きのう、冷凍庫を整理していると、見慣れない深紫の塊が出てきた。
流水で解凍してみると、それは毒抜きを施したシャグマアミガサタケだった。。
すっかり忘れてたぜ…
美味しいんだけどやっぱり怖いのよ
前回の試食時に「シャグマアミガサタケは美味しい」という結論を出したものの、やはり一度に大量に消費することはまだ勇気が湧かず、毒抜きだけしてそのまま冷凍しておいたのだった。
ただ毒抜きの方法としては間違っていないはずだし、何よりその後まったく体調を崩さなかったので問題はないはず。
解凍したが百年目、ここでバシッと大量消費して、シャグマアミガサタケの食材としての安全性を世に知らしめなくてはならぬ。(誰にも要請されないけど)
シャグマアミガサタケは和食でも美味しいのか
さて大量のシャグマたん、どう調理してやろうか。
以前、普通のアミガサタケを和食っぽく味付けして食べてみようという試みを行ったが、濃い出汁とともに持ち味を発揮してくれた。
そのアミガサタケよりも風味・味ともに強いシャグマのことだから、和食に使ってもきっと上手く立ち回ってくれるのではないか。
そう思い、試してみることにした。
キノコの和食と言えば…炊き込みご飯。
出汁、本体の味、香り、食感とあらゆる要素が求められる、シンプルだがキノコのポテンシャルを測るのにぴったりの料理法だ。
新米ななつぼし1.5合を研いでよく水気を切り、やや少なめの水と酒・みりん・醤油そしてシャグマを投入。
炊飯器を炊き込みコースに設定し、1時間。
できた!
キノコの色がアレなんで見た目は………だが、大事なのは味。
いただきマース
…(´・~・`)
あれっ??味薄い?
…バターソテーならあれだけ旨味を発揮するシャグマたんだが、やはり再三の茹でこぼしによる旨味の流出は避けられないようで、ご飯の全体に旨味を行きわたらせることはできなかったようだ。
キノコそのものも出汁ガラになってしまっている。
さらに、前回の試食時に感じた強烈なまでの動物的風味が、ご飯の香りとぶつかってしまい、獣臭さに近いものになってしまったように感じる。
くにょくにょとした食感も、ご飯と一体となると違和感でしかない。
なんていうか…食感や香りのせいで、豚か牛のモツで炊き込みご飯をしたかのような味わいになった。
これ、きっと好きな人にはたまんないんじゃないかな?
僕も嫌いじゃないけど、期待していたものとはちょっと違った印象。
味:★2.5
価格:★★★☆☆
炊き込みご飯を食べて思ったのは、シャグマの食感と香りは、脂分が合わさらないとものすごい違和感に感じられるということ。
ヨーロッパでも多めのバターを用いて調理されているのだから、和食と言えども脂を使わないわけにはいかないだろう。
ということで残りのシャグマたんはごぼうと一緒にごま油で炒めて、醤油とみりん、砂糖、味噌で軽く味付けしてみた。
…(`・~・´)
うん、これはイイね!
ごぼうは敢えて皮付きのまま調理したが、その野性味がシャグマの“肉々しさ”と調和していい感じに収まった。
ごま油の風味もシャグマの香りを引き立てる。
ヨーロッパでは料理に砂糖を使わないことが多いが、シャグマはみりんや砂糖の糖分の甘みと合わさっても十分美味しいことが分かった。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
“山のモツ”は精進料理にも使えそう
というわけで、和食でも調理法を選べば十二分に楽しめることが分かった。
油を使い、土臭さや野生感のある食材とともに調理することが大事だと思われる。
そしてそうして食べると、このキノコがあまりにもモツっぽいことに改めて驚かされるのだ。
この食感とこの風味、精進料理に活かさない手は無い。
毒抜きの知識が必要だけど、それも修行と考えれば…
どうかな?厳しいかな?
コメント
なんか、エゲツナイ色したキノコですね。
僕は、アミタケ イグチ ハツタケ ヒラタケなんかをよく取りに行ってましたが、アミガサタケは見たことないです。
最近は自然薯掘りばかりなので、こんど真剣にアミガサタケ探してみます。
色合いも形もホントえげつないです。これが美味しそうに見える人はどこかおかしいw
美味しさを発見した北欧?の人はホントすごいと思います。
アミガサタケは春に出るんで、そのあたりのキノコと一緒に見られることはあまりないですね。山菜狩りのおまけにちょうどいいですよ。
自然薯もいいですね、ヤマノイモの蔓を見かけるたびに掘ってみたいと思っています。