猛毒のシアン化水素を利用する(?)料理「しるかえ」を作ってみた

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2020.5.8最新動画→#4 ウツボで鶏のタタキ!?~野草調理&実食編~




日本各地に「怖い料理」は存在していますが、九州にはかなり多いように思います。ぼくが九州に長くいたからそう思ってしまうかもしれませんが、それでも九州の食材や調理法にはパンチが効いたものが多いという意見には、きっと多くの九州出身者がうなずいてくれるかと思います。

ぼくの大好きな鳥刺しも、九州全土のスーパーに普通に売られている食品ですが、他所の地域の人からは信じがたい食べ物の一つでしょう。前にこのブログで取り上げたサワガニのがん漬けなんかも「ジストマ大丈夫……?」ってなりますし、熊本のしゃく味噌はビブリオが怖いです。

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そして最近、そんな「怖い料理」シリーズに新たなものが加わりました。

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しるかえを作ってみた

ナンテン(南天)という植物をご存じでない人は少ないと思います。
のど飴の原料として知られ、真っ赤に熟した実の美しさから庭木などにも使われる身近な木です。

薬になることが広く知られているので、無害だと思っている人も多いですが、実は全草にを含んでいます。しかもその毒は、泣く子も黙るあのシアン化水素。超の付く猛毒で、青酸カリで人が死ぬ原因物質でもあります(青酸カリと胃酸が反応してシアン化水素が発生し、その毒性により死に至る)。
前に「相席食堂」に出演した際、ぼくが目を離したすきに金属バット・小林さんが思いっきりこのナンテンを口にしてしまい、慌てて吐き出すようお願いしたこともありました。あの時は割と冷や汗出た……


しかし、このナンテンをなんと料理に使う地域があります。
熊本県の南部では、ナンテンの葉をすりつぶしてエキスを水に溶き、それで捏ねた生地で打った麺を食する、という文化があるのです。「しるかえ」と呼ぶこの料理は、ゆであがった麺を何度も水を替えながらよく洗うことからそう名付けられたともいわれます。

じつはナンテンの葉、そのシアン化水素による殺菌力を期待され、器に添えられることがよくあります。添えるだけじゃなく食材として利用してしまったのがこのしるかえなのですが、わざわざよく洗ってから食べるというのは、さしもの熊本人としてもシアン化水素は怖かったということでしょうか。

まあ実際のところは、ナンテンのシアン化水素含有量はごくわずかで、殺菌作用はともかく人体に被害を及ぼすことは考えにくいともいわれています。実際に作って食べてみれば、そのあたりの事情も分かるでしょう。ということでやってみることにしました。


採ってきたナンテンの葉を水とともにミキサーにかけ、

ざるで濾してエキスを取り出します。
すげー青臭い(;´∀`)このまま飲んだらシアン化水素の前に香りとアクで体調悪くしそうです。


これを中力粉(薄力粉と強力粉を混ぜたもの)に混ぜて練り


うどん生地とします。アメリカの歯磨き粉味の菓子のようなきれいな緑色。


延ばして打ち、茹でてよく水にさらし、


盛り付ければ完成。
あっ、麺の下にナンテンの葉を敷けばよかった!! こういうところで気が利かないからいつまでたっても盛り付けが上手くならないんだよなおれは……

まあいいや、いただいてみます。

……(`・〰・´)ムチムチして美味い
小麦粉の在庫事情によりやや強力粉多めにした結果、蓮爾の麺みたいな食感になりました。大変美味しいです。
肝心のナンテンはというと……よく濯いだからか、そんなに強い風味を感じませんでした。やや青い香りがあるかな……でも悪くないですよ。さっぱりしていて、暑い熊本では好まれる味かもしらんですね。

味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆


昨夜食べていまこの記事を書いているわけですが、特段体調に不安は見られません。とりあえず毒性は心配ないということが分かった。
肝心の殺菌性能ですが……試す気にはなれません(;´∀`)たぶん普通に腐ると思うわ。
殺菌力よりも見た目の鮮やかさやさっぱりとした風味が求められていたんじゃないかと感じました。気になる人は作ってみるといいと思います。ナンテンはその辺に生えてますし。。



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コメント

  1. n より:

    南天と言えば赤飯ではないでしょうか?
    私の叔母はお祝い事にはお赤飯を炊いてくれます。
    その時に上に乗ってるのが南天の葉でした。叔母いわく殺菌効果があるんだよとのことで昔から伝わっているとのことでした。

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