日本人は見知らぬ二枚貝をすぐ「○○あさり」という名称で呼びたがるので、海外のレシピなどを翻訳したときに、一体それが何貝(もしくはその仲間)なのかさっぱりわからないことがしばしばある。
大アサリ、丸アサリ、平アサリetc…せめて何科の貝なのかわかれば、近縁種を使って似たような料理が作れるのだが。。
大アサリとアサリは生で食べない?
さて、フランスで食べた“大あさり”、見た目的にはホンビノスに似たようなカンジだったのだが、実際のところは何者だったのだろう。
ひょっとすると本当にアサリの近縁種だったかもしれない。
そもそもアサリは非常に身近な貝であるにも関わらず、生での利用というのはまずされない。
確かに彼らはバカガイと比べると小さく、青柳のように足だけ、または小柱のように貝柱だけを利用しようと考えるとその歩留まりの悪さはネックになるだろう。
でも味の方はどうだろうか。
ただ単純にサイズの問題だけで刺身にされないのだとしたら、身の味に定評のあるアサリのこと、生でも意外に美味しかったりするのではないだろうか。
と言うことで、
吉池を訪ねて一番大きいアサリを購入してきた。
北海道産で、殻幅6cmとバカガイにも引けを取らない。
またちょうどよく「大あさり」ことウチムラサキの活貝も販売されていたので、あわせて購入してみた。
こちらもやはりアサリとは別属の貝だが、各地で「焼き大あさり」のような名称で売られている。
殻の内側が紫色なのでこの名前がある。
シルエットはアサリそっくりだが、大きさは2倍以上。
刺身として十分なサイズだ。
アサリはまあまあ、ウチムラサキは…
少し開いた口にナイフを差し込み、殻をなぞるようにして貝柱を切り取る。
きれいに水洗いしてワタを落とし、パーツごとに分ける。
アサリは足以外の部分はパーツが小さくて食べるところがなかったが、ウチムラサキガイは貝柱が大きく、またそれ以上に目立つ水管がとても美味しそうだ。
まずはアサリから。
(・~・)…
おお、甘い!
歯ごたえは柔らかくて、足も小さいので食べ出がないが、臭みはほとんどなく十分な甘さがある。
ただ味はいいんだけど、青柳のような独特の香りがあるわけではなく、個性の面で言うとコレと言ったものがない。
この辺りの事情とサイズの小ささが、刺身にされない理由なのだろうな…
味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆
続いてウチムラサキガイ。
足が大きく、サーモンピンクで瑞々しくて美味しそうだ、
(・~・)…
うん、こちらもちゃんと甘い。
コリコリしていて僅かながら香りもあり、味が濃くてなかなか美味しい。
特に貝柱は非常に甘く、ホタテとまではいかないが代用品のイタヤガイのものと比べても遜色がない。
コレは悪くないんじゃないだろうか。
そう思いながら巨大な水管を食べてみると
Σ(×*×;)
く、口が!口が痺れるっ!
咀嚼し始めて「うん、甘…」と感じた瞬間に基地の中に強烈な辛みが走り、舌の付け根かジンジンしてのどちんこが痛くなった。
あわててうがいをしたがのどの痛みは取れず、声もガラガラになってしまった。
最後にこんな罠が待ちかまえているとは…(´・ω・`)
味:★☆☆☆☆
価格:★☆☆☆☆
敢えて生で食べるものでもなさそう
アサリは例えばカキのように無菌水で数日蓄養するなどして、中腸腺内の毒素を抜いてあげれば丸ごと生で食べることができるかもしれない。
ただそれでも殻を剥く手間は発生するし、ワタを生で食べて美味しいのかは謎が残る(ヌタとかにしたら美味しそうだけど)。
ウチムラサキは個体によっては水管以外の部位も辛くなりそうなので生の可能性は0。
メジャーな貝なのに生で食べられていないのにはちゃんと理由があった。
そもそも生で美味しい貝も、火を通して食べることでもっと美味しくなることは多い。
何かしらの無理をしてまで生で食べる必要ってあるのかな?
ないかも。
でも気になります!なのでまだ続けます!
コメント
英語では(ホタテ、カキ、イガイを除く)大半の二枚貝をclamとひとくくりに呼んでるのが、前々から適当すぎると思ってました。クラムチャウダーって二枚貝ならなんでも良いってことですよね。