ツツジの蜜で中毒してラリった話①:中毒症状

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先日、阿佐ヶ谷ロフトAにて「茸本朗の自己人体実験報告会」なるいかがわしいイベントが開催されました。

これは簡単に言うとぼくがこれまでに食べてきた毒物、あるいは毒と言われている生き物について、摂取したことでどんな現象が起こったか、どんないいこと(あるいは悪いこと)があったかについて報告するというもの。
当ブログ読者の皆様にはお馴染みのベニテングタケやシャグマアミガサタケ、マムシなどの食材をテンポよくご紹介し、明るく楽しくトークが進んでいきました。

しかし会の後半、突如卓上に怪しさMAXな物体が登場すると途端に空気が一変しました。

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マッドなハチミツ!?

司会進行をしてくださるゼロ次郎さんが持ってきてくれたそのブツは、その名も「MAD HONEY」

名前の通り食べると酩酊し、脱力感や多幸感を楽しむことができるといいます。

そう聞くと「なんかやべぇ薬物でも混ぜてる?」と思うかもしれませんが、そんなことはなく、純度100%の天然ハチミツとのこと。ネパールの奥地に住む少数民族が伝統的に採取し、嗜好品として楽しんでいるそうです。
もちろん合法で、インターネットで市販されており誰でも購入することができます。

これをいまこの場で摂取し、その様子を世界中に配信することで、文字通り人体実験イベントとして完璧なものにせん……とするゼロ次郎さんの強い意思に感謝しつつ、登壇者全員(とロフトスタッフYさん)で摂取してみることにしました。

ハーゲンダッツ(バニラ味)の上に、カレースプーン2杯ほどをどろりとかけます。見た目はやや淡めの色合いをしたハチミツですが、匂いにややツンとした刺激臭がまじります。ちょっと黒酢っぽいかも。

恐る恐る、いただきまーす、、。

これくらいの色合い


……! 
これは、予想より大分食べやすい!
自分はハチミツがあまり得意ではなく、特に市販品はあまり口にしないのですが、このハチミツはいい感じに風味が弱く、ハチミツ嫌いでも食べることができます。バニラの香りとの相性も抜群。
また不思議な発酵臭みたいな香りもあるので、トリュフ漬けてブルーチーズにかけて食べたらたまらないだろうな……とも思いました。何にしても味は良い。

あとはキキめですね。だいたい30分ほどで効果が現れ、気持ち良い脱力感や高揚感を感じられるとのことですが……

マッドハニーを食べるとどうなるか

30分後。
自分は特段何も変化を感じなかったのですが、突如ゼロ次郎さんが、もうひとりのゲストであるドルショック竹下さんの顔を指差し「ドルショックさんめっちゃ笑顔じゃないですかwwwwww」と言ってケタケタ笑い出しました。そんなゼロ次郎さんの目も完全にへの字になっています。

おいおいメインゲスト置き去りにして二人で勝手にキマってるんじゃないよ、しょうがねー人たちだな……と思いながら話を続けようとするのですが、何故か急に言葉が出てこなくなりました。
「……だったので〇〇が採れて、あじゃなくて□□、じゃなくて△△、いや✕✕」みたいな感じで、脳みそは通常通りのスピードで思考しているのに、大脳新皮質から言語野だけがスポッと抜け落ちたかのように単語が出てこなくなっているのです。ドルショックさんもそんなぼくを見ながら爆笑しています。


そして徐々に肉体的な変化も。
全身にだるさがでて、姿勢を保つのが徐々に辛くなります。下肢の筋肉がじんじんと熱くなっており、筋肉痛のときのような辛さを感じます。
さらに頭の奥がふわふわして、めまいの一歩手前のような状態に。三半規管が狂わされているせいか軽い頭痛もあり、車酔いのような感覚になります。ちょっとしんどい……正直気持ちよくはないです。

