ジャンボタニシに続いて、福岡野食会で出せなかった食材シリーズ。
2点目はこちら
サワガニのがに漬け。
姉が熊本の道の駅で見つけて連絡してくれたんだけど、「会では出せないけど、ぼくが食べてみたいからお土産として買ってきてほしい」とお願いしました。
なぜ会で出せなかったのか、その理由はずばり、安全性がよくわからないから!
がに漬けについて簡単に説明しますと、九州は有明海沿岸の各地で作られている郷土料理で、がん漬けとも呼ばれます。
作り方はシンプルで、カニを生きたまますりつぶし、唐辛子と塩を混ぜて発酵させるだけ。朝鮮半島のカニのキムチ「ケジャン」と共通の祖先をもつともいわれています。
干潟にいるシオマネキで作られるのが有名ですが、同じく干潟にいるオサガニで作られることもあるのは知っていました。
しかし、淡水ガニであるところのサワガニで作るというのは初めて聞きました。がに漬けの文化が川をたどって山奥までもたらされたということなのでしょう。
このサワガニがに漬け、調理法を聞いて「えっ、それ大丈夫なの?」と思う人もいるんじゃないでしょうか。
ご存知の通りサワガニは肺吸虫やジストマの中間宿主となっており、生食は大変危険です。
そして、これらの寄生虫が塩蔵によってどれだけ消えたかというようなデータはありません。
もちろん当地において長年喫食されてきていることを考えれば「まず安全だ」と言って良いのだとは思いますが、科学的な裏付けがないものを会の場で提供するのは良くないですからね。
ちょっと話は変わりますが、会の前日に福岡の焼き鳥屋で「地鶏のタタキ」と「砂肝の刺身」を美味しくいただきました。
いずれも九州では昔から食べられ続けてきている人気料理です。
ですが、もちろん危険な食べ物です。
どんなに鮮度が良くても、生の鶏肉にはカンピロバクター中毒の危険性があります。
カンピロ中毒すると怖いぞー、ギランバレー症候群になるぞ……
「食べて中毒するのは自己責任」というのは、野食だけに限らないということも言えるかと思います。
サワガニのがに漬けを食べてみた
さて、というわけで試食してみようと思うのですが、これだけ「生のサワガニは危険だ」という話をしたにもかかわらず、まずは生でいってみます。
というのもがに漬けは基本的には生で酒のつまみにされるものであり、このサワガニのがに漬けもそうであろうと推測されるから。
皿に出すと、見た目は瓶詰めのカニ味噌みたいです。
ところどころにつぶし切れていない脚や殻が見えるのが面白いですが。。
いただきまーす
……(>×<)しょっぱ
でもものすごい旨味が強いです。あと、ほかのカニを用いたがに漬けとは異なり、カニ味噌の味と香りが非常に強いです。
サワガニってひょっとしてミソが美味しいカニなんだろうか? 小さいし普通はから揚げにされちゃうから、味噌の美味しさなんて考えたこともなかったけど……
とにもかくにも風味と旨味がすごいので、マヨネーズと和えて野菜スティックにつけて食べましたが、これが最適解のひとつだと思います。
殻の破片がちょっと歯に障るけど、噛めば容易に砕ける程度の硬さなのであまり気にする必要はなさそうです。
加熱調理も試してみました。
水に溶いたがに漬けで、野菜炒めを作ります。
……(≧ω≦)ウマー
これはいい! カニ味噌の風味がとてもエキゾチックで、どことは言わないけど東南アジアの屋台の味みたいになりました。
これ、調味料としてのポテンシャル半端ないんじゃないの……?
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
面白いもの買ってきてくれてありがとー(`・ω・´)またよろしくー
コメント
美味しそう。これでソムタム作ってみたいです。
どこの道の駅ですか?今週休みにでも買いに行きたい
東南方向に風が吹くとは思わなんだ。
今度は自分でも食べてみよ。
話は変わるがやんごとなき粟は唐揚げの衣にしてみようと思うよ!サクプチで美味しいと思う(明日やる)
熊本在住20年目ですが、見たことない(@_@)
どこの道の駅ですか?炒めもの作ってみたい…
話の本筋とはズレますが、生食は怖いですね…
学生の頃、鶏刺身・鶏ユッケ・卵かけ御飯のコースを食べた後に下し、2週間弱ほどポカリしか体が受け付けなくなりました。カンピロかな…サルだったかも…
2年くらいまえにタイ人の方で生のサワガニを使ったサラダを食べて肺吸虫で入院した人がいたの思い出しましたけど、完全にソムタムプーパラーですねありがとうございます。