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鳥取から送られてきた食材シリーズ第3弾。
このオタマジャクシのようなものが何か、お分かりの方はいたでしょうか。
これは「オモダカ」という植物の塊茎です。
普通の人はオモダカという名前を聞いてもピンとこないと思いますが、一度でも稲作や水耕栽培、あるいは水辺の作業にかかわったことのある人ならきっと、苦々しい表情で「ヤツか……」とつぶやかれるのではないかと思います。
田んぼやビオトープなどの水辺は「水田雑草」や「畦畔侵入雑草」と呼ばれるやや特殊な雑草がはびこります。彼らは一度繁茂すると物理攻撃が使えず(畔が崩れたり田んぼの水漏れにつながったり、そもそも水田の真ん中に入っていくのが困難だったりするので)撒布適期を逃すと除草剤すら効かなくなるという実に厄介な存在なのですが、その中でもラスボス的な存在がこのオモダカです。
根は深いし、植物体がデカいので土中の栄養をモリモリ使うし、しかも種子だけでなく塊茎でも増える。そして最近は農薬抵抗性が出てる……といった感じで、イネ科雑草の頭領であるヒエと並び、北日本の稲作農家の不倶戴天の敵なのです。
鳥取の皆さんが稲作を行っている水田は減農薬栽培を行っているそうで、当然ながらこのオモダカも繁茂しており、これを皆さんが丁寧に物理除草されているとのこと。塊茎を水田に残すと除草の意味がなく、ただ廃棄してしまうのなら茸本に送って食わせたほうがWin-Winじゃろうという素晴らしいご判断をいただいたようです。このブログをお読みの皆さんも「これ食えるか分かんないけど茸本に喰わせてみようかな」みたいなものがあったらどしどしお送りいただいて大丈夫です!!
クワイの塊茎は揚げると完全にポテト
さて、そんなこんなでオモダカを調理していくわけですが、この塊茎の形に見覚えがある人っていませんか?
そう、「おせち専用野菜」ことクワイにそっくりですよね。
じつはクワイはオモダカ科に属する食用作物で、全体的に非常によく似ています。ただクワイの塊茎は直径5㎝近くまで成長するのに対し、オモダカは大きくても1㎝程度までしか成長しません。この小ささがまた除草の時に厄介なんだよね。
ということで、味の方向性もきっとクワイに似ているはず……と仮定し、クワイの調理法を踏襲してみることにしました。
まず流水で良く洗い、塩を入れた熱湯でゆでてアクを抜いてから
醤油と出汁、みりん、砂糖で煮含めていきます。
簡単だぜ! いただきまーす
……(´・ω・`)うーん、ちょっと渋いな……
サイズこそクワイよりも小さいオモダカですが、皮や芽のアクはクワイと同様に強く、サイズが小さい分その渋みが直接的に舌に来ます。
皮を剥けばいいのかもしれないけど、そんなことしたら可食部なくなっちゃうからなぁ……
よし、煮てだめなら
揚げてみよう。
我が家では正月以外にクワイが手に入ったら、そのまま丸ごと素揚げにして塩振って食べます。皮や芽がパリッと、中がほくっとして美味しい揚げ芋風になるのでおすすめなのですが、オモダカならどうか。
……(≧〰≦)これこれ!
このサイズでも十分に感じられるでんぷん質と、クワイの魅力であるほくほくした甘み。小粒なために外側はクリスピーに揚がっており、エグみも「野草らしい個性」くらいの枠に収まっていてごく当たり前に美味しいです。なるほど、こういうものなんですな。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
採取の手間が非常にかかっているだろうと思うので、気軽に「もっと量あればなー」なんていうことはできないですが、たくさんあったらすごくうれしいですね。ドカッと揚げて永遠にポリポリ食べてたい。
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