昨日の記事の通り、フランスで食べた「大アサリ」は日本の「大あさり」ではないようだった。
となればやはりここは“本命”ホンビノスガイにご登場いただくしかあるまい。
生食の実績アリ
本命とは言ったものの、ホンビノスガイそのものが南フランスで食べられているのかどうかは実のところよくわからない。
ただ彼らには、原産地のアメリカにおいてしばしばカキと一緒に生食されているという「実績」がある。
これまで食べてきた貝の中では最も可能性を持っている存在といっても過言ではないだろう。
折しも先日、三番瀬の沖合で最大クラスのサイズのホンビノスを採ることに成功した。
いくら殻が分厚いといっても、このサイズなら身の量も十二分であるに違いない。
早速トライだ!
ホンビノスを剥き身にする
剥き身にするべく口にナイフを当てるが、堅く閉じており全く刃が入らない。
それではと蝶番に刃を当てるも、やはり不動。
仕方がないので
金槌でドカンといってみると、殻にヒビが入った瞬間に、自らの閉じようとする力で殻全体がバキバキに砕けてしまった。
殻の厚みは5mmほどあり、人の指ではとても割ることはできない。
指でも挟まれようものなら大惨事だ…
殻を剥いて身を取り出す。
やはり殻の大きさに対して身がかなり小さいが、それでも足のサイズは5cmを優に超えている。
あの強烈な締め付け力の源となる貝柱も、大小どちらもかなりの大きさだ。
イタヤガイサイズを超えて、小さなホタテガイくらいはありそうだ。
どちらも美味しそうなのだが、これまで食べてきた貝と比べると、どうもニオイが気になる。
生臭いというか、「粘液!」という臭いがして、手を洗ってもなかなか取れない。
というわけでよーく水洗いして、中腸腺をきっちり取り除いた。
ホンビノスの刺身は…
本当にきれいな海域で採れたものなら、フランス人のごとく剥いてそのまま饗したいのだが、東京湾奥産なので足と貝柱だけを刺身にしてみた。
ニオイはというと、よく洗ったためかギリギリ気にならないほどにはなった。
まずは貝柱から食べてみる。
(・~・)…
おお、良いじゃん甘いじゃん。
ホタテには及ばないものの、やはりベビーホタテ程度の味わいにはなっている。
大きさも1.5cmくらいはあるし、これだけ集めて、小柱みたいに軍艦にするのとか美味しいかもね。
バカガイと比べて殻が剥きにくいのがネックだけど
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
続いて足。
貝柱も美味しかったし、これが美味しけりゃ生食需要が出てくるはず…
(・~・)
…
……
無味。
甘味、旨味ともに全く感じられず、ただ歯応えが残るのみだった。
(あと若干の臭み)
期待してただけに失望が大きい…
味:★☆☆☆☆
価格:★☆☆☆☆
エキスを流しちゃダメだったのかな?
本番ボストンでは、剥いたホンビノスにレモンをかけただけで食べられているという。
カキと同じように、中腸腺やエキスのしみこんだ海水ごと啜るように食べないと旨味が味わえないのかもしれない。
今のところ日本では富栄養な海域にしか生息していないので、しばらくは無理そうだ。
是非一度、ボストンに行って食べてみたい。(腹こわしそうだけど)
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