ハマダイコンの太い根が三浦大根レベルに甘いことを知り、ここのところ連日食べています。
夕方ふらりと川に行き、1~2本だけ引っこ抜いてきてそのまま晩御飯に使っているのでまさに裏庭の畑といった感じです。多摩川万歳。
昨日は鶏の手羽元と一緒に煮てみました。
野性味が強く香りが高いのに、味が良く染みるので美味しいです。これは野菜としてもかなりのレベルだと思います。
まもなく旬も終わってしまうので、それまでは楽しませてもらおうと思います。
さて、しかしハマダイコン、今年の多摩川ものくらい太いと根の芯を普通の大根のように使うことができますが、普通の個体ではそこまで太くなりません。なので普通の大根のように利用することができず、もっぱら
表面の皮のみを利用する形になります。これはこれで繊維が緻密でぎっしりしており、強い辛味もあって「辛味大根」のように利用できるので美味しいのですが、いかんせん歩留まりが悪い。薬味が必要なときでない限り、わざわざ掘り出して食べたくなるほどのものでもないというのが本音です。
しかし、今回のものくらい太い根だと
もはや皮と思えないくらいのしっかりした層になります。
これを食べてみると、まるで大根というよりもカブのようなち密さ、強烈なダイコンの香りと辛味があり、薬味だけと考えるのはもったいない気がしてきました。
ということで、この皮の部分を使って、ぼくの大好物であるあの料理を作ってみることにしました。
ハマダイコンの皮で大根餅を作ってみた
大根餅、という料理をご存じでしょうか。香港やマカオ、台湾などの郷土料理で、春節に欠かせないポピュラーな一皿です。日本では中華の食べ放題くらいでしか見かけることはありませんが……
ぼくはこれが大好きで、中華街で食べ放題のお店に行くたびに注文して連れに怒られていました。(でんぷん質で腹に溜まるので食べ放題で頼むと怒られがち)
ただ、かつて台湾で食べたときに「日本で食べたものよりも大根の風味が強い!」と感動したことがあり、いつか本場の味を再現してみたいと思っていたのです。
あれ、ハマダイコンがあればやれるのではないか。やってみようじゃないですか。
ハマダイコンの皮は表面を薄く剥き、
2㎝くらいの小さな拍子木切りにしておきます。
中華ベーコン……がないので自作のイノシシ干しベーコンを粗みじんに切り、水にさらして塩を抜きます。
野食会でいただいたお高そうな干しエビを水で戻します。
鍋に湯を沸かし、ハマダイコンをさっと茹でて水分を出し、水気をよく切ります。
ベーコンと戻した干しエビを強火で炒め、
ハマダイコンを入れてさらに炒め、戻し汁を入れて塩コショウと砂糖で味付けし、ひと煮立ちさせます。
米粉と片栗粉をボールに混ぜて水で練り、
そこに先ほど炒めたもののスープのみを注いで、しっかり練ります。
それから具を混ぜて、タネの完成。
耐熱容器にラップを敷いてからタネを入れて、
1時間ほど強火で蒸します。
冷ましてから切り分け、
ごま油を敷いたフライパンで焦げ目がつくまで焼けば
完成!
ちょっと具が大きすぎた(;’∀’)でもすごく美味しそうな香りがします。
いただきまーす
……(≧〰≦)これこれっ! この味!
ダイコンの風味が立っていて、干しエビやベーコンに負けていません。うま味がぎっしりで、一口ごとにビールが爆散していきます。
味:★★★★☆
価格:★★☆☆☆
今年のハマダイコン、余りに美味いので何本か採って冷凍しとこうかなとも思ったけど、旬のものを旬の時期だけ使い、未練なくスパッと切り替えるというのがかっこいい野食家のようにも思えるので止めました。あと数日利用したら今年のハマダイコンは終了、きたる野食ベストシーズンに備えていきたいと思います。
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