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先日、散歩がてらキノコを探していると、木陰の落ち葉が堆積しているところにモサモサと茂った緑の群落がありました。
これは最近やたらと増えている南米大陸出身の雑草・ムラサキカタバミのようですね……いわゆるクローバーと同じ仲間でクローバーはマメ科でした、すみません(;’∀’)葉っぱが柔らかく可食なので、少し採っていくことにしましょう。
そう思い、葉を引っ張ってみると、根っこごとずぼっと抜けてしまいました。
あらイケナイ、すぐに埋め戻してあげるから……
……!? 貴様、ムラサキカタバミじゃないな!?
芋ができるからイモカタバミ
地下部が太く塊茎になるカタバミ、ということは、これはイモカタバミでよいのでしょう。
イモカタバミはムラサキカタバミと同じく南米原産の外来雑草で、正式にはフシネハナカタバミとも呼ぶようです。ムラサキ~とは互いによく似ていますが、花をよく見ると中心の色が違っています。(イモ~は濃いピンク、ムラサキ~は黄緑色)
ムラサキカタバミはアスファルトの隙間やベランダの土がたまったようなところなど、本当にどこででも見かけますが、イモカタバミはちょっと肥沃な、土が多くこんもりとしたところに多いようです。
茎の付け根が膨らんで新しい塊茎を作り、古い塊茎は櫛状に下に連なっていくため、このような特異な形状になるそうです。下部の塊茎も水分をたっぷり含んでおり新鮮で、抜け殻という感じではありません。現に古い塊茎をちぎって植えてもそこからまた新しい株が発生するそうです。根絶が厄介なタイプの雑草でしょう。
で、我々野食ハンターとしては、興味が向くのはやはり「この芋、ひょっとして食えるんじゃないの?」ということでしょう。
調べてみると、南米ペルーではカタバミ科の「オカ」という植物の地下部を芋として利用しているという情報が手に入りました。やりぃ!
イモカタバミ自体、地上部は食べられる野草として利用されている(だいたいムラサキカタバミと混同されてだけど)ので、毒の心配は薄いでしょう。早速、食べてみることにします。
イモカタバミ、有望
持ち帰った塊茎をよく洗い、まずはそのまま塩ゆでにします。
カタバミの仲間はシュウ酸というアルカロイドを大量に含んでおり、前述のオカもそのまま食べると非常に渋いそうなので、まずは茹でてこれを抜く必要があるそうです。
ゆであがると柔らかくなり、里芋のような質感になりました。いかにもでんぷん質! というようなほくほくした香りがあります。
皮を剥いて、食べてみましょう。
……(`・〰・´)オッイケんじゃん
芋らしいぽくっとした歯ごたえというよりは、レンコンと里芋の中間のような、シャリっとしてサクっとした感じの舌触りがあります。
味はあまりありませんが、素直なデンプンの風味と、後味にわずかな甘みがあります。これは悪くないです。
オカは収穫後、数日天日干しすると甘みが増すとのことでトライしてみました。
一度干して、塩ゆでにして
いただきまーす……
……(´・ω・`)あれ、ちょっとえぐくなっちゃった。
シュウ酸なのかほかの成分なのか、いずれにしてもアクがちょっと強くなってしまいました。水分が抜けて味が凝縮したので、エグみも感じやすくなってしまったのかも。
しょうがないのでカリッと揚げて
塩をかけて食べてみました。
……(≧〰≦)美味しい
大きいものは里芋のような、中ぐらいのものはピーナッツのような、そして皮ごと揚げたものはクワイのような味がします。個体によって味が違うのが不思議です。
新しい塊茎のほうがエグみは少ないですが、古いもののほうがデンプンっぽさがありますね。なんにしても美味しい。これはいろいろ使えそうです。
味:★★★☆☆
価格:★☆☆☆☆
野食材で栄養を摂ろうとする際、最も苦労するのが炭水化物です。日本人はそのほとんどを米、麦などの改良されたイネ科植物から摂取しており、野食材でこれの代替になるもの(可食部を取り出すのが簡単なもの)はほとんどありません。
このイモカタバミはそんな貴重な炭水化物食材として非常に有望であると考えます。なにせ生命力強くてあちこちに生えているし、シュウ酸さえ抜けば無毒で無害。
皆さんも見つけたらぜひ引っこ抜いて食べてみてください。
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コメント
いつもたのしくよんでいます!
とつぜんですがクローバー(シロツメクサ)はマメ科ではないでしょうか?
あ、カタバミをクローバーというひともいるのかな。
シロツメクサをたべるかたもいますね〜
ご指摘ありがとうございます! そうだった、マメ科ですよね……ど忘れしていました。訂正させていただきます。
マメ科とカタバミ科ってすごく似ている感じしますけど、もしかして種として近縁なんでしょうかね?
シュウ酸はアルカロイドじゃないですよー、ただのカルボン酸なので言ってしまえば酢酸とかの仲間です。
摂取すると体液に含まれるカルシウムイオンと反応して不溶性の塩の針状結晶を作るので、その物理的な刺激が「えぐみ」として現れます。
アルカロイドみたいに細胞と化学的な相互作用をして毒性を発揮してるのとは違ってますね。
あと、アルカロイドはその名の通り溶液は基本的にアルカリ性なのです。(アミノ基かイミノ基に由来)
なので名前の通り思いっきり「酸」であるシュウ酸はアルカロイドじゃないです。
げぇーそうだったのですか! てっきり植物が作り出す各種成分をアルカロイドというのだと思っていました。ご指摘ありがとうございます! 修正しますね~
もしかしたら私のがソース古いかもですが多分南米ペルーでのカタバミ科の芋の呼称はルキ・オカ(苦いジャガイモの意味)かもです
いつも楽しませてもらってます。
イモカタバミの芋、タイガーナッツにも似てますね。
ムラサキカタバミやベニカタバミには大根ができるので
イモカタバミと合わせてイモ汁やおでんにしても良いかも。