ここのところ、近所のスーパーでナマコがよく売られている。
地元神奈川産のアカナマコなのに、20㎝くらいあって300円程度と激安なのだ。
それも、よくある完全に伸びてしまったものではなく、固さもあって鮮度も良い上々のものだ。
これとは別に、最近釣りで引っ掛かってきたり人に分けてもらったりしてナマコを手に入れる機会が多かったので、口にすることも多かった。
ナマコポン酢やおろし和え、茶振りなど、新鮮なアカナマコはどんなふうにして食べても旨い。
ナマコを加熱調理したい
だが、よく考えたら「どんなふうにして」などと言ってもすべて生の状態に過ぎない。
茶振りもほぼレア状態だ。
かといってしっかり加熱して調理するとなると、中華のキンコのようにとんでもない手間と時間をかけて乾燥⇒戻し⇒調理を行うものしか知らないので、それもちょっと手を出しづらい。
もし、ナマコをタコや貝類のように、生のまま加熱調理したらどうなるのだろう。
そう思ってネットを調べてみると、「炊き込みご飯」や、「網焼き」などの例が見つかった。
読む限り、どれも生とは違った独特の味が楽しめそうだ。
さっそくトライしてみた。
アカナマコの炊き込みご飯
さて、今回参考にしたいくつかのページによると、加熱調理に用いる場合、一般的に最上級として扱われるアカナマコよりも、縮みにくいアオナマコやクロナマコを用いたほうが良いのだという。
しかし今回はアカナマコしか手元にないので、すべてこれを用いることにする。
余談だが、これまでアカ、アオ、クロはすべて同一の種で、岩礁帯は赤、砂泥底は青、泥底は黒というように生息域によって色が変わるのだと言われてきた。
しかし最近、東北大学の研究グループにより、アカとアオ・クロはそれぞれDNA的に別種であるということが分かった。
メバルもアカ、クロ、シロの3種に分けられたし、同種間での色の変異って実は多くないのかもしれない。
ひょっとしたら深場の赤いカサゴと浅場の黒っぽいカサゴも別種だったりして。
閑話休題。
炊き込みご飯の作り方は非常にシンプルで、小口切りにしたナマコと米、酒、醤油、山椒の実を少量をあわせて炊き込むだけである。
出汁がいっぱい出て、タコの炊き込みご飯のような味わいになるという。
完成
…(・~・)
うん、タコのような歯ごたえに、ナマコの香りがしっかりご飯に染みてて美味しい。
美味しいけどナマコ縮みすぎだろこれ。
出汁的にも具的にも、米2合に対して大きいナマコ3匹ほど入れないとボリューム不足だ。
ナマコから大量の水分が出るので、水加減と味付けにも調整が必要だ。
アカナマコでやるにはややぜいたくすぎる料理だった。
味:★★★☆☆
価格:★★★★★
焼きアカナマコ
続いて網焼き。
調理はこれまた簡単で、網に乗せて5分ほど焼くだけ。
皮目が溶けてしまいやすいので、注意しながらじっくりと火を通す。
完成
…(・~・*)
あ、これも美味いな。
完全に火が通っているわけではないけど、身が柔らかくなって、中華のキンコの煮物のようにプルンプルンのゼリー状になっていた。
熱々で食べるのも悪くないが、冷蔵庫に入れて冷やすと、ゼラチン質が固まって生臭さが消えてより美味しくなった。
焼いてすぐにポン酢で味付けをして、そのまま冷やして食べればなかなかの珍味である。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆
網焼きとホイル焼きの2つの選択肢があるが、網焼きの方が余計な水分や生臭さが抜けて美味しくなるんじゃないかという気がする。
ナマコは加熱しても美味しい
生のナマコは美味しいが、あの独特の青みのある香りが苦手で食べられないという人は多いと思う。
また、歯ごたえや舌触りが苦手、固くて食べられないという人も少なくないようだ。
そう言った人たちには、とくに網焼きがオススメである。
炊き込みご飯はむしろ上級者向け、あの香りがご飯全体に広がるので、嫌いな人は吐き出してしまうと思うが、好きな人にはたまらないものだろう。
好みとシチュエーションで使いわけていただけると幸いである。
コメント
結構昔の話ですが、岩手に住んでいたころにスーパーで茹でたナマコが半分にカットされて売っていたのを思い出しました。
内臓もついたままで食べるみたいで、ぶつ切りにしてポン酢で食べた記憶が…