アナジャコ、フクロムシ、そしてフジツボ…変な甲殻類ってのはどうしてこんなにも魅力的なのだろう。
造形しかり、生態しかり、味しかり。
それぞれにしっかりとした理由が存在しているはずなのだが、それでも不思議でしょうがない。
一般的なカニやエビのなかまにもまだまだ変な奴らがいると思うので、見つけ次第どんどんゲットして食べてみたいと思っている。
生きてるときから真っ赤だから旭蟹
さてそんなこんなで先日、いつもの通り吉池の魚売場をのぞいていると、遠目からにもやたらと目立つトロ箱があった。
近寄ってみると、箱の中にはなんとも奇妙な形状をした生き物が。
一見するとカニっぽいけど、尾(ふんどし?)がびろーんと伸びてエビのようになっている。
甲羅の形状も変に縦長でまるで何かの果実のようだ。
マッチ棒のような目からは感情は読み取れない。
まるでベンズナイフのような形状をした鋏脚で恥ずかしげに顔を隠している。
他の脚も全体的に平たく、砂に潜るタイプのカニなのだということが想像できる。
はじめ見たとき、既に茹でられて売られているのだと思ったが、なんと生の状態であった。
生きているときから真っ赤なのでアサヒガニというのだそうだ。
十脚目アサヒガニ科、正真正銘カニの仲間なのだが、見た目からはカニなのかエビなのか、はたまたヤドカリなのかさっぱりわからない。
そもそもこんなにド派手で海中でやっていけるのだろうか。深海性なのか…?
と思ったがよく考えるとゾエアだかメガロパだかのカニの幼生がこんな形してるね。
つまり昔のカニはみんなこんな姿だったのだろうか。
「まるで甲殻類ではないみたい」な味わい?
殻長15㎝位とカニとしては大型だが、一般的に売られるカニ類に比べるとやや見劣りする大きさだ。
1匹980円という価格については、食べてからでないと判断が難しそうである。
とりあえず1匹購入することにして店員さんに声をかけると、親切にも外子付きのものを選んでくれた。(外子自体はあまり美味しくないけど内子が残っている可能性がある)
「最近はねー、ニュージーランドとかからの輸入が多いでしょ?」
そうだったのか、初耳です。というか見るの初めてです…
「あ、そうなんだ(笑)国産はね、断然味が違いますよ!輸入物とは比べ物にならない!」
へー、そんなに違うんだ。美味しいんですか?
「人気はありますねー。『甲殻類の味じゃない』とか言って」
!?
見た目だけじゃなく味もファンキーだということか…?
川崎にやってきたアサヒガニ。
調べてみると、南方系のカニでタイやインドネシアでも人気があり、当地では刺身で食べることもあるという。
エビと同じように考えたらいいのだろうか。
いろいろ考えて、身の半分を刺身に、残りを蒸し物にしてみることにした。
アサヒガニの刺身
甲羅が非常に硬いので剥ぎ、ミソや内子が落ちないように蒸皿に置く。
尾の部分にはほとんど身がないので、甲羅を剥いだ胴体の部分を半割にしてみる。
エビと比べるとやや水っぽそうだが、カニと比べるとしっかり締まっている。
醤油をかけて食べてみると…
(・~・)…
…うーん、アマエビをもうちょっとやわらかくして、風味を若干カニ寄りにしたような…
でも味はあまり濃くない。
ぷりぷり感もそれほどないし、あとなぜかのどに引っかかるような刺激がある。
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
生で食べるのはもったいなさ過ぎるな。
蒸しアサヒガニ
残りの身と甲羅、外子、脚などを皿に並べて15分ほど蒸す。
まずは身から…
(・~・)…
うん、やっぱり加熱した方が美味しいな。
でも火を通してもやっぱりエビともカニともつかない身質。
繊維状にほぐれやすく、しっとりとしていて、例えるならフウセイとかニベあたりのイシモチ系の魚によく似ている。
味はというと若干エビ寄りだがカニの風味もある。
甘みが少し薄いのが残念。
あと身が細かい部屋に分かれていて食べづらいのもマイナス。
中身の殻は柔らかいのでバリバリ食べちゃうか、指でていねいにほじくり出すしかない。
ミソは非常に美味い。
味が濃すぎず、でもコクもあって生臭みは皆無。
ていねいにほじくり出した身をミソと混ぜて食べるのが良いかもしれない。
甲羅がでかいのでミソの量が多いのも良い。
内子は絶品。
外子はもさもさしてやっぱり美味しくない。
味:★★★☆☆~★★★★☆
価格:★★★☆☆
身の食べづらさと味の薄さが星が伸びなかった原因。
よく言えば「さっぱりしてどんな料理にも使える」とも言えそうだけど…
ちなみにベンズナイフ部分ですが
スポッと身が抜けました。
でも味はやっぱり中途半端なんだよなぁ…
確かに予想外の味だったけど
というわけで、食べれば食べるほどに何者なのかわからなくなる不思議なカニだった。
甲羅を剥いで二つ割にした後、オリーブオイルと香草をかけてオーブン焼きとかにするのがいいかも。でも食べる時手を汚すなぁ…
じゃああれだ、二つ割にした身をカリッと揚げちゃえば…
いや、それはもったいなさ過ぎるな…
ということでいろいろと難しい食材でした。
なにか美味しい食べ方を思いついた人は、吉池にGO!
コメント
wackyさん、こんばんは☆
ダツって結構こちらでも泳いでる姿を見るんですけどね~、余りお魚屋さんでは見かけないけど。
ダイバーが怖い、と言ってましたが、漁師さんも?
ダツが悪いわけでは無く「つい、光を目掛けて」という習性なんでしょうけど。
ダツで思い出したけど、ハンマーヘッドシャーク、も同じく怖がられているとダイバーが言ってました。。。。
さて、話変わって、今日干潟へ行ってきました。
可愛い穴ジャコちゃん、6匹捕れました(*´`)
でもね、どうしても「握手」ができないんですのんε=(・д・`*)ハァ…
全て「フォーク法」、、、、何だか卑怯な気がしてます。穴ジャコ獲りの卵だから、日々精進でしょうね~。
又書き込みに来ますね♪
どうもー!
ダツについてはダイバーの被害も結構あるようですね。水中で刺されようものなら出血多量で危険ですからね…
陸釣りでも、ダツが寄っているようなときはライトを使うな、と聞いたことがあります。
6匹も採れたらもういっぱしのアナジャコ採り人を名乗って大丈夫ですw
巣穴が密集しているところなら僕もフォーク使いますよ。彼らを傷つけずに捕まえることが何より大切ですからね。握手も爪がとれちゃうリスクがありますし。
またご報告ください(≧∀≦)