マリオ2の毒キノコ?おフランスの高級キノコ?「ピエ・ブルー」ことムラサキシメジを採った

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先々週末、富山から来た友人たちとともにキノコ狩りをした。
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本当なら、足の踏み場もないほどキノコが発生しまくった僕の自慢のシロをお披露目して「関東のキノコしゅごいぃぃv(9p9)v」と言わしめる予定だったのだが…

前週の半ばに申し訳程度に降った雨は、山のキノコを目覚めさせるには至らなかったようで、下見の時の半分にも満たない発生量でエスコート役(僕)の胃に穴が開いただけだった。


それでも、初秋にはサクラシメジやウラベニホテイシメジが山のように出るシロには、ムラサキシメジが出ていてくれた。
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3つだけとはいえ、きれいなシメジ形をしたキノコが採れるのは嬉しいことだ。

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正直、ディスってました

とはいえ正直なところを申し上げると、このときはまだ「ムラサキかよ…」ぐらいに思っていた。

キノコ狩りをする人にとってムラサキシメジは「何とも言えないキノコ」の代表格だ。
キノコの種類が減る晩秋に顔を出し、紫色でよく目立つので採ることもあるが、基本的にはそれほどは喜ばれない。


理由の一つとして「ほこり臭さ」がある。
野生のキノコには往々にしてあることだが、校庭の横の体育倉庫のような臭いがするものがある。
程度がひどいととても食べる気になれないのだが、ムラサキシメジ程度なら「個性」と呼んでも差し支えないレベルだ。
しかし好みの問題なので、嫌いな人はまったく採取しない。

二つ目に、虫が入りやすいことが挙げられる。
キノコの発生が減る晩秋に、地面から生える柔らかいキノコは格好の餌場となってしまう。

同じ時期に出るハイイロシメジも、基本はこの通り虫食いだらけ

同じ時期に出るハイイロシメジも、基本はこの通り虫食いだらけ


どんなに見た目の状態が良いものでも、中はスカスカで食べるに値しないものばかりとなると取る気も失せてしまう。

そして最後に、毒があることだ。
と言っても加熱して食べれば問題ないものなのだが、火の通りが甘いと胃腸系の炎症を起こすため、最近では毒キノコとして収録している図鑑もあるほど。

これらの条件が揃えば、人気が出ないのも致し方ないことだと思う。


見た目的にも「紫」というのは本来食欲を喚起する色ではない。
ファミコンソフトのスーパーマリオブラザーズ2に出てくる「初見殺し」こと毒キノコにそっくりなのもマイナスと言えばマイナスである。


しかし、実は世界的にみると、不人気などということは全くない。

おフランスでは「ピエブルー」は人気ザンス

天然キノコを食材として珍重し、また毒キノコの研究でも最先端を行く欧州諸国。
そしてその食文化の中心・フランス。

当地で珍重されるキノコの中には
モリーユ→アミガサタケ
セップ→ヤマドリタケ
ジロール→アンズタケ
トランペット・ド・ラ・モール→クロラッパタケ
のように、日本でも採れるキノコが多い。

しかしどれも、日本ではそこまで人気の高いキノコとは言えない。
それはひとえに、これらのキノコが「バター・クリーム系」の料理に合う一方で、「しょうゆ・みそ系」とは合わせにくいものだからだろう。


そして実はムラサキシメジもそのラインナップに列せられるべきものだった。

当地では「ピエ・ブルー」pied bleu“青い足”と呼ばれ、驚くべきことに栽培も行なわれている。
僕もフランスに居たとき、クリーム煮になったピエ・ブルーを食べた記憶があるのだが、まさかそれがムラサキシメジだとは思いもしなかった。


現地の栽培品を食べてみたいと思ったのだが、日本で購入できるピエ・ブルーは500g単位で、値段もキロ10000円ほどと相当な高級品である。
フランス産 空輸便 フレッシュきのこ ピエブルー 500g
これはおいそれと手を出せない。

じゃあ、採りに行くしかないっしょ!

ムラサキシメジが採れてこんなに嬉しいのは初めてです

前回のキノコ狩りで新たにできたキノコ友達、いつもキノコ狩りに付き合ってくれる釣り友達、そして師・せつなさんを連れだってMyキノコシロに向かったのは、前回の余韻も冷めやらぬ先週末。

「2015キノコツアーFINAL」とぶち上げてスタートしたものの、全体的には前週と変わらぬ大貧果(あまりの貧果にせつなさんはキノコムシを食べています)となってしまったが、ムラサキシメジとハイイロシメジだけは何とか確保できた。
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薄暗い林床で落ち葉に埋もれているものが多いが、菌輪を作るので、見つけたらその周囲をよく観ると、いくつか見つかることが多い。
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立派な菌輪を作る種のひとつで、ときに山中で尾根をまたいで大菌輪を構成することがあり、「峰越し」という地方名で呼ばれることもある。

今回見つけたのは、美しく柄が太い大変な上物である。
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所詮はムラサキシメジなんだけど、でもとてつもなく嬉しい。


今回は広葉樹の林縁と竹林の林床で1つずつ確保することができた。

腐生菌のため、樹種を問わず落ち葉の上に発生するのだが、杉の林床に出るものはほこり臭さと苦みが強く、広葉樹ではさわやかで美味、竹林産はその中間だということを聞いたことがある。
今回はそのあたりに注意して食べ比べてみたいと思う。


食レポはまた次回以降に。

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