あけましておめでとうございます!
今年も野食ハンマープライスでは、できるだけたくさんのユーズフルかつトリビアルな野食情報をお届けしてまいりたいと思っております。今年も昨年まで同様にご愛顧を賜りたく、心よりお願い申し上げます。
さて、すでにお知らせ済みのことではございますが、さっそく明後日1/6(土)、どちらかというとトリビアルなお話を阿佐ヶ谷ロフトAにてさせていただくことになっております。
【開催決定!拡散希望!】
「野食のススメ ー東京自給自足生活ー」刊行記念!野食のハナシ
2018/1/6(土)OPEN 18:00 / START 19:00
🔴出演
茸本朗(@tetsuto_w)
🔴ゲスト
スズキジュン(@jun_suzuki)
姫乃たま(@Himeeeno )
チケットは12/20(水)12時発売開始!
詳細→https://t.co/aduHq7q2Nj pic.twitter.com/p1fOevc2hS— 阿佐ヶ谷ロフトA (@asagaya_lofta) 2017年12月18日
こちらまだまだチケットがあるようなので(泣)お暇な方はぜひ、そうでない方も是非、万障お繰り合わせの上ご参加いただけましたら幸いです。涙ちょちょぎれます。
釣りもののウツボや磯物の鍋、野食すり身揚げ、ウツボヘッド丸焼き(数量限定)など提供予定です。
ウツボ食べてみたいぞって方も是非!
東京湾でテナガダコ釣れたぞい
さて先日、そのトークイベントで使用するためのイシモチ(シログチ)を釣るために船に乗ったのですが、潮があまり流れず苦戦を強いられました。
こんな時は派手目に誘いを入れてイシモチの食い気を喚起させるか、もしくはオモリを完全に着底させてテンションを0にしイシモチの警戒心をかわすかのどちらかが有効なのですが、とりあえず後者を選択。
するとにわかに竿先がじわっと沈み、重さが感じされました。
イシモチのアタリではなさそうだけどなんだろう、もしかしてカレイとかワンチャン……?(・ω・´)
……オッタコやんけ。
ちっちゃいタコだな、イイダコかな……
隣のやたら魚に詳しい少年「違うよ、それテナガダコだよ!!」
Σ(`・ω・´;)
た、確かに……!
やや細長い頭胴部、
そしてその何倍もの長さがある腕。
間違いなくテナガダコです。
しかし、まさか東京湾でテナガダコが釣れるとは思いませんでした。
内湾の砂泥底に穴を掘って潜むタコなので東京湾にいないわけはないと思っていましたが、東京湾沿岸の直売所や市場では全くと言ってよいほど見かけることがなかったため、数が著しく少ないのではないかと考えていたのです。
ぼくがかつて住んでいた福岡では朝市を中心によく見かけ、たまに買って食べていました。
当地では釣りも一部マニア中心に盛んにおこなわれているようで、ぼくも福岡に釣りに行かねばなぁと思っていたのですが、釣れちゃったからどうしようかなぁ……まあオカッパリからも釣ってみたいしやっぱり行くか……野球観戦も絡めて……
結局その日はイシモチは歴史的大貧果だったのですが、珍しいものが釣れたので無駄にテンションが高いまま帰路に就くことができました。
サンナクチ、やってみますか
さてこのテナガダコ、ぼくが福岡にいたころは「安くて水っぽいタコ」というイメージしかありませんでした。
朝市などでは活けのマダコが1500~2000円/kgだったのに対して、テナガダコは腕の長さが70㎝におよぶような大物でも300~500円/匹程度でした。
朝市に通いだしてはじめのうちは喜んで買っていたのですが、茹でてもあまり美味しくならず、アヒージョにすると水分ばかりが出てきて味がぼんやりしてしまうなど悩ましさが勝り、やがて買わなくなってしまいました。
しかしぼうずコンニャクさんによると、最近では徐々に値が付きだし、活けのものは高級といっても差し支えないような値段がついているとのこと。
これは日本人の咀嚼力が低下したこともあると思いますが、大きくは韓流ブームに合わせて発生した韓国料理ブームによるものと思われます。
韓国、とくに海産物が名物となっている釜山ではこのタコは「ナクチ」と呼ばれ珍重されているそうです。
当地においてタコは朝鮮人参に匹敵する美容食材と認識されており、若いオナゴにも人気があるとのこと。
で、そんな韓国におけるテナガダコの一番ポピュラーな食べ方、それはサンナクチ。
説明するより動画で見ていただいた方がいいかしら。
活け造りと踊り食いの中間みたいな料理ですね。
生きた(サン)テナガダコ(ナクチ)をぶつ切りにし、塩とごま油、あるいは酢入りのコチュジャンを和えて食べるというものです。ヌタウナギの丸焼きといい、韓国こういうダイナミックなのホント好きね……味がよければ見てくれなどどうでもよいのだァーッ!!
美容効果に瞳を燃やす若いオナゴが、うごめくタコの足をむさぼり食べるところを想像するとこう……グッときますよね。春画的な官能かもしれぬ。
しかしこのサンナクチ、よく噛まずに飲み込むとのどの奥に吸盤が張り付き、嚥下できず窒息死してしまうことがあるという恐怖の料理。
イギリスの東スポこと「サン」が2012年に特集した「世界の危険な8つの料理」の中で取り上げられ世界的な知名度が上がったとされています。
ちなみに当該記事内では我が国の誇る猛毒食材、フグが堂々の1位にランクイン。
どちらかというとここは我らが最終兵器「mochi」をランクインさせてほしかったですね。窒息つながりで。
ということで、せっかくなのでサンナクチやってみることにしました。
ぼくはサンナクチ初心者なので、氷水で動きを弱らせてから調理することにしましょう。喉に貼り付かれた挙句トークイベントは天国からバーチャル茸本が参戦なんてことになったら目も当てられません。。
おとなしくなったテナガダコに酢を大量にぶっかけ、汚れとヌメリをしごいてよく取ります。
ぶつ切りにして
塩で和えると
おお、元気元気。
よくくっつきます。
ごま油をかけてさらに和え、酢を少し混ぜたコチュジャンを添えたら
サンナクチ、完成!
よく噛んで食べましょうね~。。
……(・〰・´)
うん、フツーに美味しいね。
ごま油の香りがタコの皮の生臭みを消してくれて、さらに適度な水っぽさが薄い皮と相まって適度な歯ごたえを実現してる。
味の系統はミズダコっぽいのかな。あれも近年「レアタコしゃぶ」によってメジャー食材になったようなもんだもんね。
決して味が弱いわけじゃなく、コチュジャンの風味にも負けていないのがよいですね。
マダコの刺身をぐいぐいかみしめるのも良いけれど、こういうサクサク食べられる刺身もまたおつなものです。
味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆
実際のところ、タコの吸盤は細菌などによるコンタミの可能性があり、生でタコの足を食べるのは本来はあまり推奨されない食べ方ともいえます。
まあでもたまにはこういうのも面白いでしょ。こういうダイナミックな料理にインスパイアされて、新しい食べ方を発見したりするのは野食の楽しみの一つなのです。
今年もいろいろやっていきたいと思います、死なない程度に……
コメント
里芋と煮たり塩辛にすると美味いから好き。
ちょっとモラルポリス的であれかもしれませんが、コンタミって感染って意味で使わない気がします。例えばジュースやお酒が本来意図しない微生物で汚染されたら「コンタミや!デコンタミしなきゃ!(無理)」って使いますが。。
感染だとインフェクションですかね?