小ネタ。
先日のアミガサハント山菜狩りの際に、タラの芽を求めて荒れた林道を分け入っていたら、見事なサンショウの木が見つかりました。
薬味「山椒」の原料ですね。
サンショウもタラの木同様パイオニア植物で、山が崩れたような場所を好んで生えるので当然といえば当然。
まさに「芽出し」といったタイミングで、赤黒い小さな葉が展開を始めんとしているところでした。
サンショウは「薬味」?「具材」?
山椒、薬味としてはもちろんメジャーだと思いますが、知名度は濃淡あるなと感じることがあります。
まず、若い人たちにはなじみないよね。多分ウナギを含む川魚を食べる機会が減っているからでしょう。なんとなくオジサン臭い薬味だと思っているフシがあります。
そう聞くと「山椒なんてメジャーな薬味だろ」とお怒りの方もきっと多いと思いますが、もしかしたらこう思う人もいるかもしれない。「えっ、山椒は薬味じゃなくて具材だろ」と。
個人的に、山椒の利用は「西高東低」だなと思っておりまして、東日本ではマイナー薬味の域を出ない感じです。中華の「花椒」と混同してる人も多い。
でもこれが中部地方に行くと、川魚の利用が多いのもあって薬味としての利用頻度が高まり、関西まで行くともう具材の一つという感じがします。木の芽和えとかね。
そして、そんな「山椒を具材とする料理」の最高峰にあると思われるのが「木の芽鍋」です。
これは京都の料理と聞いていますが、その名の通り大量の木の芽、つまりサンショウの葉をバサッと入れた鍋です。もうなんか字面がすでに匂い立つ感じです。
サンショウはみかんの仲間なので、タイ料理のコブミカンみたいに葉を料理に入れること自体は疑問はないです。お吸い物にも浮かべるし。
でもこの木の芽鍋では葉を大量に投入するんですって、具材として。すごいよね、硬くないのかな。
そんな感じで長らく気になってはいたのですが、ただ木の芽なんて関東のスーパーで買うと10枚500円とかするんですよ。んなもんばっさばっさ入れたら松阪牛より高くなっちゃうじゃん。
ということで自前で大量に手に入らないかなーと思っていた矢先の上記の出会いでした。これはもうやってみるしかない。
木の芽鍋を作ってみた
サンショウの葉は、芽出しの時は葉柄も柔らかく、小さな棘が生えていますが刺さることはありません。なので丸ごと採取できます。
せっかくの香りが抜けないよう、ジップロックに入れて持ち帰りましょう。
鍋の具はなんとなく、白っぽいもので揃えたほうが木の芽が映えるかなとおもい、そうしてみました。
みじん切りの白ネギを入れた鶏団子と豆腐、エノキ、白くて上質な季節のタケノコ。
これらを昆布だしで煮たて、
火が通ったら最後に、木の芽をバサバサっと投入! 家中に山椒のスキっとした香りが漂います。
すぐに火を止めて、完成!
いただきまーす。まずはそのまま……
……(≧〰≦)ウワッすごい山椒パワー
山椒のさわやかな香りが脳天に突き抜けて一気に目が覚めます。具材と味付けがシンプルなだけに、ひたすら山椒を味わわされる感覚が楽しいです。
苦みや舌に障る感覚は全くなく、シャキシャキ……とまではいきませんが歯ごたえ、食べ応えもあって「つえぇ野菜」みたいな感じでいいですね。
あと食べてると下の付け根にジンわりと、あの山椒特有のしびれるような辛さが広がるのがまた良いです。花椒より穏やかで薄味の鍋に最高ですね。
味:★★★★☆
入手難易度:里山で摘もう
なんだか花椒の葉も食べたくなってきたな。やっぱり辛いのかな。
コメント
自分は中国地方在住ですが、子供の頃(40年以上前)は山椒の葉を山で鍋一杯になるぐらい集めて、水煮してその後冷水に放ち(多分辛味や刺激を抜くため)その後おひたしにして普通にご飯のおかずにして食べてましたね。まあ匂いがきつすぎて子供には受け入れられない味でしたが。
いつも楽しく読ませていただいています。
木の芽鍋、美味そうですね!シビ辛好きにはたまりません。
私は花椒を栽培していますが、不思議なことに葉には辛味がほとんどありません。カレーリーフに似た柑橘の風味がわずかにあるのみなのです。