寒ウツボ特集① 釣り方
寒ウツボ特集② 捌き方
寒ウツボ特集③ 調理
これまでは捨てていたのだが、ふと思いたって臭いをかいでみると、驚くことに少しも臭くなかった。
水のきれいな西湘の寒ウツボだからこそかもしれない。
これはっ…! と思い、試しに調理してみることにした。
ウツボのモツの下ごしらえ
まず、可食部位を確認する。
腹膜に包まれた内臓全体。釣ってすぐに0℃まで冷やし、その日のうちに捌いているので腐敗臭が全くない。
まず目につくのが、赤黒い色をした肝臓。
これも全く臭くないのだが、ちょっと食べるのが戸惑われる。
ウツボは生きた魚を積極的に襲うことは余りなく、どちらかというと死にかけたものや新鮮な死体を食べるスカヴェンジャー的なところがある。
ウツボにかまれると危険なのは、歯が鋭いだけでなく、死体食をすることで歯に様々な細菌をもち、それによる感染症を引き起こす可能性があるから、とも言われている。
そのような魚の肝臓を食べるのはどうにも気が引ける。
血液が集中する部位なので、血清毒のことも心配だ。
大きいので惜しい気もするが、ここは破棄としたい。
残りは腸と一体化した胃、それから浮き袋である。
まず胃袋を切り開き、熱湯を回しかけてすぐに冷水に取る。
よく洗って汚れ、ヌメリを落とす。
浮き袋は表面の薄い膜を剥き、穴が開いているのでそこからハサミを入れて切り開く。
こちらも熱湯にさっと漬け、冷水にとってよく洗う。
別の個体の胃袋と浮き袋は、冷水でよく洗ったのち、海水程度の塩水につけてから干し網へ。
ウツボのモツは美味い
湯通しした胃袋と浮き袋。
火を通したことでギュッと締まり、とくに浮き袋は板ガムの様な固さになった。
臭み、ヌメリは全くない。
これをしゃぶしゃぶスープに投入し、しばらくぐつぐつと煮てみた。
するとこの通り。
胃袋は半透明のゼラチン状になり、箸でつかむとちぎれてしまいそうなほどにやわらかくなった。
ポン酢につけ、浅葱を撒いて食べるととてもおいしい。
独特の磯臭さを持つことも多い皮と比べて、素直で食べやすいとすら感じた。
味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆
今回は寒ウツボだったのでこれだけ美味しかったのだろう。
しゃぶしゃぶで美味しいのだから、しょうゆやみそでモツ煮にしてもとてもおいしいことは間違いない。
自分で釣ることでしか味わえない珍味、チャンスがあればぜひやってみてほしい。
コメント
以前、うつぼの皮の食べ方で書き込みしたことのある大沢と申します。よろしくお願いします。
最近私は他の魚には目もくれないほど、うつぼ釣りにはまっております。
釣り始めてやっと一年がたち、最初はさばき方もわからず大変でしたが、
貴HPや他の情報を読みまくり、やっと最近はどうにかわりと簡単にさばけるようになりました。
皮や肉のほうはもちろん、料理もいろいろやってみて楽しんでおります。
私は頭からしっぽの先まで、内臓もすべて食べており、捨てるのはエラだけです。
他の魚では食べない、背びれ部分や背骨は5㎝程度に切り、塩をまぶして天日干しにして、それを食べる前に水にさらして塩抜きをして、焼いて、僅かに付いている肉をかじりとり、骨はさすがに硬くて食べきれないので、しゃぶって(味があり旨い!)酒のつまみとして食べております。今夜これからそれを食べることを思い出すだけでもよだれがでそうです。
ここで、教えて頂きたいことがありますが、内臓はそれぞれを分けて食べるのは面倒なので私は全てくっついたままでホルモン焼きみたいにしたり、揚げ物や煮物にしています。でも、ものすごく苦くなるので、内臓のひとつひとつを生のまま噛んでみたら、浮袋のすぐ横にある小さな黒っぽい袋の中に入っている液体がとてつもなく苦いことがわかりました。
質問は、あれはなんですか?
肝というやつですか? なんの役割ですか?
分かったら教えてください。
友人からウツボの下処理をしたものを頂き、おいしくいただいています。
若い時は自分で処理しましたが釣りに出かけるのも難儀な年になると漁はきついですね。
苦い袋は胆嚢-胆汁でしょうね。(経験と、魚の解剖学に関した書物を参考)