先日、北海道の道をドライブしていたところ、見慣れぬ白い花が風に揺れているのを発見。
車を停めて近寄ってみると、今度はたいへん見慣れた葉っぱが目に入りました。
なるほど、これが噂のノラニンジンというやつですね。、
ノラニンジンはセリ科の帰化植物で、日本には明治以降にヨーロッパより移入したとされます。
葉が野菜のニンジンそっくりなので判別が可能です。日本に生えている個体については「ヨーロッパに自生していたニンジンの原種が外来種として移入した」または「野菜として移入されたニンジンが逸出して野生化した」の2つの説があるそうです。まあいずれにしても野菜のニンジンとほぼ同じ植物という考えで良いのでしょう。
ただ、有益な植物であっても畑から抜け出せばただの外来種。至る所で群生するノラニンジンは、畑のニンジンやセリ科野菜に被害をもたらす害虫や病害の発生源となってしまうため、要注意外来生物のひとつとしてマークされています。
ニンジンならば根っこが食えるのだろうと思って引っこ抜いてみましたが
細くて硬そうだなー(;´Д`)このサイズでもしっかり木質化していて美味しくはなさそうです。
もしやとうが立っていないもののほうが良いのかなと思い、花の咲いていない株を引っこ抜いてみたところ
お、こちらは多少太い。それでいて柔らかみもあり、こちらが正解のようです。まあ考えたら野菜のニンジンだってとうが立ったら採りませんもんね
収穫したノラニンジン。見た目的には朝鮮人参みたいな感じで、香りはパクチーの根みたいな感じです。野草としては美味しそうだけど、ニンジンではないですね
表皮を包丁で擦って落とし、一口大に切って
ベーコンとともにコンソメスープで煮ます。
ノラニンジンのポトフ、完成!いただきまーす
…(`・〜・´)ふーんなるほどね
これが野生のニンジンか……という味です。ニンジンの甘みを1割にしてニンジン臭さを5倍くらいにした感じで、ニンジン嫌いな人が食べたら卒倒するでしょう。あとパクチーっぽい香りもあるのでパクチーダメな人も多分だめ。
個人的にはニンジンは好きなのでこれはコレでイケます。ニンジンらしいホロッとした質感もちゃんとあるし、パクチーやセリの根のような旨味も感じますね。肉の旨味とコンソメを吸ってなかなか美味しくなっています。ただこうやって煮るより、束ねて天ぷらにしたほうがもっと美味しくなるような気がしました。
北海道滞在の最終日は、今度は別の野良野菜を採取しました。
畑でこの葉を見たことがある人もいるんではないかしら。
引っこ抜いてみると
ご覧の通り見事な根っこ。実はこれはノラゴボウという野草で、ゴボウなのです。
こちらはノラニンジンと異なり、野菜のゴボウが畑から逃げ出したもの。花が咲いたあとにひっつき虫系の果実をたくさんつけるので、コレで広まってしまったのかもしれません。
この太い根で一度根付くとそこに居座り続けるため、これもまた要注意外来生物としてマークされ始めており、とくに数の多い札幌周辺では有志による駆除も行われているそうです。野生のニンジン(カカロット)とゴボウ(バーダック)が猛威を振るっているとは……札幌はドラゴンボールの世界だった……!?
まあそんなわけでぶっこ抜いてきたノラゴボウを調理してみました。
断面はご覧の通り完全にゴボウ。香りも完全にゴボウです。
皮を剥くとなおのことゴボウ。少しだけ硬いものの、木質化した部分はなく、全体を食べることができそうです。
千切りにするとすぐに茶色くなるので少しアクが多いのかな
ざっと炒めて
……(*^〜^*)美味し
これはただのゴボウやね。懸念された硬さやアクも気にならず、味が濃くて美味しいです。きんぴらも美味しいけど、縦に四つ割りにして天ぷらにして、博多うどんの上に乗せたらマジで最高やろなー。ワイゴボウ大好きなんで、札幌住んでたら定期的にノラゴボウ掘って食べると思います。
当サイトの最初の記事は実は野菜の原種・近縁種の話(レタスの原種と言われるアキノノゲシならびにノゲシ)だったんですよね。なのでこの手のネタはうちのルーツと言って良いかもしれない、。
今後も野食ハンマープライスは野良野菜や野菜原種について積極的にハントしてまいります。
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