キス釣り外道シリーズ第2弾(イカ釣りスターシリーズのノリで)
第1弾→ギマって何か犬みたいでかわいいんだけど肝和えにして食べた
おそらく中の瀬付近、水深15mほどのポイントでキスのアタリを待っていると、平林氏の竿に重みが。
なんだなんだと巻き上げていると、ややあって上がってきたのは
謎の塊。
よく観察してみると、いくつかの二枚貝がくっつきあっている。
そのうちの1個体に、サルカンが咥えられるような形で挟まっている。
偶然、ギャング釣りと似た形になったのだろう。
ギャング釣りの詳細はこちら↓
その後、我々二人の仕掛けに断続的にかかってきて、全部で7個の“釣果”があった。
アオカリガネエガイっぽい
全く初めて見る貝で名前の見当がつかなかったが、よく見るとサルボウガイやアカガイなどの「フネガイ科」に共通する特徴が見受けられた。
膨らみ盛り上がる殻や直線的な蝶番、殻の表面の溝など。
簡単に言うとサルボウガイをぐいっと引っ張って引き伸ばしたような形をしている。
フネガイ科のページを調べてみると、どうやらアオカリガネエガイという種のようだ。
青く、雁金のように湾曲した江(内湾)にすむ貝、という意味らしい。
青味については正直よくわからないが、殻幅や殻のふくらみ方、蝶番の様子などはこれに近い。
内湾の20mまでの水深の岩礁帯にすみ、足糸を出して岩場に付着しているのだという。
フネガイ科なのにイガイと似たような生活形態なのか。。
アオカリガネエガイは生じゃ食べちゃダメ
ぼうずコンニャクさんによると、アオカリガネエガイは神奈川県横須賀周辺や和歌山県では美味しい貝として知られ、熱狂的なファンを持つのだという。
良いネェそういうの、ローカル食の極みってカンジで。
市場で出会えるともっと嬉しいんだけど。
きれいにし、改めて観察してみる。
……実にカッコいい。
フネガイとは「舟貝」だと思うのだが、アオカリガネエガイはまるで軍艦のような形をしている。
直線部分と曲線部分のバランスが良い。
食べた後の殻はきれいにして保存しておこう。
殻口の真ん中付近から足糸を出しているのだが、その部分がまさに雁金のように湾曲している。
足糸の力はかなり強いようで、殻は少し凹み、隙間ができてしまっている部分さえある。
潮流の速い東京湾の浅場でもまれながら生きるのはたいへんなのだろう。
表面は黒い毛に覆われ、こすりあわせて洗うと殻の本来の白い部分が見えてくる。
ある程度きれいにしてから調理を始めるのがいいだろう。
再びぼうずコンニャクさんによると、エガイの仲間は生で食べると強い酸味を伴ったエグミがあるが、加熱して食べると良い出汁が出てとても美味とのこと。
そう言われるとまずそれを確かめてみたくなる。
蝶番のふくらみに出刃包丁の背をあて、バキッとずらす。
隙間から包丁を入れて貝柱を切り、殻を開いて剥き身に。
開いて内臓を取り、さっと洗って食べてみよう。
いただきマース
……(・~・´)……(×Д×;)ウヴェァー
エグみはないけど、ひたすら酸っぱい!
しかもこれ、いつまでも舌の上から消えない。
なにを飲んでも食べても、酸味しか感じられないという逆ミラクルフルーツ状態になり、しかもその酸味が食道を通って胃に入っていくのが感じられる……!
ここで軽い吐き気とともになぜかひどい頭痛が発生し、布団に這って行って1時間ほど昏倒する。
起きると頭痛、吐き気とともに酸味も治まったのだが、どこまでこの貝のせいなのかさっぱりわからなかった。
少なくとも今後は絶対生じゃ食べない……
加熱すると美味しい
あらためて、残った貝を加熱調理する。
まずは水から煮たて、アクをよく取って味噌を溶き、アオカリガネエガイの基本料理とされる味噌汁に。
……(・~・)
うん、わずかに酸味があるけど、確かにいい出汁が出てる。
加熱すると酸味もアクセント程度になり、まるで梅干しを少し入れたようなカンジになってこれはこれで乙なものだ。
身はエメラルドグリーンの足糸を引き抜いてから食べるのだが、固く締まって歯ごたえがよくこちらもなかなかのもの。
さらに煮詰めたらこの梅風味がもっとよくなるんじゃないか……?
ということでみりんと砂糖を少量追加して煮詰め、味噌煮風に。
……(≧~≦)
いい!
出汁が身に戻り、しこしことした歯ごたえと梅風味が混然一体となって抜群だ。
これなら佃煮風にしても相当美味いものになるだろう。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
場所によっては潮間帯などにも生息し、通常は人の手で簡単に採取できるらしいと聞く。
でも東京湾内ではなかなかそんな場所もないだろうし(内房とか行けばあるのかな)今後も釣りくらいでしか手に入れる機会はなさそう。
平林氏が釣りまくっていたので、食べてみたい人は彼に相談するのがいいかも。
コメント
きれいにするとサルボウぽいですね。
これ食べられるんだ・・