先日、瀬戸内海岸某所を歩いていると、足元に違和感たっぷりの石がありました。
……?
やたらとせり上がっていて、謎の鶏冠状です。
なんぞこれ。
よく見ると海中にもたくさんあります。
近寄って触ってみると水をぴゅっと吹き出しました。貝……なのか?
つまみ上げようとしましたが、土中の石かなにかに固くくっついているようで、なかなか取ることができません。
全力で引っこ抜くしかない、もうダイレクトに行くぞ!
これ、タイラギ!?
いやでもちょっと細すぎるよな……
探してみるとあちらこちらに見つかりました。
砂利やゴロタ岩の隙間から顔を出している様子はまるで富士山溶岩斜面のキノコのよう。見つけだすのは大変ですが、とても楽しいです。
15分ほどで10匹ほど見つけ、うち2つだけ採取してみました。
ハボウキガイはタイラギの代用品というわけにはいかない
持ち帰り、開いてみます。
うーん、貝殻に対する身のサイズ感とか、貝柱の位置はタイラギと一緒なんだけど、ちょっと貝柱ちっちゃすぎないですかねぇ……
気になったので小宮さんに確認してみると
「これはハボウキガイですね~」
やっぱり! タイラギではありませんでした。疑いの心をもつのは大切……
ハボウキガイはタイラギと同じハボウキガイ科に属する大型の貝で、殻の長辺は30cmを超えることもあるそう。
内湾の海底にいる点ではタイラギと同じですが、やや浅いところにも棲息しており、また多少砂利のある場所にもいるそうです。まさに今回見つけたのと同じような環境。
ハボウキガイもタイラギ同様に食用にできるらしいですが、評価はかなり低い(というか値がつかない)といいます。
確かに貝柱の大きさは比べるべくもなく、可食部の量はかなり少なそう。
しかし大事なのは味、これでタイラギみたいな味の良さがあれば十分野食ターゲット足りえます。早速いただいてみましょう。
……(´・~・`)大したことねぇなぁ。。
タイラギはおろか、ホタテガイにも遥かに及ばない味。旨味が薄く、甘味も弱いうえに若干の生臭みがあります。貝柱としては中の下くらいかな。
アコヤガイやイタヤガイなど、ホタテガイの代用として用いられる貝よりも評価は下ですね。
あわせてヒモや内臓部分も食べてみましたが……
(´×*×`)すっぱい
なるほど、ヒモも不味いタイプの貝だね……こりゃダメだ。
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
全体的に、もしかすると加熱したらエグ味や酸味が消えて美味しくなるかもしれません。生で評価を決めてしまうのは少しためらわれます。
しかしまあ、それでもたいした味ではなさそう。タイラギの代用というわけにはいきませんね。ハボウキガイを頑張って採って食べるより、タイラギを復活させる努力を続けた方が良さそうです。
コメント
ハボウキガイですが、たしかに他の有名な二枚貝と比べると旨味は少なく、貝柱も小さいのですが、大型のものを春先から初夏の間にとって食べます。夏場は痩せてるように感じるので…。
大きい方の貝柱は刺身に、小さい方の貝柱は玉ねぎとかき揚げにします。
資源が少なく、そんなに採れないのですが、私にとっては春の味覚です。
珍しい魚が好きで魚市場を巡り歩いています。首都圏で、「ここは行くべき!面白い魚が手に入る!」魚市場はどこでしょうか?ぜひ行ってきたいので、教えてください。