました!
あぁ、我ながら白状な一でした。(^_^;)でも、この楽しさに会えたのは全てwackkyさんのおかげです。まだまだこれからですが頑張ります\(*⌒0⌒)♪ありがとうございました。今後共ご教授よろしくお願いいたします♪
キター(≧口≦)おめでとうございます!
この「最初の一匹目」っていうのが本当にうれしいんですよね。。よかったです、こちらもとてもうれしいです。
握手でも押さえ込みでも一本背負いでも、固定さえできればあとはこっちのものですからね。コツがつかめたならもう大丈夫ですよ!
見てるととても可愛くて、指とか挟まれてもニコニコ観察しちゃうんですけど、食べても美味しいっていうんだから困りものですよね(笑)まあ、穴から掘りだしたものを逃がしても、穴を掘りきる前に水鳥や魚の餌になっちゃうと思うんで、採れたものは美味しく食べちゃうのが吉!ですよ。
これからもいっぱい採って、ぜひ「名人」を目指してみてください!
本日、行ってきました。江戸川放水路。
貝類は昨年の赤潮のためか今年もダメそうです。
穴ジャコ初体験でしたが6匹ほどゲット。
以外と穴がないです。まだこれからですかね。
古い記亊ですが、懐かしかったのでコメントさせていただきます。
アナジャコ採り、懐かしいです。岡山県の西のはずれに、笠岡市というところがありまして、以前は広大な干潟がありました。今では干拓が進み、少ししか残っていませんが、そこでアナジャコ採りをしてました。
筆を使うところは同じなのですが、アナジャコを捕えたらそれを友釣りのおとりシャコにします。
逃げられないように胴に紐を結んで、ほかの穴に入れると、自分から穴の奥へ入ろうとしますが、穴の主が押し出してきます。そうやって次々と「おとりジャコ」を増やして捕まえていきます。おとりは数回で疲弊して穴に潜り込む力がなくなるので、新しいのと交代させます。ただ、でかくて元気すぎると穴の主を押し返すので、ホドホドに元気なのを使います。
筆より反応がいいので、その気になればひと潮でバケツ半分ぐらい採れましたよ。
おとりを使ったアナジャコ採りもやってみたいですねぇ。。今年は近所のアナジャコ場が去年の台風によって壊滅してしまっているので、1匹も採らないままシーズンが終わってしまいそうです。。