先日、ひろいぐい太郎さんが送ってくださった2種の大根。
見た目はそっくりですが、実はそれぞれ異なる大根です。
左は「野生のダイコン」として著名な山菜(というより食べられる野草)であるハマダイコン。といっても、これは太郎さんが畑で育てたいわば「温室育ちの野生児」です。
昨年の冬にぼくが多摩川で採取したスーパーハマダイコンと大きさや見た目は良く似ています。
そして右が今回の主役である、出雲の郷土野菜「出雲おろち大根」です。
ハマダイコンとおろち大根
出雲おろち大根は、出雲市周辺でのみ栽培されている大根。そのユニークな点は、ハマダイコンを改良して作った品種だということです。
普通のダイコンは地中海地域原産とされているので、見た目は似ていてもルーツは全く異なることになります。ワイン用ブドウと生食用ブドウみたいなもんですね(ちなみに日本に自生するブドウはワイン用品種のひとつです)
出雲地方には「出雲そば」という特産そばがあるのですが、自生するハマダイコンを薬味に使うのだそう。確かにハマダイコンの辛みは薬味大根のそれによく似ています。
そこに目をつけた島根大学の教授が「出雲地方の特産となる野菜を作ろう」と研究を重ね、出雲おろち大根を生み出したそうです。
おろち大根を食べてみた
とりあえず、生のものを齧ってみましょう。
……(`・〰・´)なるほど
味の方向性としては、上記のスーパーハマダイコンとほぼ同じです。
みずみずしくてパリッとするけど、繊維質で蕪のような靭性もあります。
旬の三浦大根のような甘みもありつつ、後味にはピリッとした辛みが残りますね。市販の各種ダイコンとは大きく異なった味です。
当地では辛さを出すために、辛み成分が多い皮ごとすり下ろして利用するといいます。やってみましょう。
よく洗ったおろち大根とハマダイコンを
皮ごとフープロに。
繊維が強くて荒おろしになってしまった……まあいいや(;´∀`)
大根と一緒に頂いた出雲そばを茹で、天ぷらも揚げました。
いただきまーす
まずはハマダイコン(色の濃いほう)から
……(`≧〰≦´)からうま
皮ごとおろしたハマダイコンの辛さは非常にシャープで、味としてはもうホースラディッシュに近いですね。ソバの薬味としても、天ぷらに乗せてもその辛味は消えず、シャキッとした味わいになります。
焼いたステーキに添えるのも最高なんだよな。これを食べちゃうと、市販のダイコンで作る大根おろしは薬味としては弱すぎるなとも思います。
そしておろち大根を
……(`・〰・´)こっちは甘みも強い!
皮ごとおろすとやはり辛味が強く出ますが、それでも芯の部分にある強い甘みがドドンと前にせり出してきます。そばつゆに入れるだけでソバが大変ゴージャスになりますね!
天ぷらの薬味としても上質です。ただ、シャープな辛味を求める層にはハマダイコンのほうが刺さりそう。
加熱した時の味も見たいと思い、がめ煮に使ってみました。
……これは……大根と蕪のいいとこどり!
加熱するとジャガイモのようなほろっと崩れる感じが出ます。でんぷん質が多いのかな。
普通の大根よりも繊維が細かく、トロっとなるので蕪らしさが出るのかも。味も良いですね。
味:栽培種なので評価は保留
入手しやすさ:★★☆☆☆ 関東じゃ見かけないなー
まあでもやっぱり、生で使ってなんぼの野菜かなーという気がしました。
「いつでも、ものすごく状態の良いハマダイコンをそばに入れたい」という執念が生み出した野菜、という印象を受けます。
太郎さんいつもありがとうございます! また面白いものありましたらぜひお知らせください😀
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