土とか、食ってみようかな①:食用土でクッキーを焼いたら食べられる陶器になる?

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ハリス・インパクト!!


いやね、先日某人気名古屋系喫茶店でヴァレンタインメニューのココア的なものをいただいてるときに、ふと思ったんですよ。

そういや、土、食べたことないなぁ……って。



現代日本では全くメジャーではない土食ですが、世界では古くから今に至るまで土食が行われてきました。

食用にされるのは主に珪藻土、カオリナイト、モンモリロナイトといった種類の鉱物由来の土で、食事の際の増量材、あるいは食材そのものとして用いられてきたそうです。(薬としての効能もある様子)


土を食べる、と聞いてシンプルに思うのは「そんなもの、食べて大丈夫なの?」、そして「美味いの?」の2点です。これはきっと皆さんも同じだろうと思います。

前者については、上記の「珪藻土」についてはなんとアメリカ食品医薬品局(FDA)認定の食用グレード品が存在し、簡単に個人輸入できるので試すことができます。後者については試してみないとわからないでしょう。
ということで、実際に食べてみることにしました。

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土を焼いて食べてみた

人生においてまさか食用の土を買う日が来るとは思いませんでした。いやまあ「こういう仕事をしていればいつか食べただろう」というのはあるのですが、しかしぼくはおそらく日本人の中でも指折りの土嫌いです。とくに口にするのは大嫌い。

土嫌いってなんやねん、普通に生きてたら土を嫌いになる機会なんてないだろ……と思うかもしれませんが、そんなあなたは一度でいいから「殻の中にヘドロをたっぷりため込んだオキシジミの死貝」を口にしてみてほしい。あらゆる泥・土に対する憎悪が燃え上がり、やがてその炎は我が身をも焼き尽くすであろう。
あとは泥抜きが全くなっていないシオフキガイで作ったかき揚げとか食べるとね、砂嫌いになります。

毀誉褒貶の激しいオキシジミ(東京湾奥産)を食べる
★☆★5/3(水祝)野食会 in 焼津 を開催します!!☆★☆ 先日の潮干狩りの際に、満ちてくる潮に追い立てられながら帰投していると、潮干狩り客が穿り返した干潟の穴の周囲に大量の貝が転がっているのを見かけた。 一般的...

ともかくですね、あいつら歯にあたるとジャリジャリいうぢゃありませんか。。それが耐えられないの。大脳旧皮質にクる嫌さ。
食用ったって土は土でしょ? 石の細かくなったやつでしょ? んなもんジャリつくにきまっとろーが……


と思いながら、到着した土を取り出してみると

……軽っ!!? なんぞこの軽さ。同じ量の小麦粉の半分くらいの重さに感じます。
袋を開け、触れてみると


めちゃくちゃ粒子が小さい。触った感じは片栗粉やコーンスターチのようです。薄力粉よりは細かいんじゃないでしょうか。
そういえば、市販されてる珪藻土製品ってまさにセラミックみたいなきめ細かさですもんね。材料を見ると全く納得です。

「お前らが話題にしている土はこの私である」




ここで意を決し、口に運んでみます。

……(・ω・)……粉……ですね。うん。
小麦粉をなめているような感じです。しかし土だけあって、口の中にいつまでも残るような感じ。唾液とともに飲み込まれてはいくのですが、小麦粉や各種でんぷん粉のように唾液に溶ける感じはありません。
ただ、やはり粒子が非常に細かいので「ジャリつく」感じはなく、不快感もありません。食えるっちゃ食える。


ということで実際に食べてみることにしました。
まずは


砂糖とともに牛乳に溶いて飲んでみることに。そもそも今回土食ってるのはココアにインスパイアされたためなので、ココアっぽく飲んでみたかったんです。

いただきまーす

……Σ(`・〰・´)これは、きなこドリンク……!!
むかし父親が健康のために飲んでいたきなこ牛乳ドリンクそっくりです。きなこも舌の上で全く溶けようとしない頑固さがありますが、まさか珪藻土と似るとは思わなんだ。