それなのに顔は笑っています。面白いことはなにもないんですが、顔の筋肉に力が入らず弛緩してしまい、勝手に笑顔になってしまうのです。


トークイベントの終わり頃には全員完全にキマってしまっており、こんな状態に。

「やべーわこれ」「やばいっすねー」「もう座ってらんない、横になっていいですか」みたいなことを言い合っていました。

脳内では「これ結構やばいのでは……」みたいなことを思いつつ、精神的には非常にリラックスしています。よく「辛いときには無理やり笑顔を作れ、そうしたら気分が上向くから」なんて言いますが、たとえ表情筋を麻痺させられた結果笑顔になっただけだとしても、無理やり笑ったのと同じ効果がでたということなのかもしれません。人体って不思議。


イベント終了後、ゼロ次郎さんは速攻で控室に向かい爆睡。ドルショックさんとぼく、Yさんは受付前のソファーに座り込み、無言でのびていました。
ちょうどロフトのシフト交換時間帯だったようで夜番のスタッフさんが来店されたのですが、うつろな表情で虚空を眺める我々の姿を見てみなぎょっとしながら通り過ぎていきます。
誰かが言った「阿片窟じゃん」というセリフが非常にしっくり来ます。


30分ほどしてから頑張って立ち上がり、帰途につきましたが、新宿についたところで今度は大腿四頭筋が完全に麻痺してしまい立てない状態に。
千鳥足で立ち食いそば屋に駆け込み、「汗をかいてできるだけ早くこの毒を排出せねば」という思いからカレーを注文。
とても540円とは思えない固形物0のカレーをすすりながら、太ももに熱が溜まっていくのを感じます。とにかくこのハチミツ、体のあらゆる部位の筋肉を弛緩させるパワーがあるようです。

ただ、その効果にはどうやら波があるようで、カレーを食べ終わった頃にはなんとか立ち歩けるくらいの状態にまで回復。
決死の思いで席を立ち、ほうほうの体で帰宅しました。


その後は家事や作業の一つもできずに布団に倒れ込み横になりましたが、ヘトヘトなのになぜか目が冴えてしまい眠りにつくことができません。どちらかといえば寒気がするにも関わらず、全身が燃えるように熱くなっています。

脈拍は通常の倍くらいはありそうで、心臓はずっとバクバク言っています。連れが「目が陥没しているよ」というので写真を撮ってもらいましたが、たしかに見たこと無いようなクマができています。
これどっかで見たな……あ、ヤク中の顔じゃん……


そういえばゼロ次郎さんが「マッドハニーを食べると寝られなくなる人がいるが、頑張って少しでも寝られたら回復できる」と言っていました。どうやら覚醒作用も持ち合わせているようです……なんて厄介なハチミツだ……!

見かねた連れがルイボスティーを入れてくれたのですが、口に含んだところで「あれ、飲み物ってどうやって飲むんだっけ」という状態に陥りました。舌と下顎の筋肉の動かし方を忘れてしまったかのように、スムーズに飲み込むことができなくなってしまったのです。
口の筋肉が麻痺してるのか」と気づいたところで流石に背筋が寒くなりましたが、幸いそこをピークに症状が徐々に軽減し始め、それ以上重くなることはありませんでした。もうちょい重くなったら救急車を呼ぶことも考えたでしょうが、ギリギリそこまではいかなかったというところです。もしぼくが病院のお世話になっていたら、ロフトがまた警察沙汰になっていたかもしれないので危ないところでした。


翌朝はパッチリと目が覚め、昨夜のことなどなかったかのように体が軽快に動きました。まったく不思議な毒です。
マッドハニーには「グラヤノトキシン」という成分が含まれているそうなのですが、せっかくなので調べてみたところ、いろいろなことがわかりました。下の記事にまとめましたので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。結構大事なことも書いてあるので↓↓

ツツジの蜜で中毒してラリった話②:意外と怖いツツジとその毒
前回の続き。 ツツジ類の蜜「マッドハニー」を摂取するとヘロヘロになるということが体験できたのですが、一体これはどのような成分によって引き起こされるのでしょうか。 ツツジの毒「グラヤノトキシン」 マッドハニーの「...
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植物 毒・食中毒
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コメント

  1. より:

    合法とはいえ
    これは共有そして拡散されるべき情報ではないのでは

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