先日、アミガサタケを探してうろついていたところ、それはそれは見事なオニノゲシの群生を見つけました。
オニノゲシは野菜のレタスと同じキク科アキノノゲシ属の雑草で、明治時代に東京で初めて確認された外来植物です。
現在では全国に分布しており、畑の脇や耕作放棄地、河川敷など日当たりのよく肥沃な場所でよく見られます。皇居回りとか、都心にも出ているよね。。
在来のノゲシ(これも史前帰化植物という説があるけど)と比べると全体的に荒々しく、株がデカく、棘がアザミのように硬いという特徴があります。
今回見つけたものは草丈が1m程度ありましたが、別段大きいというわけではない様子。
茎の太さも、付け根で7~8㎝ほどもあります。これが大群生を作っているもんだから、ものすごい迫力です。
この太い茎を見ていて、ふととある食材のことを思い出しました。
山くらげこと「茎レタス」
山間部の温泉街にあるお土産屋さんってどこも珍味コーナーがデカいですよね。
そこで「山くらげ」っていうの見たことありません?
緑色のメンマみたいな見た目で、だいたい甘辛く味付けされています。
食べてみると、メンマとキクラゲの中間のようなパリパリ感が心地よいです。
ご飯のおかずにもいい感じ。
これは実は中国原産の「茎レタス(ステムレタス)」という野菜。
文字通り茎を利用するレタスの仲間です。
中国では「貢菜」とよばれ、皇帝に献上されるほどの高級食材だったとか。
歯ごたえがクラゲっぽい植物、ということで、日本では山くらげと呼ばれるようになったそうな。
で、このステムレタスもキク科アキノノゲシ属なんですよ。
ということは、オニノゲシの太い茎も、同じように利用できるんじゃないでしょうかね。
ちょっとやってみましょうか。
オニノゲシ山くらげ化計画
オニノゲシは採取後すぐに葉を落とし、茎だけにしておきます。
そうしないとかさばるし、あと棘が刺さって痛いです。
葉の付け根に切れ目を入れて引っ張ると、硬い表皮ごと剥けるのでちょうどいいですね。
全体の皮を剥き、髄だけにします。
といっても中空なので、見た目ほどの量はありませんが、それでも茎が太いからそこそこ可食部があります。
ここで、ちょっと齧ってみましょう。
……パリッパリッパリッ
Oh,予想以上にしっかりした歯ごたえ(・ω・;)
セロリ的なものを想像していましたが、キュウリよりもさらにぱりぱりしてます。良いですね、これは期待できそう。。
山くらげは干して保存されるので、いったん干してみます。
細く裂いて、陰干し。
うん、これは山くらげそっくりだ。
ぬるま湯で戻して、5分ほど茹でます。
水気を取って小さく切り、白だしとラー油で簡単に和えれば
オニノゲシの山くらげ風、完成!
いただきマース
……(`・〰・´)
ばっちりだね。
これはもう、ただの山くらげです。
ラー油との相性良すぎでしょこれ。メンマの代わりにしてもいいよね。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
よかった大成功。
アク抜きの必要もなくて、その気になれば生でも食べられる(ちょっと青臭いけど)というのもいいですね。
気を付けてほしいのは、根が結構しっかりしているので、無理やり引っこ抜くと地面が崩れちゃうことがあること。
畑のあぜなどで採るときは注意が必要です。
あとはいつもの話だけど、外来種なので種の拡散につながらないように注意したほうがいいでしょう。
どんどん食べて利用しちゃおう!
コメント
これ、そこらかしこに生えてて抜いても抜いても毎年生えてきて凄い邪魔だったんですよね
まさか食べられるとは・・・今度試してみたいと思います
いいですね。
身近に生えてる植物ですし今度試してみます。
いつも楽しく拝読させてもらってます。
ええと。。。
うちの庭に生えてる雑草が全部食い物に見えてきましたw
まさか庭の邪魔物が食えるとは。。。
今年は食べて駆逐してやろうと思いますw
いつも楽しく拝見しております。
この記事を見てさっそく取りに行こうと探したのですが、こんなにでっかいのはさすがに見つかりませんでした……。
ところで、あまりにも普通過ぎて取り上げられていないのかと思いますが、アザミの根っこって食べます?いうまでもなく「ヤマゴボウ」の漬物ってモリアザミの根っこなので、割とごぼうの代わりに使用するのにはナイスな食材です。
オニアザミくらいのでっかいやつを使っても短いので、何本か集めないと食いでがないですけど。
書いた後気が付いたのですが、オニアザミは在来種なのか。
根っこを取る食べ方はあまり推奨すべきではないかもしれませんね……
ということは、ターゲットにすべきは野原の暴れん坊、セイヨウオニアザミ(アメリカオニアザミ)ですかね!?
私が小学生の頃(1990年頃)、道端の雑草引っこ抜いてチューチュー吸ってた赤い太い茎は、もしかしてこのオニノゲシですか??