最近美容のために土を摂取する人がいると耳にしたことがありますが、牛乳に溶いて飲むのは結構いいかもなあと思いました。不味くはない。


それからもうひとつやってみたかったのが、土クッキー

土食について調べていて知ったのですが、カリブの島国ハイチでは、日常的に「土で作ったクッキー」が食べられているそうなのです。
作り方は「土と小麦粉と塩(ときにバターなど)を混ぜて天日干しにし、焼く」とのことで、それレンガじゃん……食えるの!? というのが正直な感情でした。彼らが食べるのは珪藻土ではなく「何の変哲もない普通の土」だそうですが、それは現時点ではハードルが高すぎるのでとりあえず食用珪藻土でやってみます。
あと作り方ももう少し「普通のクッキー」に寄せます。日和ったとかいうなし



珪藻土に牛乳、砂糖、溶かしたバターを混ぜて練り、


整形してレンジで水分を飛ばします。練るときの手触りは泥団子を作っている時と全く一緒です。


というかぼくのやっていることは「食べるために泥団子を作る」ことにほかなりません。こどもの時のおままごとがこんな形でリアルになってくるとは……人生は全く読めないことだらけです。

これを、200℃のオーブンで30分ほど焼いて

完成とします。

コゲが美味しそう


いただきましょう。

……(´・〰・`)ウーン
えっと、まず意外なことに、香りと味は完全に普通のクッキーです。見た目はまさに珪藻土の焼きものなのでそこのギャップに驚きます。
しかし咀嚼していると遅かれ早かれ違和感に襲われます。やっぱりね、粉がね、口の中に残るんだよねぇ……

バターも入っているし、焼成温度もたかだか200℃なのでレンガのように固くなることはありませんでしたが……いかにほろりと崩れようと、これほど粉感が残ってしまっては、普通のクッキーのように食べるわけにはいかないでしょう。
あ、でも飲み込むのに抵抗があるとかそういうのではないです。単純に「クッソ完成度の高いおままごとのクッキーを食べてる」みたいな感情です。

味:★★☆☆☆~★★★☆☆ ドリンクはそんなに嫌いじゃないし、クッキーも健康食品だと思えば食べられる
価格:★★★★☆


うん、でも、土食、面白いですね。「消化できないものを食べる」というのがこんなに面白いとは正直思わなかった。消化できない脂の話をするのはやめろ!
まだまだ試していきますので、いましばらくお付き合いくださいませ。。

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ブログとはまた違った切り口の文章をお楽しみいただけると思います。ぜひお手にとっていただけると嬉しいです!

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野食ハンマープライス

コメント

  1. 三葉虫 より:

    いつも楽しく拝見してます!
    土クッキー、見た目はスノーボールみたいで美味しそうですが、やっぱり粉が口に残るんですね。
    土を食べると聞いて天狗の麦飯をぜひレビューしていただきたい…と思いましたが、調べたらなんと天然記念物でした。残念。

    • wacky より:

      天狗の麦飯、ぼくもいつか食べてみたかったんですが……残念
      調べたら彼らは藍藻類らしいので、イシクラゲとかの味に近いのかもですね

  2. 通りすがり より:

     これって繊維質を食べるのと同じでお通じが良くなったりするんでしょうか?

  3. さばみそ より:

    消化出来ない脂を吸収して程よい流動性で排出してくれそう

  4. シャバーニ より:

    いつも楽しく拝見させていただいております。
    当方、薬剤師なのですが、今回の記事にてピンと来るモノがありました。
    これ、薬にもあるやん。と。
    アドソルビン:成分名 ケイ酸アルミニウム
    です。
    止瀉薬(下痢止め)として使われております。
    テクスチャもちょっと重い片栗粉の様な感じです。
    有害物質や余剰水分を吸着する薬剤なので、ダメなモノを食べて下した時なんかにこの土クッキー、使えるのでは無いかと考えました。いや、あくまでも自己責任の元お願いいたします。

    • wacky より:

      実は食べた翌日便が出ませんでした(;´∀`)その翌日は快腸でしたけど
      あまり食べ過ぎないように気を付けます、ありがとうございます!

  5. あべべ より:

    土を行ったなら苔も是非!
    某ナスDが食べられないコケは無いとか言って、地面の剥がして土付きでバリバリ食べてたのが印象的でした

  6. 雄町 より:

    モンモリロナイトの土というか、粉末なら、ソフト・シリカ(株)という会社で、肥料用のものが小袋で(2kgぐらい?)で売っています。

  7. かにみそ より:

    茸本さん…脳に蛆か何か沸いてしまったんですか?

  8. 雄町 より:

    ソフトシリカは、飼料にも添加されることがあるので、人間が食べても大丈夫だと思いますが。

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